令和6年度「おやこ防災キャンプ」を開催しました!!
更新日:2025年1月10日
1 目的
本市では、近年、自然災害の頻発化や激甚化がみられる一方、高齢化や人口減少が進行する中、迅速かつきめ細かい被災者支援を進めるため、新たな「共助」の担い手の確保を目的として、令和4年8月から、市内で防災士資格を有する方を対象とした「登録防災士」制度を導入しています。
市内で災害が発生した際、登録防災士には、避難所の運営や災害ボランティア活動等に協力いただくこととしており、令和6年12月末現在、344名の方に登録いただいています。
本年9月28日~29日、10月5日~6日には、登録防災士のより実践的な研修機会とすることに加え、実際の避難所生活体験を通じて、家庭で防災について考え、非常用持出品の準備など自助の力を高める観点から、宿泊を伴う「おやこ防災キャンプ」を実施しました。
<目的>
・ 非日常的な避難所生活の体験を通じて、家庭内で避難所生活に必要な備蓄品等を話し合うきっかけとするなど、市民の防災意識の高揚を図る。(自助)
・ 宿泊を伴う実践的な避難所開設・運営の体験を通じて登録防災士のスキルアップを図り、もって共助力の向上に資する。(共助)
・ 避難所の設備等に対する市民意見を環境整備に向けた参考とする。(公助)
2 開催日程・場所
回 | 日程 | 場所 |
第1回 | 令和6年9月28日(土)~9月29日(日) |
福島工業高等専門学校 (いわき市平上荒川字長尾30番地) |
第2回 | 令和6年10月5日(土)~10月6日(日) |
大浦小学校 (いわき市四倉町狐塚松橋27番地) |
3 参加者数
回 |
参加者数 ※1 |
運営スタッフの数 ※2 | ||
小中学生とその保護者 | 福島高専 | 登録防災士 | 自主防災会 | |
第1回 | 17組40名 |
先生2名 学生10名 |
22名 | ― |
第2回 | 16組37名 | 学生3名 | 10名 | 6名 |
※1 参加申込者数 第1回、第2回合せてのべ79組194名
※2 第1回開催に係る企画会議(3回)、ふりかえりの会議出席者… 福島高専:のべ20名、登録防災士:のべ33名
第2回開催に係る企画会議(3回)、ふりかえりの会議出席者… 登録防災士:のべ18名、四倉町上仁井田自主防災会:のべ6名
4 開催内容
⑴ 想定ケース
・ 前日から降り続く大雨により、災害発生の危険が生じ、「避難指示」を発令
・ ライフライン:断水、停電(後に復旧)、下水道やガスは使用可
⑵ プログラム
第1回 (福島高専) |
1日目 9月28日(土) |
2日目 9月29日(日) |
・避難所体験(避難所での受付、居住スペースの準備、資機材の組立て(パーテーション等)、トイレカーの見学等 ・家庭内備蓄について、災害情報の入手方法の確認 ・夕食(参加者持込み) ※家庭内備蓄に係る情報交換、非常用持出品の点検 ・登録防災士による被災体験のお話 ・防災ワークショップ (災害時に役立つものづくり:おやこでペットボトルランタンづくり、新聞紙で食器づくり) ・ペットボトルランタンを使用してのおやこで暗闇歩行体験 |
・ラジオ体操 (エコノミークラス症候群予防対策) ・朝食(おやこで調理) ※電気、火気を使用せずに作れるメニューをおやこで調理 (ポリ袋調理) 【運防会】 (福島高専の学生が企画・運営) ・車いす体験 ・防災用品収集競争 ・防災クイズ |
第2回 (大浦小) |
1日目 10月5日(土) |
2日目 10月6日(日) |
・避難所体験(避難所での受付、居住スペースの準備、資機材の組立て(パーテーション等)、トイレカーの見学等 ・家庭内備蓄について、災害情報の入手方法の確認 ・夕食(参加者持込み) ※家庭内備蓄に係る情報交換、非常用持出品の点検 ・登録防災士による被災体験のお話 【おやこで防災学習】 ・登録防災士による被災体験のお話 ・マイ避難シート作成 ・暗闇体験 ・防災クイズ |
・ラジオ体操 (エコノミークラス症候群予防対策) ・朝食(おやこで調理) ※炊き出し(すいとんづくり)、 ポリ袋調理(炊飯) ・防災ワークショップ (新聞スリッパ、ペットボトルランタンづくり、防災かるた)
|
5 主な参加者の声
参加いただいた保護者からは、次のとおり様々な感想や意見が寄せられました。
【第1回】(福島高専)
・「体育館で寝ること、好き嫌いが多い子が限られた食事環境に触れたこと、日常とは違う不便さが子どもたちといざという時について考えるきっかけになると感じた。子どもはどこでも寝ることができることも新たな発見であった。」
・「非日常の体験ができたことで、何が必要なのかを考えることができた。周りにも必要性を伝えていくことが大事だと思った。」
・「今回、実際に体育館に宿泊してみて、防災グッズの準備物を見直そうと思った。準備する時も必要最低限のものはもちろん、避難所で快適に過ごすためのものを併せて考えようと思った。」
・「ローリングストックを実践したいと思った。他の方と情報交換をして、備蓄品などが参考になったので、これから家庭で教えていきたいと思う。」
・「今後非常食をローリングして食べたりすることで、味に慣れたり、今回の経験を活かして子どもには自分で必要なものを準備して自分の非常用持出リュックを作ったりしてほしい。」
・「子どもと楽しく参加し、実際に体育館に泊まるといういつもはできない、避難時にしかできないことをさせてもらえてよかった。」
【第2回】(大浦小)
・「集団生活の大変さが身に染みた。とにかく夜は寒かったので、布団類は多めに準備しておこうと思った。お湯を使わなくても大丈夫な食べ物を調べて、ちゃんと備蓄しておきたい。」
・「震災からだいぶ時間がたち、震災を知らない子どもたちと日常を送る中で、当時の緊張感やいつでも避難できるようにしておく心構えなど、すっかり忘れていた様な気がする。今回の防災キャンプに参加させていただき、あらためて色々大切なことを思い出したような気がする。」
・「いつどんな災害が起こるか分からないので、普段から食料や飲料水の備蓄、ローリングストックに取り組んでいきたいと思った。」
・「避難所がどのような感じか感触が分かったので、今後、避難所に避難する機会があった場合に何を持って行けばよいか考えることができる。」
・「他のご家庭の防災グッズ等が参考になったので、家庭でもそれを活かしたいと思った。」
・「地域の登録防災士の方に大変親切にしていただいた。ありがとうございました。地域の方とふれあうことができ、子どもたちも大変喜んでいた。炊き出しの体験ははじめてだったので、良い経験になった。ありがとうございます。」
以上のとおり、今回の体験を通じて、日ごろからの「非常用持出品の準備」や「家庭内備蓄」の重要性等が理解でき、「災害への備え」に対する意識が高まったり、地域の方とふれあえたことに喜びを感じていただくなど、多くの方から好意的な回答をいただきました。
第1回では、福島高専の学生が企画・運営した「運防会」が参加者に大変好評で大いに盛り上がりました。
第2回では、火起こし体験や炊き出しなど、日常では体験できないことを、地域の方々のご協力により実施でき、出来上がったすいとんをおいしそうに食べる親子の姿が印象的でした。
また、昨年度より多くの登録防災士に参加いただき、企画段階から運営スタッフとして主体的に活動いただきました。
「おやこ防災キャンプ」は今回が昨年度に続き2度目の開催でしたが、参加者から多くの反響をいただいており、次年度以降も、継続して実施していく予定です。
実施にあたっては、今回出た課題(プログラムの時間配分や参加者にとって分かりやすい進行、場面設定など)の解消を図りながら、参加者にとってより有意義なイベントとできるよう取り組んでいきます。
関連リンク
このページに関するお問い合わせ先
危機管理部 危機管理課
電話番号: 0246-22-1206 ファクス: 0246-22-1145