令和7年度「おやこ防災キャンプ」を開催しました!!
更新日:2025年12月12日
1 目的
本市では、近年、自然災害の頻発化や激甚化がみられる一方、高齢化や人口減少が進行する中、迅速かつきめ細かい被災者支援を進めるため、新たな「共助」の担い手の確保を目的として、令和4年8月から、市内で防災士資格を有する方を対象とした「登録防災士」制度を導入しています。
市内で災害が発生した際、登録防災士には、避難所の運営や災害ボランティア活動等に協力いただくこととしており、令和7年10月末現在、365名の方に登録いただいています。
本年10月4日~5日、10月11日~12日には、登録防災士のより実践的な研修機会とすることに加え、実際の避難所生活体験を通じて、家庭で防災について考え、非常用持出品の準備など自助の力を高める観点から、宿泊を伴う「おやこ防災キャンプ」を実施しました。
<目的>
・ 非日常的な避難所生活の体験を通じて、家庭内で避難所生活に必要な備蓄品等を話し合うきっかけとするなど、
市民の防災意識の高揚を図る。(自助)
・ 宿泊を伴う実践的な避難所開設・運営の体験を通じて登録防災士のスキルアップを図り、もって共助力の向上に資する。
(共助)
・ 避難所の設備等に対する市民意見を環境整備に向けた参考とする。(公助)
2 開催日程・場所
| 回 | 日程 | 場所 |
| 第1回 | 令和7年10月4日(土)~10月5日(日) |
福島工業高等専門学校 (いわき市平上荒川字長尾30番地) |
| 第2回 | 令和7年10月11日(土)~10月12日(日) |
泉北小学校 (いわき市泉町玉露定田69番地) |
3 参加者数
| 回 |
参加者数 ※1 |
運営スタッフの数 ※2 | ||
| 小中学生とその保護者 | 福島高専 | 登録防災士 | 自主防災会 | |
| 第1回 | 13組31名 |
先生2名 学生12名 |
26名 | ― |
| 第2回 | 14組36名 | ― | 13名 | 6名 |
※1 参加申込者数 第1回、第2回合せてのべ64組166名
※2 第1回開催に係る企画会議(3回)、ふりかえりの会議出席者… 福島高専:のべ14名、登録防災士:のべ13名
第2回開催に係る企画会議(3回)、ふりかえりの会議出席者… 登録防災士:のべ5名、泉ヶ丘自主防災会:のべ6名
4 開催内容
⑴ 想定ケース
・ 前日から降り続く大雨により、災害発生の危険が生じ、「避難指示」を発令
・ ライフライン:断水、停電(後に復旧)、下水道やガスは使用可
⑵ プログラム
|
第1回 (福島高専) |
1日目 10月4日(土) |
2日目 10月5日(日) |
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【避難所体験】 避難所に到着後、まずやることを体験。 「受付」「居住スペースの確保」 「資機材(パーテーション等)の組立て」 その後、トイレカーや水素自動車の見学。 【ブース体験】 会場内の5つのブース(アマチュア無線、救急救命、 ロープワーク、高齢者体験、津波VR)を自由に体験。 【防災BINGO】 BINGOをしながら、非常用持ち出し品や家庭内備蓄品について確認・点検。 【夕食】(参加者持ち込み) 非常食を食べながら、みんなで情報交換。 災害情報の入手方法、冠水した道路からの脱出方法など についても紹介。 【防災ワークショップ&暗闇体験】 災害時に役立つものづくり。 ・ペットボトルランタン ・新聞紙スリッパ 【防災ナイトシアター】 東日本大震災がテーマの映像の上映会。 |
【ラジオ体操】※エコノミークラス症候群の予防 【朝食】(親子で調理) 電気やガスを使わない、非常食のアレンジレシピに親子 で挑戦。 【マイタイムライン作成】 ハザードマップの見方や車避難について学習後、大雨に よって避難指示が発令された場合を想定し、家族それぞ れがとる行動を各家庭で話し合い、マイタイムラインを 作成。 【防災かるた】 2日間の学びをかるたでおさらい。 |

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第2回 (泉北小) |
1日目 10月11日(土) |
2日目 10月12日(日) |
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【避難所体験】 避難所に到着後、まずやること(流れ)を体験。 「受付」「居住スペースの確保」 「資機材(パーテーション等)の組立て」 その後、トイレカーや水素自動車の見学。 【防災BINGO】 BINGOをしながら、非常用持ち出し品や家庭内備蓄品 について確認・点検。 【防災学習1】 東日本大震災がテーマの映像の上映会。 【防災学習2】 ハザードマップの見方や車避難について学習後、大雨に よって避難指示が発令された場合を想定し、家族それぞ れがとる行動を各家庭で話し合い、マイタイムラインを 作成。 【夕食】(参加者持ち込み) 非常食を食べながら、みんなで情報交換。 災害情報の入手方法についても紹介。 【防災ワークショップ&暗闇体験】 災害時に役立つものづくり。 ・ペットボトルランタン ・トイレフォルダー 【防災かるた】 2日間の学びをかるたでおさらい。 |
【ラジオ体操】※エコノミークラス症候群の予防 【朝食】(炊き出し) 炊き出しの雰囲気を味わいながら、すいとん汁とポリ袋 炊飯を食べる。 【消防体験】 ・スモークマシーン体験 ・水消火器体験 ・消防服の着脱体験 ・消防車両の展示 |
5 主な参加者の声
参加いただいた保護者からは、次のとおり様々な感想や意見が寄せられました。
【第1回】(福島高専)
・家族みんなで家にいるとき以外のあらゆるケースを想定した避難パターンも考える必要があると考えている。
・教えてもらった災害飯を家でも実践してみたい。
・タイムラインについて家族全員で共有しておきたい。
・避難経路やタイムラインをすぐに作成したい。自分たちに必要なものを再度精査して、防災リュックを準備したい。
子どもたちだけでなく、祖父母とも共有して、家族全員が命を守れるように準備したい。
・おいしい非常食をリサーチしたい。
・継続的に取組んで欲しい。
・子どもたちも親も楽しみながら学ぶことができました。改めて備蓄品や避難について考えるきっかけとなりました。
防災士の方々、高専のみなさんの子どもへのサポートがとてもありがたかったです。
・避難経験が無いため、このような企画に参加できて良かったです。この経験を活かせるようにしたいです。
ありがとうございました。
【第2回】(泉北小)
・参加してみて日々の生活の見直しにも繋がった。
災害は特別に起こるわけではなく、いつ起きても不思議ではないため、落ち着いて避難できるように連絡カードの作成や、
自分以外の家族の安全をどのように守るのかを考えておく必要があると思った。
・避難所での生活がどれだけ大変か再度体験できたのでよかったです。
・避難経路や連絡手段、非常食について、家族みんなで話し合っておこうと思った。
・災害のない今のうちに、どう行動するか考えておきたいと思いました。
子供達とバラバラな時間帯に災害にあった時、お互いにどう行動するかを話し合いたいと思いました。
・参加できて良かったです。東日本大震災を経験しているのですが、忘れている部分もあるので再確認ができました。
・防災士の方など色々とアドバイスや手伝って頂き、大変感謝しております。
・今後は防災について家族で話し合い、自分たちでも安心して過ごせるような防災グッズなども準備していきたいと思います。
ありがとうございました。
以上のとおり、今回の体験を通じて、日ごろからの非常用持出品の準備や、避難経路・連絡手段について家族間で共有するこ
との重要性が理解でき、「災害への備え」に対する意識が高まるなど、多くの方から好意的な回答をいただきました。
第1回では、ロープワークや救急救命、高齢者体験など、様々なブース体験に子どもたちが興味津々でした。スタッフとして
参加された登録防災士の皆さんの職業は多種多様で、医療・福祉・教育などの現場を知り尽くしている方や、応急手当普及員な
どの資格を持っている方もいます。登録防災士の皆さんそれぞれの強みを活かしたブース体験となりました。
また、高専生が企画した防災ナイトシアターは、映画館のような世界観にその場にいる全員が引き込まれていました。東日本
大震災の教訓から命を守る行動について、真剣に考える親子の姿が印象的でした。
第2回では、地域の方々のご協力もあり、炊き出し体験を実施しました。子どもたちの食欲は想像以上で、「すいとんいっぱ
い入れて~」と笑顔でおかわりする子もいました。
小名浜消防署による消防体験では、消防隊員の早着替えや鍛え抜かれた体力に親子から歓声が上がる場面もありました。親子
は、過酷な環境で活動する消防隊員の姿を通して、火災への怖さやとるべき行動について、意識を高めているようでした。
第1回、第2回を通して、昨年度より多くの登録防災士に参加いただき、企画段階から運営スタッフとして主体的に活動いた
だきました。
「おやこ防災キャンプ」は今回が3度目の開催でしたが、参加者から多くの反響をいただいており、次年度以降も継続して実
施していく予定です。実施にあたっては、今回出た課題の解消を図りながら、参加者にとってより有意義なイベントにできるよ
う取り組んでいきます。
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