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『三崎公園(3)』(平成30年7月25日市公式Facebook投稿)

更新日:2018年7月25日

いわきの『今むがし』Vol.99

三崎公園と小名浜港 (昭和36年頃、比佐不二夫氏提供)

三崎公園と小名浜港1 前回までは三崎公園整備のあらましや背景について触れてきましたが、今回は個々の整備内容を紹介します。
 三崎公園内の本格的な整備は、昭和30年代でした。特に、昭和34(1959)年、「都市公園法」の適用を受け、同年10月から5か年継続事業で整備が始まり、公園の中央に、昭和36(1961)年4月、鉄筋コンクリート造りの円型展望台(高さ14m、直径10m)が完成し、周辺整備も行われました。
 らせん階段を上った屋上が展望台で、小名浜港、神白海岸、遠くに小名浜市街地、工場群、さらに湯ノ岳を眺望できるようになりました。階下には売店が開設されました。
 海岸循環となる観光道路の新設工事(幅員8m、延長320m)は、移転改築する県水産試験場の工事(昭和41年に完成)を容易に進めるために昭和40(1965)年4月に着工したもので、三崎トンネル(幅員7m、高さ5m)が設けられ、同年8月に開通しました。
 これで、展望台には3方向から上ることができるようになりましたが、観光客の増加に対応するには、歩道幅や車道幅確保など十分とはいえず、今後の整備が待たれました。
 昭和41(1966)年頃には、小動物園が設置されました。園内にはサル、クマ、シカ、ニワトリなどが飼育されていました。(昭和60年4月、いわきマリンタワーの建設地に当たっていたことから、丸山公園などに引き取られ惜しまれながら閉園)
 芝生広場は昭和48(1973)年4月に一部、翌年に全面オープンしました。昭和50(1975)年4月には自然の景観を損なわない程度で休憩舎や動物遊具などを芝生広場に配置されました。
 昭和53(1978)年7月には、三崎公園の南端に「三崎潮見台」が完成しました。潮見台の展望橋は海面から高さ26mの海食崖から13m突き出ており、眼下にはスリルに満ちた岩壁を洗う白波を見ることができます。また、地上13mの展望台では、潮風を感じながら水平線の開放感と透き通った海を望むことができます。
 

(上) 三崎公園と小名浜港(昭和60年頃、いわき市撮影)
(下) 三崎公園と小名浜港(平成30(2018)年、いわき市撮影)

三崎公園と小名浜港2 三崎公園の展望台は来園した人々の人気を集めましたが、さらに高みから眺望できる施設を望む声が高まりました。
 これを受け、市は昭和60(1985)年8月、「海と空と緑の対話」をコンセプトとして、海抜46mの高台に「いわきマリンタワー」を仮オープン(翌年8月に本オープン)させました。
 タワーの高さは59.99m。この数字には意味があります。建造物の高さが60mになると、明滅する「航空障害灯」の設置や「昼間障害標識」として赤と白の配色が義務づけられています。これではコンセプトから外れ、いわきのイメージ「青」からかけ離れてしまいます。このことから規制より1cmだけ低いわけです。
 最上のスカイデッキからは360度の大パノラマを楽しむことができるようになりました。
 いわきマリンタワーには当初から白色灯を設置して夜間点灯していましたが、漁業関係者から「灯台と間違えてしまう」という声があり、小名浜海上保安部の指導が入って中断。市が青色灯に切り替えて、関係者の了承を得て、昭和63(1988)年7月から夏季(その後、1年中点灯)の間、ライトアップによる“ブルーライト小名浜”を演出しました。青く輝くマリンタワーが港町の夜景にくっきり浮かび、小名浜の夜空を彩るようになりました。翌年4月からは、期間延長を望む声を受けて、通年点灯となりました。
 公園整備は、その後も随時継続されていきます。
 昭和61(1986)年8月には、管理棟や人工芝そり場(長さ65mと40m)、ソフトボール場、トリムコース、バーベキュー広場、多目的広場で構成された「いわきサンスポーツランド(市勤労者体育施設)」が完成。さらに、昭和63(1988)年7月には、いわきマリンタワーの南東約800mの位置に、2,600人収容可能で、コンサート施設を備えた野外音楽堂が完成しました。
 この間、各施設の周囲には駐車場が整備されていきます。
 平成10(1998)年4月、三崎公園内には自然公園法の制限をクリアしたうえで、健康増進と保養を目的とした国民年金健康センター「いわき」が、オープン(平成19年11月に民間へ移管)しました。
 平成12(2000)年3月には、公園北東部のいわき海星高校側から進入する屈曲した道路をほぼ直線化した全長410mの新設道路工事(歩道を含め、幅員約14m)を完成させました。同時に、小名浜港からマリンタワーに通じる車道と歩道の拡幅工事を施工しました。
 また、三崎トンネルは従来の2倍強となる幅員14m、高さ8mへ拡幅して、平成13(2001)年4月に開通。平成14(2002)年8月に公園内をめぐる幹線道路の全1.14kmについて2車線化が完了しました。
 平成17(2005)年には、公園北側の市道沿いに「港が見える丘」が整備されました。小名浜港越しに阿武隈高地に沈む夕日が、絶景ポイントとして知られています。
 水族館・海洋博物館の建設を紡ぎ出した三崎公園は、その構想こそ途中で小名浜港に譲りましたが、時代を経て、丘陵地と磯浜の地形を活かした「公園」としての豊かな空間を演出し、訪れる人をそれぞれに楽しませてくれます。
(いわき地域学會 小宅幸一)
 

その他の写真

いわきサンスポーツランド(平成2年5月、いわき市撮影)

いわき産スポーツランド 

いわきサンスポーツランドから見る海(平成2年5月、いわき市撮影) 

いわき産スポーツランドから見る海

いわきマリンタワーから見る小名浜港(昭和60年頃、いわき市撮影)

いわきマリンタワーから見る小名浜港

いわきマリンタワーの夜間点灯(平成2年7月、いわき市撮影)

いわきマリンタワーの夜間点灯

三崎公園でふくしま国体炬火採火式・炬火リレー出発式(平成7年、いわき市撮影)

三崎公園でふくしま国体炬火採火式、炬火リレー出発式

三崎公園のサクラ(平成26年4月、いわき市撮影)

三崎公園のサクラ

三崎公園の将来図(昭和58年7月、いわき市撮影)

三崎公園の将来図

三崎潮見台(平成9年7月、いわき市撮影)

三崎潮見台

三崎潮見台(平成27年10月、いわき市撮影)

三崎潮見台2

小動物園・戸渡分校の施設めぐり(昭和47年7月、いわき市撮影)

小動物、戸渡分校の施設めぐり

小動物園のサル(昭和42年12月、いわき市撮影)

小動物園のサル

展望台のこどもたち(昭和53年5月、いわき市撮影)

展望台のこどもたち

展望台付近・市政モニターみてある記(昭和48年6月、いわき市撮影)

展望台付近、市政モニターみてある記 

展望台付近・老人会の清掃(昭和52年、いわき市撮影)

展望台付近・老人会の清掃

野外音楽堂(平成6年7月、いわき市撮影)

野外音楽堂

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電話番号: 0246-22-7402 ファクス: 0246-22-7469

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