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『三崎公園(2)』(平成30年7月11日市公式Facebook投稿)

更新日:2018年7月11日

いわきの『今むがし』Vol.98

三崎公園の空撮 小名浜港方向を見る〔昭和60(1985)年頃、いわき市撮影〕

写真1-3 三崎公園の空撮 小名浜港方向を見る〔昭和60(1985)年頃、いわき市撮影〕  昭和54(1979)年度、市は「いわき市観光開発整備計画基本計画」を策定しました。このうち三崎公園については、「県立海洋博物館」を中心とする海洋科学センターの建設構想が提案されました。入り江を利用して人工制御された海を創り、ここで魚の養殖などを行うとともに海中展望塔を設けて海中の状態を観察できるようにする、という遠大な計画でした。
 このほか、レストラン、物産館、スイミングレジャープール、桟橋などが盛り込まれていました。
 この計画は、県の長期総合計画のなかで海洋レクリエーション基地の建設として盛り込まれ、市の関係者は三崎公園への建設要望活動を活発化させました。
 一方で、昭和時代末期から平成時代初期にかけて、国による官民共同の総合的な港湾空間を創造する「ポートルネッサンス21」が展開され、従来のふ頭における再開発がテーマとなっていきます。
 貨物船の大型化に伴い、貨物取り扱いが、岸壁の水深が大きい新しいふ頭に移行していくと、これまでのふ頭を別の用途として再開発していくことが求められたのです。港に親水性を復活させることも課題でした。
 いわき市では小名浜港1、2号ふ頭が対象となり、親水空間の創出が大きなテーマとして掲げられました。この新たな構想のなかで、海洋博物館・水族館構想は三崎公園建設から分離されて、2号ふ頭の再開発地へ移行し、平成12(2000)年7月開館した「ふくしま海洋科学館(アクアマリンふくしま)」となって結実することになりました。
 その後、整備の核となる海洋科学センターを除く施設は、当初の計画を変えながら公園としての体裁を優先して整えていきます。
 昭和60(1985)年8月には市制施行20周年と都市公園法制定30周年を記念して、海抜46mの高台に、高さ59.9mの「いわきマリンタワー」が建設されました。

三崎公園の空撮 小名浜港方向を見る〔平成8(1996)年、いわき市撮影〕

写真1-4 三崎公園の空撮 小名浜港方向を見る〔平成8(1996)年、いわき市撮影〕

 小名浜地区だけでなく、いわき市のシンボル的存在となった「いわきマリンタワー」の完成後も、三崎公園の整備は順次進められていきます。
 昭和61(1986)年8月には、子どもたちのスポーツ・憩いの場として「いわきサン・スポーツランド」がオープン。次いで、昭和63(1988)年7月には、コンサート施設を備えた野外音楽堂が完成しました。
 市は昭和63(1988)年8月5日から7日まで、三崎公園を訪れた観光客にアンケートを行い、515人から回答を得ました。
 これによると、30代が最も多く35.1%、20代が22.9%と若い世代が多く、また職業別では会社員が40.8%と圧倒的に多く、家族連れで来園していることがわかります。交通の便や食べ物、サービスなどの調査項目では、いずれも満足が高く、9割が再来を望んでいました。反面、施設のグレードアップも要望されていました。
 市は来訪者のアクセスを充実させるため、公園に通じる道路整備を進めていきます。平成12から14(2000から02)年度には、公園北側から入る410mの新設道路工事、三崎トンネルとマリンタワーまでの市道整備、さらに公園内を1周できる道路1.14kmが整備されます。園内の駐車場も10か所を数えるようになりました。
 平成17(2005)年度には、公園の北側に「港が見える丘」が整備されました。
 これらの整備によって、風致公園として都市計画決定を受けた認可面積62.1haのうち、平成8(1996)年度までに整備が31.3ha、平成13(2001)年度までに整備が44.3ha、と進ちょくしました。
 三崎公園からは、外洋のはるか彼方から渡って来た外国貨物船やコンテナ船、小名浜港湾の立体的な工場群の連なり、阿武隈高地の峰々などが一望できます。朝、昼、夕と刻々と刻まれる時間のなかで趣きを変える風景。マリンタワーの上、三崎潮見台、港の見える丘など、さまざま場所で、それぞれの視界が、豊かな感慨を湧き立たせてくれます。
(いわき地域学會 小宅幸一)
―次回に続く―

 その他の写真

三崎公園の空撮 小名浜港方向を見る〔平成26(2014)年12月、いわき市撮影〕

写真1-5 三崎公園の空撮 小名浜港方向を見る〔平成26(2014)年12月、いわき市撮影〕

 

いわきマリンタワー、サンスポーツランド管理棟(昭和61年8月、いわき市撮影)

写真02  いわきマリンタワー、サンスポーツランド管理棟(昭和61年8月、いわき市撮影)

 

いわきマリンタワーのライトアップとサクラ(平成15年、いわき市撮影)

写真03  いわきマリンタワーのライトアップとサクラ(平成15年、いわき市撮影)

 

いわきマリンタワー仮オープン(昭和60年8月、いわき市撮影)

写真04  いわきマリンタワー仮オープン(昭和60年8月、いわき市撮影)

 

いわきマリンタワー落成テープカット(昭和61年8月、いわき市撮影)

写真05  いわきマリンタワー落成テープカット(昭和61年8月、いわき市撮影)

 

マリンタワーから見るいわきサンスポーツランド(昭和61年頃、いわき市撮影)

写真06  マリンタワーから見るいわきサンスポーツランド(昭和61年頃、いわき市撮影)

 

マリンタワーから見る工事中のいわきサンスポーツランド(昭和60年頃、いわき市撮影)

写真07  マリンタワーから見る工事中のいわきサンスポーツランド(昭和60年頃、いわき市撮影)

 

空撮・三崎公園、いわきマリンタワーを南側から見る(昭和時代後期 いわき市撮影)

写真08  空撮・三崎公園、いわきマリンタワーを南側から見る(昭和時代後期 いわき市撮影)

 

空撮・三崎公園、小名浜下神白、小名浜市街東部を南側から見る(平成26年12月、いわき市撮影)

写真09  空撮・三崎公園、小名浜下神白、小名浜市街東部を南側から見る(平成26年12月、いわき市撮影)

 

空撮・三崎公園から見たマリンタワー、小名浜港(昭和60年8月、いわき市撮影)

写真10  空撮・三崎公園から見たマリンタワー、小名浜港(昭和60年8月、いわき市撮影

 

空撮・三崎公園といわきマリンタワーを南側から見る(平成元年10月、高萩純一氏撮影)

写真11  空撮・三崎公園といわきマリンタワーを南側から見る(平成元年10月、高萩純一氏撮影)

 

三崎公園、小名浜港湾をいわきマリンタワーから見る(平成7年7月、いわき市撮影)

写真12  三崎公園、小名浜港湾をいわきマリンタワーから見る(平成7年7月、いわき市撮影)

 

三崎公園案内板(平成時代初期、いわき市撮影)

写真13  三崎公園案内板(平成時代初期、いわき市撮影)

 

三崎潮見台(平成4年、いわき市撮影)

写真14  三崎潮見台(平成4年、いわき市撮影)

 

三崎潮見台(平成6年5月、いわき市撮影)

写真15  三崎潮見台(平成6年5月、いわき市撮影)

 

三崎潮見台オープン(昭和53年7月、いわき市撮影)

写真16  三崎潮見台オープン(昭和53年7月、いわき市撮影)

 

野外音楽堂(平成6年7月、いわき市撮影)

写真17  野外音楽堂(平成6年7月、いわき市撮影)

 

野外音楽堂をいわきマリンタワーから見る(平成9年5月、いわき市撮影)

写真18  野外音楽堂をいわきマリンタワーから見る(平成9年5月、いわき市撮影)

 

三崎〔1.50,000地形図 小名浜(平成19年修正)〕

地図1  三崎〔1.50,000地形図 小名浜(平成19年修正)〕

 

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