安定ヨウ素剤に関するよくある質問
更新日:2024年12月12日
安定ヨウ素剤とは
質問
安定ヨウ素剤とはどのようなものですか。
回答
安定ヨウ素剤は、放射性でないヨウ素をヨウ化カリウムなどの形で内服用に製剤化したものです。
放射性ヨウ素とは
質問
放射性ヨウ素とはどのようなものですか。
回答
ヨウ素には、放射線を出すヨウ素と放射線を出さないヨウ素とがあります。放射性ヨウ素は、甲状腺に多く取り込まれて、それが出す放射線の影響により数年から数十年後に甲状腺癌を発生させる可能性があります。
安定ヨウ素剤の働きとは
質問
安定ヨウ素剤はどのように働くのですか。
回答
甲状腺は、安定ヨウ素も放射性ヨウ素も同じように取り込みます。安定ヨウ素剤を服用すると、その後(約24時間)、体内に入った放射性ヨウ素の甲状腺への取り込みを抑制します。
安定ヨウ素剤の替わりになるものは
質問
安定ヨウ素剤の替わりになるものはありますか。
回答
昆布やわかめなどの海藻などにはヨウ素が含まれています。しかし、含まれているヨウ素の量が一定ではなくばらつきがありますので、安定ヨウ素剤の代替としては不適当です。
安定ヨウ素剤の効果が及ばない範囲は
質問
安定ヨウ素剤の効果が及ばない範囲はありますか。
回答
安定ヨウ素剤は、放射性ヨウ素が体内に取り込まれること自体を防ぐことはできません。安定ヨウ素剤は、放射性ヨウ素による甲状腺への被ばくを低減する効果しかありません。また、安定ヨウ素剤は、放射性ヨウ素により甲状腺に生じた障害を元へ戻すことはできません。安定ヨウ素剤では、放射性ヨウ素以外の他の放射性核種に対する被ばくを抑えることはできません。
安定ヨウ素剤を効果的に利用するには
質問
安定ヨウ素剤を効果的に利用するにはどうしたら良いですか。
回答
国や県、市の服用指示にしたがって服用するようにしてください。放射性ヨウ素を体内に取り込みそうな時、事前に安定ヨウ素剤を服用すると最大の防護効果があります。放射性ヨウ素を体内に取り込んだ後では、数時間以内のできるだけ早い時期に服用すれば、効果はありますが限定的です。
なお、体内に取り込んだ後24時間以上経過してから服用した場合には、甲状腺の被ばく防護効果は期待できません。
また、放射性ヨウ素が環境中に存在しない場合には、安定ヨウ素剤を服用しても全く防護効果はありません。
服用対象者について
質問
誰が安定ヨウ素剤を服用するのですか。
回答
服用の判断は最終的には各個人に帰属しますが、服用の必要性は国、県や市が判断します。服用してはいけない方を除いて、すべての方々が、国、県や市からの服用指示があった場合に服用していただくことが基本です。特に、放射性ヨウ素による甲状腺被ばく対して、胎児、子供たちは成人よりも発がん影響への感受性が高いことが知られており、子供たちは優先的に安定ヨウ素剤を服用すべきです。
また、ヨウ素は胎盤を通過するため、胎児を防護するためにも、妊娠している方は安定ヨウ素剤を服用することを薦めます。ただし、服用量は規定量を守ってください。
40歳以上の方は、これまで放射線被ばくによる甲状腺癌の発生リスクの増加がみられないとされていましたが、近年の研究を見ると、その発生リスクは年齢とともに減少するものの高齢者においてもそのリスクが残存するとの報告もあることから、40歳以上の方も含め希望者には配布することとしました。ただし、一時的な甲状腺機能低下等の副作用が生じる可能性は年齢が上がるとともに増加するとの報告があることや、高齢者におけるがんの発生リスクについては、国際的な評価が定着しているものではないため、ご不明な場合は、かかりつけ医に相談してください。
以上を参考にして、服用量を守って服用してください。
服用できない人は
質問
安定ヨウ素剤を服用できない人は誰ですか。
回答
安定ヨウ素剤を服用してはいけない方、または、慎重に服用する必要のある方は以下の通りです。
服用してはいけない方(禁忌、服用不適項目)
安定ヨウ素剤の成分、または、ヨウ素に対し、過敏症の既往歴のある方
(ポピドンヨード液(うがい薬に含まれます)及びルゴール液使用後並びにヨウ化カリウム丸服用後に蕁麻疹や呼吸困難や血圧低下などのアレルギー反応を経験した方)
慎重に服用する必要のある方(慎重服用項目)
下記に当てはまる方、また、当てはまらなくとも、ご不明な点がある場合は、かかりつけ医等にご相談下さい。
- 高カリウム血症と言われたことのある方
- 先天性筋強直症と言われたことのある方
- ヨード造影剤過敏症と言われたことのある方
- 腎機能障害と言われたことのある方
- 低補体血症性じんま疹様血管炎と言われたことのある方
- ジューリング疱疹状皮膚炎と言われたことのある方
- 肺結核の患者と言われたことのある方
- 甲状腺機能亢進症と言われたことのある方
- 甲状腺機能低下症と言われたことのある方
下記の薬を服用している場合には安定ヨウ素剤と相互作用を起こす可能性があります。
- リチウム製剤
- カリウム含有製剤、カリウム貯留性利尿剤、エプレレノン
- ACE阻害剤、アンジオテンシン2受容体拮抗剤、アリスキレンフマル酸塩
- 抗甲状腺薬(チアマゾール、プロピルチオウラシル)
服用時の注意点とは
質問
安定ヨウ素剤の服用時にはどんな点に注意をする必要がありますか。
回答
- 国、県や市からの服用指示があった時にのみ服用してください。
- 定められた規定量の安定ヨウ素剤を服用してください。
- 規定量以上に服用することは避けてください。
- 避難時に事前配布された安定ヨウ素剤が見つからない場合には、入手に時間をかけるのでなく、避難を優先して下さい。避難の際に市から追加配布を受けて服用するようにしてください。
- 妊娠している方、または、その可能性のある婦人は、原則として複数回の服用を避けてください。(胎盤関門を通過して、胎児の甲状腺腫及び甲状腺機能異常を起こすことがあります。)
- 小児が服用した場合には、皮疹や甲状腺機能抑制を起こすことがあります。
- 新生児の反復服用は原則として避けてください。
- 妊娠している方、授乳中の方、新生児が安定ヨウ素剤を服用した場合には、服用後の安定ヨウ素剤による影響の観察などが必要になりますので、医師や薬剤師、又は保健所総務課医事薬事係の相談窓口(電話番号:0246-27-8590)まで相談ください。
副作用について
質問
安定ヨウ素剤の副作用にはどのようなものがありますか。
回答
安定ヨウ素剤は、緊急時に服用するものですが、副作用の可能性があることを理解してください。
安定ヨウ素剤を服用した際の副作用として、次のような症状が報告されています。
- 過敏症 発疹 など
- 消化器系の症状 悪心・嘔吐、胃痛、下痢、口腔・咽喉の灼熱感、金属味覚、歯痛、歯肉痛、血便(消化管出血) など
- その他の症状 甲状腺機能低下症、頭痛、息切れ、かぜ症状、不規則性心拍、皮疹、原因不明の発熱、首・咽喉の腫脹 など
副作用が発生した時は
質問
安定ヨウ素剤の服用によって副作用が発生した時はどうしたら良いですか。
回答
安定ヨウ素剤を服用し、体調に異変がでた時には、速やかに近くの医師や薬剤師等に相談してください。近くに医師等がいない場合は、保健所総務課医事薬事係の相談窓口(電話番号:0246-27-8590)に相談するか、医療機関に救急要請のために連絡してください。その際、症状とともに、いつ、どれだけの量の安定ヨウ素剤を服用したかについてもご説明ください。
服用量について
質問
安定ヨウ素剤はどのぐらい服用するのですか。
回答
新生児はヨウ化カリウム内服ゼリー16.3mg1包、生後1ヶ月以上3歳未満はヨウ化カリウム内服ゼリー32.5mg1包、3歳以上13歳未満はヨウ化カリウム丸1丸、13歳以上はヨウ化カリウム丸2丸を経口服用してください。
服用時期について
質問
安定ヨウ素剤はいつ服用するのですか。
回答
安定ヨウ素剤の服用は国、県や市が指示を出します。服用のタイミングは安定ヨウ素剤を効果的に利用するためには大変重要ですので、その指示に従って服用してください。なお、服用する場合には、市等が広報車及びFMいわき等により広報します。
服用回数について
質問
安定ヨウ素剤は繰り返して服用することができますか。
回答
安定ヨウ素剤の服用回数は原則1回としています。ただし、再度の服用がやむを得ないと国、県や市が判断し、その判断に基づいて、国、県や市からの指示があった場合にのみ24時間の間隔を空けて服用することとなっています。
保管方法は
質問
安定ヨウ素剤はどのように保管すれば良いですか。
回答
安定ヨウ素剤は直射日光のあたらない、湿気の少ない所に保管してください。また、温度が高い場所(夏の車中、火元の近くなど)に長期間放置することは避けてください。
さらに、「薬箱のように用途が明確で覚えやすい場所に保管する」、「非常時に必ず持ち出す防災袋に他の災害時用品と一緒に入れる」といった無くさないための工夫をしていただくことも有効です。
使用期限は
質問
安定ヨウ素剤の使用期限はいつまでですか。
回答
ヨウ化カリウム丸の使用期間は5年間、ヨウ化カリウム内服ゼリー使用期間は3年間です。
なお、使用期限を過ぎると、ただちに安定ヨウ素剤の有効性が失われるわけではありませんが、薬剤の有効性、安全性の観点から使用期間が過ぎた安定ヨウ素剤は市が回収しますので、総合保健福祉センター1階保健所総務課放射線健康管理センター、またはお近くの支所等の窓口にお持ちください。
被ばくを防ぐために重要なことは
質問
原子力災害が発生した場合、被ばくを防ぐためにどんな点が重要ですか。
回答
被ばくに対しては、国、県や市から発信される情報に注意し、外部被ばくと内部被ばくの両方を防ぐことが基本です。
外部被ばく | 内部被ばく |
---|---|
遠ざかる(遠方へ避難) さえぎる(屋内へ退避) |
食品の摂取制限 うがい・手洗い 安定ヨウ素剤の服用 |
市外に転出する場合は
質問
市外に転出するのですが、安定ヨウ素剤はどうしたら良いですか。
回答
市外に転出する場合には、配布した安定ヨウ素剤を回収しますので、転出届を提出する際に支所等の窓口へ返却していただくか、保健所総務課放射線健康管理センター(電話番号:0246-27-8562)へお問い合わせください。
市内に転入した場合は
質問
市内に転入したのですが、安定ヨウ素剤を受け取りたい場合どうしたら良いですか。
回答
配付対象に該当し、事前配布を希望する場合には、安定ヨウ素剤を配布します。詳しくは「安定ヨウ素剤の事前配布について」をご確認ください。
このページに関するお問い合わせ先
保健福祉部 保健所総務課 放射線健康管理センター
電話番号: 0246-27-8560 ファクス: 0246-27-8561