特定給食施設における災害時の栄養・食生活支援について
登録日:2020年8月3日
「災害時の栄養・食生活支援に関する実態調査」結果について
近年、台風や豪雨災害が増加しており、特定給食施設にも自助としてマニュアルの作成、備蓄品等の整備、災害時献立例の整備、給食提供のシミュレーションの実施等が求められています。特に、入所施設においては、被災後も継続した給食提供が必要となるため、自助としての体制整備が必要不可欠です。
いわき市保健所では、特定給食施設指導の際に、災害対応に向けた体制整備について指導・助言を行っていますが、マニュアルの作成や備蓄品等の整備を行っている施設の割合について、令和2年2月から3月にかけて、下記の調査票により実施しました。
災害時の栄養・食生活支援に関する実態調査票(220KB)(PDF文書)
調査結果の詳細は、下記のPDF文書のとおりです。
調査の結果、災害時の食事提供に関するマニュアルが整備されていない施設が約6割、非常食等の備蓄がない施設が約3割、災害時の食事提供のシミュレーションの実施を実施していない施設が約7割ありました。災害発生後、給食を平常化し、利用者の栄養状態を維持するためには、平常時から災害に備えることが重要であることから、早急に災害時の栄養・食生活支援体制を整備してくださるようお願いします。
「災害時の栄養・食生活支援に関する実態調査」結果について(342KB)(PDF文書)
災害時の栄養・食生活支援に関する実態調査結果(入所施設・通所施設別)(727KB)(PDF文書)
災害時の栄養・食生活支援に関する実態調査結果(施設種類別)(1MB)(PDF文書)
災害時の栄養・食生活支援に関する実態調査結果(記述回答まとめ)(261KB)(PDF文書)
災害時の栄養・食生活支援体制について どのように整備すればよいか
体制整備の際のポイントを下記のとおりまとめました。既に整備されている給食施設におかれましても、見直しの機会を設け、より質の高いものにしていただきますようお願いします。
優先的に整備していただきたい災害時の栄養・食生活支援体制について
- 災害時の食事提供に関するマニュアル
- 非常食等の備蓄
- シミュレーションの実施
1 災害時の食事提供に関するマニュアルについて
(1)マニュアルを作成している施設
下記の4点は、災害時の給食提供の対応に最低限必要と考えられる事項です。自施設のマニュアルに記載されているか確認し、記載されていない場合は早急に見直してください。
また、災害時の対応訓練を施設内や協定施設間で実施してください。
・発災時の連絡、指示体制
・厨房設備が使用不可となった場合の給食提供方法
・調理従事者が不足する場合の対応方法
・搬入業者による食材搬入が困難な場合の対応
(出典:「大規模災害時の栄養・食生活支援活動ガイドライン」平成31年3月 日本公衆衛生協会作成)
(2)マニュアルを作成していない施設
近年、大規模な災害が全国各地で発生していることから、早急にマニュアルを整備してください。
マニュアルを作成するにあたり、(1)の4点について、施設内で検討してください。
なお、マニュアルを作成する際は、下記の様式例を参考にしていただく他、次の資料がインターネットで閲
覧可能ですので、参考にしてください。
・給食施設における「災害時の食事提供マニュアル」作成の手引き
(平成27年3月 山形県作成)
www.pref.yamagata.jp/ou/sogoshicho/murayama/301026/kenko-
zousin/kenkozousintanto/tokuteikyuusyoku/saigaijisyoujiteikyoumanyuaru.pdf
2 非常食等の備蓄について
(1)備蓄量の目安について
いわき市地域防災計画においては、福祉施設・病院等は、入居者、入院患者、職員等が必要とする1週間分程度の物資等の備蓄に努めること、企業等事業所は災害時に従業員等が帰宅できない状況等を想定し、1日分(3食分)以上の食料や飲料水等の備蓄に努めることとされています。【地震・津波災害対策編 第2章 災害予防 第33節 備蓄体制の整備より】
被災後はすぐに支援物資が届かないため、入所施設については被災後3日程度は自 力で乗り切る体制づくりが必要であり、可能であれば1週間分程度の物資等の備蓄が 求められています。また、通所施設については、利用者が帰宅困難な状況に陥る可能性も視野に入れ、最低でも人数分の1食分の食料と飲料水を、可能であれば、1日分(3食分)以上の食料や飲料水を備蓄することが求められています。
(2)備蓄の留意点について
・災害時対応マニュアルの中に、備蓄に関する定期点検を義務付けておく。
・施設の設備を確認し、操作可能な状態にしておく。
・備蓄品は保管場所を明確にし、いつでも・誰でも使用可能にしておく。また、停電時に備え、保管場所には懐中電灯を
常備しておく。
・災害発生直後は混乱や調理の制限が予想されるため、加熱・調理の必要のないもの(缶入りパン・惣菜
缶詰を備えておくと便利です。)
(3)備蓄食品の条件について
・開封するだけで食べることができる調理済み食品であること。
・ライフラインに頼らず、美味しく食べやすい食品であること。
・常温保存が可能で、個別包装であること。また、賞味期限内であること。
・喫食対象者が明確で、ニーズに対応していること。
(4)熱源、備蓄食品、衛生管理用品等について
下記の特定給食施設における備蓄及び確認事項(Word文書)を参考に御検討ください。
3 シミュレーションの実施について
施設のマニュアルに沿って実際に対応が可能か、利用者に適した非常食を備えているか確認するため
に、シミュレーションの実施が必要です。例えば、防災訓練時にマニュアルに沿った食事の提供方法実践し
たり、利用者や職員による非常食の試食等を定期的に実践し、施設に適した内容となっているか確認しま
ましょう。
※災害発生時はライフライン遮断等により、通常の衛生管理が実施できず衛生面の悪化が予想されます。
食中毒や伝染病を防止するために、平常時の備えとして非常時の手洗い方法を施設内で検討し、体制を整
えておく必要があります。不明な点があれば、保健所生活衛生課に相談しましょう。
(電話 0246-27-8593)
4 参考資料及び様式
ダウンロードして御使用ください。
給食施設における「災害時の食の備え」簡易チェックリスト(757KB)(PDF文書)
特定給食施設等における備蓄及び確認事項(23KB)(Word文書)
備蓄品の一覧表(非常用の水、食料)(10KB)(エクセル文書)
備蓄品の一覧表(通常使用食品、物品等)(11KB)(エクセル文書)
備蓄食品等を使用した非常時用の献立表(一般食)(11KB)(エクセル文書)
備蓄食品等を使用した非常時用の献立表(全粥食)(11KB)(エクセル文書)
備蓄食品等を使用した非常時用の献立表(濃厚流動食)(11KB)(エクセル文書)
備蓄食品等を使用した非常時用の献立表(職員食)(11KB)(エクセル文書)
備蓄食品等を使用した非常時用の献立表(その他)(11KB)(エクセル文書)
※参考資料及び様式は、福島県、山形県、尼崎市のものを参考にさせていただきました。災害時の栄養・食
生活支援体制の整備についてのお問い合わせは、保健所地域保健課保健指導係へお願いいたします。
(電話 0246-27-8594)
このページに関するお問い合わせ先
保健福祉部 保健所地域保健課
電話番号: 0246-27-8594 ファクス: 0246-27-8607