多様な性について考えてみましょう ~LGBTなどの性的少数者について~
登録日:2024年11月19日
「LGBT(エル・ジー・ビー・ティー)」という言葉は、表1にある4つの言葉の頭文字を取って組み合わせた言葉で、性的少数者(セクシャルマイノリティ)を表す言葉の一つとして使われています。
この言葉、『耳に入ってくるだけで何となくは解るけど、身近にはいないから自分には関係ない、若い人たちだけの事でしょ。』と切り離していませんか?
民間企業等の調査では、「LGBT」などの性的少数者に該当する人は全国で約10%との結果もあり、気づいていないだけで、実は身近な存在なのです。
人間の性別は、男と女だけではありません。みんな顔や性格が違うように、多様性を持っています。
誰もがありのままの自分らしく生きられる社会を実現するためには、お互いに様々な違いを認め合い、思いやりを持って協力し合うことが大切です。
この機会に多様な性について考え、正しく理解しましょう。
1 多様な性のあり方と「LGBT」とは?
人は生まれた時の身体的特徴などから男女を判別され、性別を決定されます。
しかし、表1にあるとおり、性のあり方は多様であり、その組み合わせに決まりはありません。
■ 生物学的性(からだの性)=身体的特徴などによる性 |
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■ 性表現(表現する性)=服装やしぐさ口調などにより外部に表現したい性 |
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■ 性的指向(好きになる性)=恋愛感情や性的な関心の対象となる性 |
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L |
レズビアン(Lesbian) |
女性の同性愛者(性自認と性的指向がともに女性) |
G |
ゲイ(Gay) |
男性の同性愛者(性自認と性的指向がともに男性) |
B |
バイセクシャル(Bisexual) |
両性愛者(性的指向が女性にも男性にも向いている) |
■ 性自認(こころの性)=自分が認識する自分の性 |
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T |
トランスジェンダー(Transgender) |
生まれた時の生物学的性と性自認の同一性に |
表1 多様な性のあり方と「LGBT」
※全ての性的少数者が「LGBT」に分類される訳ではありません。「LGBT」以外にも、自身の性自認や性的指向が定まっていない人(「Q」=クエスチョニング(Questioning))など、様々な人たちがいます。そのような意味でも、「LGBTQ+(エル・ジー・ビー・ティー・キュー・プラス)」という言葉もあることを理解しておきましょう。
2 「SOGI(ソジ・ソギ)」とは?
国連などの国際機関では、性的指向(Sexual Orientation)、性自認(Gender Identity)の頭文字を取った「SOGI」という言葉が使われています。
これは、「LGBT」よりも広く性の多様性を考える概念です。
「LGBT」の人たちを特別視するのではなく、個人のあらゆる性的指向や性自認を尊重するという考え方です。
3 正しく理解することで「LGBT」に対する差別や偏見を解消しましょう
「LGBT」の人たちは、表2にあるとおり、日常生活において様々な困難に直面しています。
私たち一人ひとりが「LGBT」について正しく理解することで、このような困難をなくしていくことができます。
子ども |
・学校で「男のくせに」「気持ち悪い」「ホモ」「おかま」「レズ」などと侮蔑的な言葉を投げかけられ、自尊感情が深く傷つけられた。 |
就労 |
・「男女のみ募集」という求人のため、性別への違和感を理由に応募できなかった。 |
カップル |
・ 公証役場で、パートナーシップ契約の公正証書を作ろうとしたが、公証人によっては、公序良俗に反するなどの理由で違法だといわれ、拒否された。 |
医療 |
・トランスジェンダー男性のための的確な医療情報やネットワークが充実しておらず、ホルモン注射などで受診できる医療機関を見つけるのが困難であった。 |
福祉 |
・障がい福祉施設の男女分けがはっきりしており、性別違和から安心して利用できなかった。 |
公共サービス |
・性自認や性的指向に関する講演会場として公共施設に利用を申し込んだところ、講演の内容を理由に、利用を拒否された。 |
民間サービス |
・戸籍上の性別を男性から女性に変更した後に、ゴルフ場の会員になりたいと申し込んだところ、性別変更を理由に入会を断られた。 |
刑事手続 |
・同性の元パートナーからストーカー行為を受け警察に相談したところ、性的指向を理由に揶揄されたり、事件と関係ないのに性体験について質問されたりした。 |
その他 |
・子どもが性自認や性的指向の困難を周囲に嘲笑され、本人だけでなく家族全体が居住している地域から孤立してしまった。
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表2 「LGBT」が直面する困難の例
(出所)LGBT法連合会「性的指向および性自認を理由とするわたしたちが社会で直面する困難のリスト(第3版)」(H31.3.4)を基に作成。(LGBT法連合会HP https://lgbtetc.jp/)
4 「アライ(Ally)」になりませんか?
「アライ」とは、“同盟者”や“支援者”を意味する英語です。
「LGBT」などの性的少数者を理解し支援するという考え方やその考え方を持つ人を指す言葉として使われています。
「アライ」が増えれば性的少数者も生きやすい社会の実現に繋がります。
5 「LGBT」などの相談窓口
※受付の日時等が変更されることも想定されますので、相談する際は事前に各自ご確認ください。
⑴ 一般社団法人社会的包摂サポートセンター
よりそいホットライン(福島・宮城・岩手専用)
電話 0120-279-226
※ガイダンス後、「性別や同性愛などに関わる相談」は4番を選択。
24時間、通話料無料
⑵ 東京弁護士会
セクシュアルマイノリティ電話法律相談
電話 03-3581-5515
第2・第4木曜日17:00~19:00、相談料無料
⑶ 福島県男女共生センター
相談室(LGBTの生きづらさ等の相談)
電話 0243-23-8320
火・木~日曜日9:00~12:00、13:00~16:00
水曜日13:00~17:00、18:00~20:00、相談料無料
※面接による相談は要事前予約。
⑷ いわき人権擁護委員協議会 福島地方法務局いわき支局
人権相談窓口
電話 0246-23-1651
土曜・日曜・祝日除く8:30~17:00、相談料無料
このページに関するお問い合わせ先
市民協働部 男女共同・多文化共生センター
電話番号: 0246-41-9201 ファクス: 0246-41-9202