その24 『市の木「くろまつ」はこうして決まりました(2)』(平成28年3月30日市公式Facebook投稿)
登録日:2016年3月30日
「市の木「くろまつ」はこうして決まりました(2)」
市の木「くろまつ」は、市制施行5周年を記念して制定されました。前回から2回シリーズで、その制定過程などを振り返っています。今回は、決定した市の木を発表したときのことを紹介します。
(※いわき市の木について定めた、いわき市告示第465号では「いわき市の木を次のように定める。くろまつ」と、ひらがな表記ですが、本文中で樹木の種類として取り上げる際は、「クロマツ」とカタカナ表記にしています。)
約半年に渡る選定作業の末、昭和46年8月に決定した市の木「くろまつ」の発表は、昭和46年10月1日に挙行した「市制施行5周年 市の木発表会」で行いました。発表会の会場は、平市民会館大ホールで、そのステージには樹齢20年、樹高3.5メートルの見事なクロマツが2本が飾られました。
会では、市の木選定委員会の松本久吉委員長から選定経過の報告がありました。報告の中で松本委員長は、最終的にクロマツが選ばれた理由として「第一に 白砂青松の地である新舞子をはじめ いわき七浜のシンボルであり いわき地方の気候風土に適していること」「第二に 浜街道の松並木は ひろく知られ歴史的な意義があること」「第三には 百木の長といわれ成長力が強く 造園には核となるもので欠かせないこと」などを挙げ、「大きく飛躍する いわき市にもっともふさわしいものとして『クロマツ』を選定した次第であります」と述べました。
続いて、大和田弥一市長が「市民もこれを機会に自然を愛し、公害のないまちづくりにつとめてほしい」とあいさつの中で述べましたが、この翌月の昭和46年11月に、市は市公害防止条例を施行することになります。公害にも強いという性質のあるクロマツが市の木に選ばれたのには、このような時代背景も関係していたようです。
また会では、市民の代表13名に、2年生のクロマツの苗木と記念品が贈られました。市の木選定の際の市民公募で、クロマツに投票した市民の中から抽選で101名にクロマツの苗木が贈られることになっていましたが、発表会当日には、市内13地区から1名ずつ代表者が招かれていました。
閉会後、市長や関係者、13名の市民代表者による記念植樹を行いました。使われた木は、ステージ上に飾られていたクロマツ2本で、業者作業員や市職員によってトラックに積み込まれて運び出され、平市民会館の敷地入口の両わきに1本ずつ植えられました。
また、同日の夕方には、市内小学校5校と中学校6校の吹奏楽部、陸上自衛隊東北方面音楽隊による「市の木制定記念演奏会」を開きました。市章と市歌を制定し、歌手の藤山一郎さんと歌を楽しんだ1周年記念式典同様に、市制施行5周年の節目も音楽とともに喜びを分かち合う1日となりました。
ここまで、市の木「くろまつ」の制定から発表までを振り返りました。いかがだったでしょうか?
発表会当日、会場では来場者に2年生のクロマツの苗木3,000本を配布しました。その他にも、小中学校や自治会を通じて苗木配布を行ったので、市が市の木制定にともなって配布したクロマツは合計約87,000本!そのときの小さな苗木は、市制施行50周年を迎える今年、皆さんのお手元で樹齢47年になっているかと思います。元気に育っていますか?
クロマツは、昭和50年代に全国的に被害が拡大したマツクイムシや、その他の病気もあり、手入れが難しい面もありますが、生育環境によっては、樹齢200~300年になることもあるそうです。
当然ながら、クロマツをはじめとする多くの樹木は私たちよりも長生きで、世代を超えて添い遂げてくれます。
江戸時代に植えられ、手入れが重ねられた新舞子海岸のマツの防潮林は、東日本大震災のとき、付近の沿岸に押し寄せた津波の勢いとガレキの流出を軽減してくれました。
そして、制定から45年目、市制施行50周年の今年6月に行う市植樹祭では、新舞子浜公園にたくさんのクロマツを植える予定になっています。私たちにそっと寄り添って、いわき市のあゆみを見守り続けてくれている市の木「くろまつ」に、感謝と恩返しともいえるでしょうか。皆さんも身の回りのクロマツの木に目を向けていただければと思います。
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〔担当〕市制施行50周年記念誌プロジェクト
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