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『泉駅』(平成28年2月24日市公式Facebook投稿)

登録日:2016年2月24日

いわきの『今むがし』 Vol.41

昔の泉駅の駅前 (上段:昭和10年代・下段:昭和45年5月)

昔の泉駅前

 泉駅は明治30(1897)年2月、日本鉄道磐城線(現JR常磐線)の開通とともに、開設されました。
 常磐線は、優良な石炭を産出する湯本や内郷からの石炭を東京まで円滑に輸送することを目的に敷設されたものでした。当初は浜街道沿いに敷設される予定でしたが、明治時代以降、城下機能(江戸時代に2万石の城下町)が消失して衰退著しい泉の地区民が駅の敷地を無償提供したことから、泉へ迂回したと言われています。(実際は、駅における通運業の優先適用を条件としたもの)また、小名浜経由は敷設目的からすれば、当初から考えられませんでした。小名浜地区で伝わっている、“鉄道敷設に反対したから泉に開設された”というのは、現在では俗説となっています。
 幹線鉄道から離れたため、その後小名浜では泉駅との間に小名浜馬車軌道が敷設され、磐城海岸軌道、さらには小名浜臨港鉄道を経て、現在の福島臨海鉄道につながっています。
 泉駅は小名浜の玄関口として機能しましたが、市街地そのものは泉藩の町割りを踏襲し、昭和20年代に至るまで密度の低い家屋や町役場、小学校が混在化したまま続きました。駅は、当初は優等列車が停車しませんでしたが、昭和29(1954)年3月には小名浜町などと合併して磐城市の一部となると、文字どおり、港小名浜の玄関口としての機能が付加されるようになりました。さらに、昭和30年代から小名浜海岸の海岸部が埋め立てされ、臨海工業地帯に工場が進出するようになると、人口が増え、乗降客も増加。これに伴って、急行列車が停車するようになりました。
 泉市街も次第に変化していきます。昭和28(1953)年に市街地の南方に、新しい国道6号(現主要地方道いわき・上三坂・小野線)が通じ、これに見合う泉市街の都市改造が検討されました。
 

平成に入ってからの泉駅(上段:平成8年8月・下段:平成28年1月、いわき市撮影)

平成に入ってからの泉駅

 泉市街は昭和35(1960)年11月、都市計画決定を受けました。この区域は2期に分けられ、昭和37(1962)年11月に「泉第一土地区画整理事業」(43.0ha)、昭和51(1976)年12月にはその区域に南接して「泉第二土地区画整理事業」(43.0ha)が、それぞれ事業認可を受け、昭和59(1984)年11月、昭和62(1987)年11月に事業は完了し、これによって、泉駅前広場は7倍弱、幅員22mおよび18mの駅前幹線道路を中心に宅地環境が整備され、街の様相は大きく変化していきました。
 この過程で、開通以来使用してきた泉駅舎は老朽化により昭和40(1965)年に改装されましたが、さらに、優等列車の停車と土地区画整理事業に伴う駅前広場の拡張に併せて、昭和46(1971)年2月に、従来の位置の東側に全面改築されました。
 泉駅北側の玉露地区も変容していきます。玉露地区は明治22(1889)年に甘露寺村(かんろじむら)と玉崎村(たまさきむら)が合併して成立したもので、以来純農村として経過しました。
 泉第一、第二の土地区画整理事業が進捗し、住環境が改善されることが認知されるようになると、泉駅の北側、いわゆる駅裏的な存在であった玉露地区の住宅開発が着目されました。
 昭和52年(1977)年4月の玉露地区総会で土地区画整理事業が提案され、「泉玉露土地区画整理事業」(82.7ha)として、昭和57(1982)年1月に事業認可を受けました。その後、工事が施行され、平成2(1990)年11月までに事業は完了しました。
 泉駅の南北で市街化が進むようになると、裏口的な存在だった玉露地区からは北口の開設が望まれるようになります。
 このため、駅舎の橋上化が検討され、平成11(1999)年3月に橋上化に伴う新しい改札口が完成し、さらに同年7月には南北をつなぐ自由通路が完成しました。
 いわき市内では、出世頭の泉駅。駅舎の移り変わりをみると、街の移り変わりの象徴として凝縮されていることがわかります。 

その他の写真

快速気動車が泉駅停車(昭和30年代、小宅幸一氏所蔵)
快速気動車が泉駅停車でホームの歓迎横断幕(昭和30年代、小宅幸一氏所蔵)

昭和30年代の快速気動車の泉駅停車

高校生?の泉駅清掃(昭和49年7月、いわき市撮影)
泉駅の小名浜臨港鉄道機関車・背後に泉駅ホームが見える(昭和26年6月、石川一造氏撮影)

昔の泉駅風景

泉駅改築(平成11年3月、いわき市撮影)
泉橋上駅舎・自由通路竣工式(1)(平成11年7月、いわき市撮影)
泉橋上駅舎・自由通路竣工式(2)(平成11年7月、いわき市撮影)

泉駅の移り変わり

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総合政策部 広報広聴課

電話番号: 0246-22-7402 ファクス: 0246-22-7469

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