鮮魚介類の食中毒
登録日:2017年3月30日
フグ毒
フグ毒は、テトロドトキシンと呼ばれ、その毒性は魚種、臓器、季節などによって異なりますが、特に、卵巣や臓器などの内臓に多く含まれています。卵巣が成熟する旬の頃(12月から5月)が最も毒性が強くなります。また、テトロドトキシンは水に溶けず、熱に対しても比較的安定した性質を持っています。
- 潜伏時間:20分から3時間程度
- 主な症状:口唇部・舌端の軽いしびれ、頭痛、嘔吐、言語障害、歩行困難等
予防方法
フグ取扱所において、フグ取扱者が調理したフグ以外は食べないようにしましょう。また、自分で釣ったフグを調理し食べたり、人からもらった未処理のフグを食べての事故もありますので、自ら調理することは絶対にせずに、自分で釣ったフグを食べる際には、資格を持つ専門の方に処理を依頼してください。なお、フグ毒には、有効な治療方法はなく、胃洗浄、人工呼吸などの対症療法となります。
貝毒
本来無毒である貝類(ホタテガイ、ムラサキイガイ、カキ、アサリ等)は有毒プランクトンが原因となって毒化することがあります。毒化は貝毒を生産する有毒プランクトンが貝類に取り込まれて、毒が蓄積されて起こります。毒の種類により、麻痺性貝毒と下痢性貝毒に分けられます。
1.麻痺性貝毒
- 潜伏時間:30分程度
- 主な症状:しびれ、麻痺、重症の場合は呼吸麻痺で死亡
2.下痢性貝毒
- 潜伏時間:30分から4時間程度
- 主な症状:下痢、悪心、嘔吐、腹痛
予防方法
特に夏場は、有毒プランクトンは、海水温の上昇に伴い発生し、ホタテガイなどに貝毒を蓄積させることから、注意が必要です。出荷自主規制がなされている海域などでは、ホタテガイなどの二枚貝(アサリ、ホッキガイ、ムラサキイガイなど)を採って食べないようにしましょう。
アニサキス(寄生虫)
アニサキスとは、海産魚介類に寄生する寄生虫の一種です。
アニサキスが寄生している海産鮮魚介類を生食することにより、アニサキスの幼虫がヒトの胃腸壁に侵入し、アニサキス症が起きます。
日本では、サバの生食によるものが最も多く、その他アジ、イカ、イワシなどが感染源となることがあります。刺身の他、酢漬け、しょう油漬、にぎり寿しなどで感染する場合が多いとされています。
- 急性胃アニサキス症
食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。
- 急性腸アニサキス症
食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じます。
※多くが急性胃アニサキス症です。
予防方法
- 加熱処理をすると、死滅するので、十分加熱しましょう。
- 魚の内臓から筋肉にも移行するので、魚を調理する際には早めに内臓を除去しましょう。
なお、マイナス20℃で24時間以上冷凍すると感染性が失われます。また、アニサキスは、傷を受けると死滅するので、細かく切ったり、しっかり噛むことも予防になります。
クドア・セプテンプンクタータ(寄生虫)
クドア・セプテンプンクタータとは、ヒラメに寄生する寄生虫の一種です。
発症例から、100万個以上の寄生虫が付着した食品を食べると発症すると言われています。
- 潜伏時間:数時間程度(約2時間から20時間)
- 主な症状:下痢、吐気、嘔吐、腹痛等
予防方法
現時点においては、一定条件下での冷凍(マイナス20度で4時間以上)または加熱(75度で5分以上)で病原性を示さなくなることが確認されています。
このページに関するお問い合わせ先
保健福祉部 保健所 生活衛生課 食品衛生係
電話番号: 0246-27-8593 ファクス: 0246-27-8600