令和7年6月17日 教育長だより Vol.52 『点から面へ』
登録日:2025年6月17日
先月、いくつかの学校の先生に集まってもらいました。
学校での生成AIの導入を進めるための説明会です。
若干、緊張と不安の表情だったような気がしますが、多くの先生にとっては初めてですから無理もありません。
ただ、とにかく変化が速い分野です。
「まず実践する」という姿勢でやっていきましょう!とお願いしました。
生成AIについては、数年前から急速に注目を集めるようになったと思います。
今では、すっかり身の回りのパソコンやスマホでも当たり前のように生成AI機能が備わっていて、“アプリの一つ”くらいの感覚になったような気もします。
こうした生成AIの急速な普及に対する不安感に加えて、誤情報の拡散やプライバシー侵害などの弊害も懸念されるため、特に教育現場での利活用に関しては慎重になってしまいがちです。
一方、過度に慎重になることで、その高機能性を生かした学びの機会を逃すことにつながるのではないかとも考えます。
安全性や個人情報等に留意しながら(※)、生成AIの利点を効果的に取り入れる方法を目指していきたいと思います。
※本市作成の「生成AIの利活用に関するガイドライン」に基づく運用とします。
本市では、すでに昨年度から内郷第一中学校で生成AIの利活用を始めています。
1校だけですが、授業や学校運営において新たなアプローチを実践してきました。
様々な場面で活用しています(内郷一中)
とはいえ市内の小中学校は90校以上あります。
市全体から見れば、まだ「点」の取り組みにすぎません。
このため今年度は実践校を増やし、この「点」を「面」に広げていくことにしています。
まずは第一陣として7校の小中学校を指定し、それぞれの学校において生成AIの利活用を実践していきます(冒頭で紹介した説明会は、この指定校の先生たちを対象にしたものです)。
開始から1カ月しか経っていませんが、早速、学校現場での実践事例が集まってきています。
例えば、会議資料の作成や紙文書のテキストデータ化など教職員の業務の生産性を高めたり、教材作成のアイデア出しや児童生徒のレベルに合った問題作成に活用するなど学びを深化させたりするような事例が見られます。
中には、学級活動の中でクラス全員が参加できる新しい遊びを作ったなど、子どもたちがワクワクするような取り組みもありました。
個々に見れば小さな取り組みですが、実践事例をたくさん蓄積し、他の学校でも役立つようにしていきます。
各学校での取り組みを逐次蓄積しています
授業が盛り上がり活性化したとの声も
また、指定校のうち2校(草野中、遠野中)では、英語教育に特化して生成AIを活用します。
具体的には「話す」活動や一人ひとりに合わせた教材作成などでAIを活用していく予定です(※)。
※福島県「令和7年度AIの活用による英語教育強化事業」のモデル校として参加
特に、生徒のタブレット端末を使って英会話学習アプリを効果的に活用することで、練習量の増加や意欲向上を目指した取り組みを進めていきます。
さらに、今年2学期からは第二陣として指定校を追加し、第一陣と合わせて10数校の小中学校で生成AIの利活用を進めていく予定です。
今後、これら指定校が各地区でのモデルとなり、周辺の学校とも連携することで、より大きな面となり、生成AIの利活用の取り組みが市内全体に波及していくことを期待しています。
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