廃校施設等の利活用事例紹介(旧田人第二小学校南大平分校)
更新日:2020年1月8日
利活用事業者名
株式会社磐城高箸
事 業 内 容
私ども株式会社磐城高箸は、東日本大震災の前年である2010(平成22)年8月に設立した、杉間伐材の原木から高級割箸を一貫製造・販売するメーカーです。
旧田人第二小学校南大平分校は、1875(明治18)年に開校し、約140年の歴史を重ねた学校で、屈指の佇まいを見せる校舎は約90年前に建てられたものです。開校当時は黒田小学校南大平分教場と称し、周辺には家々と畑地が混在し、この地域は、農業のかたわら四時川沿岸の林野から切り出された木材の集積地として機能していました。しかし、1965年以降、営林署の直轄事業としての大規模な山林開発が終了したことが大きく影響し、人口の減少に比例し、児童数も減少を続け、2011(平成23)年には休校、2014(平成26)年にはついに閉校となりました。
こうした中、市が、この旧校の利活用案を公募していることを知り、この趣深い地域の誇りである旧校に割箸工場を移転し、新たに原木から一貫製造する鉛筆工場も併設したい、お客さまが気軽に見学・ワークショップを行える産業観光施設にすることで、笑顔あふれる旧校として次世代に引き継ぐことができるのではないかと考え、応募したのが利活用のきっかけです。
体験型工場「杉の図工室」をキーコンセプトに、校舎部分の約半分を割箸工場、鉛筆工場、物販スペースとして、原木(杉・ヒノキの間伐材)から、高級割箸、鉛筆になるまでの全工程が自由に見学できるようになっております。
また、残る半分はサテライトオフィスや会議室・遊戯室、さらには、割箸に焼印を入れる「マイ割箸づくり」や、できたてほかほかの鉛筆に名前を入れる「マイ鉛筆づくり」などが体験できるワークショップスペースとして活用し、体育室(講堂)の部分は、地域住民の皆さまと共同で設立した「南大平地区未来創造会議」により、地域活性化のための拠点(交流サロン)として、ご休憩や地域住民の皆さまとの交流にお使いいただけるほか、豪雨時の緊急避難所としても開放しております。
いわき市内の人工林のほとんどが杉です。水源涵養、災害防止、生物多様性の観点からも、森林の適切な管理が求められ、間伐を含めた施業こそが、人工林においては極めて重要となります。間伐材(杉材)の生産地で、丸太から最終製品に一貫製造されていく過程を実際にご覧いただき、見過ごされていた杉の魅力を伝えていきたい、そして、旧校を笑顔あふれる学び舎に再生したいと思っています。50年後も、100年後も、かけがいのない、この美しい風景が続いてくれるように。
主な受賞歴
- 被災三県の間伐材を使用した「三県復興 希望のかけ箸」
「グッドデザイン賞2013」、「ソーシャルプロダクツアワード2014」 など
- 割箸強度不合格品を利用した「眠り杉枕」
「グッドデザイン賞2017」、「ウッドデザイン賞2017」など
- 「新しい東北」復興ビジネスコンテスト2014大賞、ふくしまおいしい大賞優秀賞、ふくしま産業賞福島民報社奨励賞(2016年)、よしもと福島シェフラン工芸品部門認定(2017年) など受賞
事業者について
- URL:https://iwaki-takahashi.biz/(外部リンク)
- FB :https://www.facebook.com/iwaki-takahashi(外部リンク)
このページに関するお問い合わせ先
財政部 施設マネジメント課
電話番号: 0246-22-7421 ファクス: 0246-22-7580