防犯カメラの設置及び運用に関するガイドラインの策定について
登録日:2019年8月21日
はじめに
ガイドラインの目的
いわき市においては、防犯まちづくり推進条例(平成16年条例第22号)に基づき、安全で安心して暮らすことができる地域社会を実現することを目的として、市、市民及び事業者が一体となった防犯まちづくりを推進しています。
防犯カメラの設置は、犯罪を未然に防止する観点から有効な手段の一つとされており、また、犯罪が発生した場合の早期解決にも役立っているところであります。
一方、最高裁判所の判例では、憲法13条(個人の尊重)を根拠とし、「個人の私生活上の自由の一つとして、何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を有する」などとされており、運用にあたりましては、映像を他の目的で使用されることなどによるプライバシーの問題が発生しないよう十分配慮することとされております。
このことから、事業者等が防犯カメラを設置する場合においては、プライバシーの保護にも十分配慮するなど、適正に運用する必要があるため、設置及び運用に関するガイドラインを策定することとしました。
ガイドラインで対象とするもの
次の三つの要件をすべてを満たす場合とします。
設置目的
- 犯罪の防止を目的とする場合。
- 施設の利用状況、混雑程度の把握等を主目的とし、犯罪の防止を副次目的とする場合。
設置場所
次の不特定多数の市民が利用する公の場所とします。
- 道路、公園及び広場
- 商店街、繁華街、駅及びバスターミナルなどの自由通路
- 金融機関、小売店・複合施設などの商業施設
- 駐車場、駐輪場
- 劇場、映画館、スポーツ・レジャー施設、ホテル、旅館、観光施設
- 社寺、病院など
防犯カメラ
画像撮影装置のほか、ビデオ、DVD、ハードディスクなど画像を記録し、表示する機能を備えたカメラとします。
防犯カメラの設置及び運用に当たって配慮すべき事項
防犯カメラの設置に当たって
防犯カメラを設置する場合は、次の事項を遵守することとします。
- 撮影対象区域は主に公道(不特定多数の人が通行する私道を含む。以下「公道」という。)等の公共空間とし、特定の個人及び建物等を監視するものでないこと。
- 公道上への設置にあたり、道路交通法等の法令に基づく許可が必要である場合は、当該許可を得ること。
- 公道以外に設置する場合は、土地又は施設所有者等の許可を得ること。
- 防犯カメラを設置する周辺住民等の合意を得ること。
防犯カメラの設置場所・撮影範囲
防犯カメラで撮影された画像は、その取扱いによっては、プライバシーを侵害する恐れがあります。
そこで、犯罪の抑止効果を高めるとともに、不必要な撮影を防ぐために、どのような目的でどのような場所に設置するのかを明確にし、また、撮影は必要最小限の範囲とします。
防犯カメラを設置している旨の表示
防犯カメラ設置者は、あらかじめ防犯カメラが設置されていることを周知するとともに、防犯カメラを設置していることを、撮影対象区域内又はその付近の見やすい場所に表示することとします。
防犯カメラの管理責任者の指定
防犯カメラ設置者は、防犯カメラの管理及び運用を適正に行うため、管理責任者を指定することとします。
防犯カメラの設置者・管理責任者の責務
防犯カメラ設置者及び管理責任者「以下「設置者等」という。」は、プライバシーの保護に配慮した取扱いをするために、次の事項について厳守することとします。
- 撮影された画像は適切に保存し、管理すること。
- 撮影された画像の利用や提供を制限すること。
- 問い合わせや苦情等に対して適切に対応すること。
- その他防犯カメラの適正な設置及び運用に関し、必要な措置をとること。
防犯カメラにより撮影された画像の適正な管理
画像のデジタル化や記録媒体の小型化、大容量化が進み、画像のコピーや持ち出しが容易となっていることから、安全管理対策が重要となっています。
このため、設置者等は、画像の漏えい、き損、改ざん等を防止するため、次の事項に留意し、必要な措置を講じることとします。
- 画像情報の持ち出しができないようにするため、録画装置や記録媒体がある場所に施錠等を行うこと。
- 記録した画像については、不必要な複写や加工を行わないこと。
- 画像の保存期間は、設置目的を達成する範囲内で、必要最小限度の期間(概ね1ヵ月以内)とすること。
- 保存期間を経過した画像は、速やかに消去するか、上書きによる消去をすること。
- 記録媒体を処分するときは、破砕又は、復元できない完全な消去等を行い、画像が読み取れないようにすること。
- 防犯カメラの構成機器をインターネットに接続し、又は無線を利用して運用する場合は、情報漏えい防止措置に特に配慮すること。
防犯カメラの画像の利用・提供の制限
防犯カメラで撮影された画像は、市民等のプライバシーの保護のため、次の場合を除き、第三者へ提供することを禁止します。
-
法令に基づく場合
注:刑事訴訟法第197条第2項に基づく捜査機関からの照会や弁護士法第23条の2第2項に基づく弁護士会からの照会など -
個人の生命、身体又は財産の保護のため緊急かつやむを得ないと認められる場合
注:行方不明者の安否確認など - 捜査機関等から犯罪捜査のため情報提供を求められた場合
苦情への対応
設置者等は、防犯カメラの設置及び管理に関する苦情や問い合わせに対し、迅速かつ適正に対応することとします。
業務委託する場合の運用規程の遵守
防犯カメラの設置者等は、防犯カメラの設置、施設管理業務や警備業務を委託する場合は、運用規程の遵守を委託条件にするなど、適正な設置、運用を徹底することとします。
個人情報保護法の遵守
防犯カメラにより撮影された画像は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)の個人情報に該当する可能性があります。
事業者が個人情報を取扱う場合は、このガイドラインのほか、個人情報の保護に関する法律の規定に基づき、適正に取扱うこととします。
防犯カメラの設置・運用規程の策定
設置者等は、このガイドラインに基づき、防犯カメラの管理及び運用を適正に行うため、設置目的や運用形態に合わせ、設置・運用規程を定めることとします。
おわりに
このガイドラインは、犯罪を未然に防止する為、防犯カメラの有用性と個人のプライバシーの保護の調和を図るため、防犯カメラの適正な管理・運用に配慮しなければならない最低限の事項をまとめたものです。
防犯カメラを設置し、又は設置しようとしている方にあっては、このガイドラインや「設置・運用規程の参考例」を基本として、それぞれの設置目的や利用形態に合わせて、必要な事項を追加するなど、適正に運営してください。
このページに関するお問い合わせ先
市民協働部 生活安全課 交通安全防犯係
電話番号: 0246-22-1152 ファクス: 0246-22-7561