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市長議会提案説明

登録日:2023年2月16日

市長議会提案説明(令和5年2月定例会)   

 

 本日ここに、令和5年市議会2月定例会が開催されるに当たり、令和5年度の市政運営の基本的な考え方と提出議案についての提案理由を説明申し上げます。併せて、市政を取り巻く諸問題について報告を申し上げます。

 

 初めに、新型コロナウイルス感染症に対する対応状況についてです。

 まずは、感染症対策のため、日々御対応いただいている医療従事者の皆様に対し、改めて深く敬意と感謝の意を表します。

 本市では、人の往来が多くなる年末年始を迎えるにあたり、昨年12月19日に、いわき市医師会及びいわき市病院協議会と「三者共同記者会見」を開催し、市民の皆様に、基本的な感染対策の徹底やワクチンの積極的な接種などについて、改めてお願いいたしました。

 年明けには、一時的な新規感染者数の増はあったものの、深刻な感染再拡大には至らず、1月中旬以降は、緩やかな減少傾向にあります。

 このことは、市民の皆様が、感染対策をしっかりと取っていただけた結果だと受け止めております。御理解と御協力をいただいた、市民の皆様、事業者の皆様に対し、深く感謝を申し上げます。

 一方で、市内では、3年ぶりに季節性インフルエンザが流行期に入り、今後の新型コロナウイルス感染症との同時流行が懸念される状況にあります。

こうした中、インフルエンザ流行への備えの一つとして、本年度より、生後6カ月から中学3年生までのお子様を対象に、子どもインフルエンザ予防接種費用の一部を助成する事業を開始し、予防対策を講じてきたところでもあります。

 インフルエンザの感染拡大を防ぎながら、第8波をできる限り早く収束させるため、市民の皆様には、予防接種と併せて、引き続き「感染リスクの高い場面でのマスクの正しい着用」、「手洗い・消毒」、「効果的な換気」等の基本的な感染対策の徹底のほか、咳等の症状が少しでもある場合は出勤や登校等を控えるなど、感染リスクを下げる取組みに御協力をお願いいたします。

 新型コロナウイルスワクチンの接種につきましては、集団接種会場での予約なし接種の拡大や、中山間地域等でのスポット型集団接種の実施など、より多くの市民の皆様に接種していただけるよう、接種体制の充実に努めております。

 2月5日現在の接種率は、12歳以上を対象としたオミクロン株対応ワクチンでは、全国の42.3%に対し、本市が49.6%と大きく上回っております。

 このほか、5歳から11歳の小児の3回目は、全国の8.0%に対し、本市が16.1%、生後6か月から4歳の乳幼児の1回目は、全国の3.3%に対し、本市が3.8%と、本市の接種率は、いずれも全国を上回っており、順調に接種が進んでいます。

 また、国においては、1月27日に、「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更等に関する対応方針」を決定し、本年5月8日から、新型コロナウイルス感染症の位置づけを2類相当から5類に変更されることになりました。

 これにより、医療提供体制や医療費の取扱いが段階的に見直されるほか、基本的な感染対策におけるマスクの着用については、個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断に委ねることを基本とするなど、様々な見直しが行われることになります。

 このことは、これまで3年に及ぶコロナ禍から社会経済活動を正常化する、「ウィズコロナ」の大きな転換になると考えています。

 そのため、市といたしましては、国・県、さらには関係機関と連携を密にしながら、市民の皆様や医療機関の皆様に混乱が生じることがないよう、しっかりと対応してまいります。

 議員各位をはじめ、市民の皆様、事業者の皆様におかれましては、感染拡大に対する警戒を緩めることなく、基本的な感染防止対策の徹底や積極的なワクチン接種に、引き続き御理解と御協力をお願いいたします。

 

 次に、令和5年度の市政運営に当たっての基本的な考え方について申し上げます。

 私の信念として、いわきの未来づくりに向け、本市の現状や諸課題と真摯に向き合い、未来の青写真を練り上げて、市民の皆様にお示ししながら、課題解決に取り組んでいくという想いを強く持っております。

 こうした考えのもと、前例に捉われず、市民の皆様に早い段階で今後の政策の方向性をお示しし、まちづくりの方向性を共有するため、新たな試みとして、昨年、「いわき版『骨太の方針』」を策定・公表いたしました。

 当該方針については、令和5年度の政策の方向性と、その政策を支える構造改革の取組みを取りまとめたものであります。

 こうした点を踏まえ、当該方針に沿って、令和5年度の市政運営の基本的な考え方について申し上げます。

 

 人づくりこそが私の政策の「一丁目一番地」です。社会の進展が、人々の活動の積み重ねで成し遂げられてきたことは、これまでの歴史が証明しています。

 本市が激動の時代を乗り越え、どのようなまちになるのかは、市民一人ひとりの多種多様なチャレンジの積み重ねにかかっているといっても過言ではありません。

 あらゆる分野で、市民の皆様のチャレンジ機会の創出に注力し、「人づくり日本一」を目指します。

 人づくり日本一の実現に向けて「次世代を育てる」、「命・暮らしを守る」、「まちの魅力を高める」の3つの柱で政策を推し進めます。行政DXの推進やサービス・インフラの最適化などの5つの改革にも併せて取り組み、持続可能な行財政運営の構築につなげていきます。

 

 はじめに、1つ目の柱「次世代を育てる」についてのうち、まず「教育」についてです。

 昨年設置した「学力向上チーム」の体制を強化し、各種の学力調査の状況や、市独自で実施するアンケート結果などを、より専門的・統計的に分析し、「学校カルテ」の内容充実を図ります。新年度においても、市内小・中学校の全校で、学力向上アドバイザー等による指導・助言を行い、エビデンスに基づいた学力向上に取り組みます。

 また、特別支援教育においても、専門的知識を有する特別支援教育アドバイザーや特別支援学級等に配置する支援員を増員し、発達障がいの可能性のある子どもを含め、障がいのあるすべての子ども一人ひとりの教育環境の充実を図ります。

 さらに、子どもの数が多い多子世帯の保護者の負担軽減を図るため、18歳以下の子どもが3人以上いる世帯で、市内公立小・中学校に通う第3子以降の給食費を無償化します。

 次に「子育て」についてです。

 国においても、先般、「少子化対策」を最重要政策として位置付けたところであり、本市においても、引き続き、妊娠・出産・子育てを総合的に切れ目なく支援するとともに、さらなる保育・子育て環境の充実に努めます。

 特に、ヤングケアラーが社会問題化する中、本市においても、実態に合わせた支援や対策が必要です。実態の把握と併せて、新たに支援コーディネーターを配置し、ヤングケアラーへの理解を深めるための関係機関への研修や対象児童への支援を実施します。

 また、子どもの居場所づくりや子どもの貧困対策のほか、地域の活性化や多世代交流の場など、多面的で多くの機能を持ち合わせている子ども食堂について、安定的な運営支援を行い、現在11か所あるその場所のさらなる増加を目指します。

 次に「移住定住・流出抑制」についてです。

 子育て世帯の移住支援金を増額し、UIJターンをさらに促進します。

 また、福島をはじめ東北の復興を実現するため、国が浪江町に設置を進めている福島国際研究教育機構,通称F-REIとの連携について、新たにF-REI連携企画官を配置するなど体制を強化し、市内産学官が一体となって、新たなイノベーションで雇用創出や若者還流を目指します。

 さらに、若者に本市に戻っていただく方策の一つとして、職員採用試験を見直します。全国的に公務員試験の倍率が低下するなか、本市においても受験者数は10年前の1/3以下まで減少しています。新たな試験方法として、SPI試験を導入し、優秀な人材の確保に努めます。

 次に、「デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXと、グリーントランスフォーメーション、いわゆるGX」についてです。

 Society5.0の実現に向けて、次世代交通や健康管理・健康相談、子どもの見守り、事業者の皆様へのDX支援、地域データの収集・活用など、地域のDXを推進することで地域課題を解決し、市民の皆様が豊かに暮らすことができる社会を目指します。

 また、脱炭素社会の実現に向けては、昨年「いわき市脱炭素社会実現プラン ビジョン編」を策定し、併せて「いわき市カーボンニュートラル宣言」を行ったところであり、具体的な取組みの行程を示すロードマップを盛り込んだ「実現プラン 完成版」の策定を進めながら、官民が連携する「いわき市脱炭素社会推進パートナーシップ会議」などとともに、市民の皆様のライフスタイルや事業者の皆様のビジネススタイルの変革を推進していきます。

 

 続いて、2つ目の柱「命・暮らしを守る」についてのうち、「防災」についてです。

 防災の基本は「自助・共助・公助」の力を結集することであります。防災士のさらなる養成や、新設した登録防災士制度の普及促進、さらには地域主体による防災訓練の実施により、共助の担い手となる自主防災組織を充実強化します。

 また、避難の際に真に支援を必要とする要支援者の把握を今年度末までに行い、確実な避難体制を確立するとともに、今年度協定を締結した東北大学災害科学国際研究所の知見も活かしながら、「逃げ遅れゼロ」「災害死ゼロ」の危機管理モデル都市の構築に向け、さらに取組みを推し進めます。

 次に、「医療」についてです。

 医師不足の解消に向け、「いわき市医療構想会議」を中心に、いわき市医師会及びいわき市病院協議会の皆様と、議論を進めており、これまでの会議の経過について、先日ご報告したところです。本市の病院勤務医師数は、現在、全国の大学医学部が無い中核市と比較して、内科、呼吸器内科、小児科、外科、整形外科などをはじめとする診療科で、かい離が生じております。引き続き、かい離を埋めるための具体的な方策を検討し、粘り強く医師確保に取り組んでいきます。新たな取組みとして、医師招聘に係るWEBサイトの開設等により、情報発信を強化するほか、寄附講座を拡充します。

 また、将来を見据えた医療人財の育成に向けた取組みにも注力していきます。総合的な学習の時間等を活用し、小・中学生が医療に関心を持つ機会の拡充に努めます。磐城高校に医学コースが設置され、現在、医師会などとも連携し、現場で働く医師とのワークショップや県立医科大学の見学などの取組みも進めています。これらの取組みを通じて、市民の皆様の地域医療の充実を図ります。

 次に、「福祉・健康・地域包括ケア」についてです。

 従来の分野別の福祉サービスだけでなく、様々な機関が「断らない相談支援」を念頭に、ワンストップ相談など、包括的な支援体制を構築します。

 また、若年からの生活習慣病予防対策をはじめ、企業連携等による壮年期の健康づくりや事業者の健康経営を推進し、安心して自分らしく暮らしていけるよう、地域福祉のさらなる推進と健康づくりに取り組みます。

 次に、「中山間・担い手」についてです。

 安全・安心で持続可能な生活を確保するため、生活に密着した買い物や交通、医療などの課題解決に向けた取組みを着実に推進します。また、生活サービス機能や活動拠点を一定程度集積した小さな拠点づくりに地域とともに取り組みます。

 

 続いて、3つ目の柱「まちの魅力を高める」についてのうち、「産業」についてです。

 若者や女性が活躍する「魅力的な働く場」を創出し、将来の活力となる若者や女性を呼び込む取組みを進め、多様な働き方や外部人財の活用など、産業人財の確保と育成に注力します。

 また、変化に対応できる「強い企業づくり」に向け、事業再構築など、企業の成長フェーズに合わせたチャレンジを後押しし、地域に根差した事業者の皆様の事業継続を支援します。

 さらに、風力や水素など脱炭素に資するエネルギーや蓄電池など、成長が期待できる分野の技術開発や共同研究開発の支援、人材育成などにより、生産性や付加価値を高め、稼ぐ力を生み出します。

 こうした取組みを、既存組織の再編を行い、効率的・効果的に進めます。

 次に、「農林水産業」についてです。

 持続と自立が可能な「稼げる一次産業」の実現に向け、振興作目を中心とした農産物の生産量の増大を支援するとともに、産地間競争の優位性を確保するためのブランド化と本市農産物のプロモーションを進めます。

 また、農林業の担い手を育成・確保するため、就農に関する情報提供の仕組みづくりや就農後の機械・施設の導入に係る費用助成などの取組みを進めるとともに、スマート農業やスマート林業の導入支援を行い、新技術の進展と担い手確保を両立した取組みを後押しします。

 さらには、震災を乗り越え、次世代につながる水産業を目指し、地産地消を基本とした消費及び販路拡大、さらには原子力災害からの復興に向けた風評払拭などに引き続き取り組みます。

 次に、「観光・文化・スポーツ」についてです。

 本年は、いよいよ、J2に昇格したいわきFCの熱い闘いが、いわきグリーンフィールドをホームスタジアムとして繰り広げられることとなります。いわきFCの躍進を地域の活力に生かし、経済の好循環や観光振興につなげ、スポーツによる人づくり、まちづくりを進めます。

 また、ウィズコロナ及びインバウンドを見据え、「サイクルツーリズム」等のコンテンツ造成等に取り組み、効果的なプロモーションを推進しながら、観光誘客を促進していきます。

 さらに、文化の面においても、フラ文化をはじめとした様々な文化・芸術の振興はもとより、新たにいわきが生んだ著名芸術家のお力を借りながら、子どもたちが一流に触れ、豊かな感性と創造性を育む機会の創出にも取り組みます。

 次に、「まち・公共交通」についてです。

 いわき駅前の再開発事業や地域の市街地再生整備などを着実に推進し、ネットワーク型コンパクトシティの実現を図り、新たな時代の顔となる街の再生・都市整備に果敢に挑戦します。

 地域交通の諸課題への対応については、地域公共交通の方向性をしっかりと打ち出し、まちなかでは利便性の向上を、中山間地域では各地域の実情に応じた交通確保策を図るべく、本年度末の「地域公共交通計画」の策定・公表に向けて取り組んでいます。

 

 最後に、これらの政策を支える「構造改革」についてです。

 厳しい時代環境の中、今般打ち出した政策を着実に進めるためには、相当の覚悟をもって、改革に取り組まなければなりません。未来につながる決断、つまり、「あれも、これも」ではなく、「あれか、これか」を選択していくことが必要不可欠です。

 このような考えのもと、従前から当たり前のように実施している事業や業務の必要性を改めて見つめ直し、その効果を最大化できるよう、政策形成・評価プロセスを成果志向へと転換するマネジメント体制を構築していきます。

 また、人材育成改革を通じて、一人ひとりの職員がモチベーションを最大限発揮し、創造的に取り組める環境整備を図りながら、組織の見直しにも着手し、政策と一体となった体制強化を進めていきます。

 こうした内部改革を進めながら、手続きや相談のオンライン化、キャッシュレス化、伝わる広報など、市民の皆様の利便性向上にもしっかりと取り組み、必要とされる行政サービスへの人材と資源の再配分を進めていきます。

 そのうえで、公共施設の最適化にも力を入れていきます。本市には1,300を超える公共施設がありますが、例えば、郡山市では約1,000施設、福島市では約700施設と、同規模自治体と比較しても施設数が多い状況となっており、このままの水準を維持していくことは極めて難しい状況です。サービス面から利便性の向上を図りつつ、同時に、人口推計や施設の老朽度合い、利用率などの観点から、施設の規模や配置を「ちょうどいい水準」にしていきます。併せて、小・中学校、保育所・幼稚園、通学路など、子どもたちの安全・安心の確保をはじめとして、利用者の目線に立った施設の適切な維持・保全にも力を入れていきます。

 躊躇なくこれらの取組みを進め、柔軟で持続可能な行財政運営を構築します。

 

 以上、令和5年度の市政運営についての基本的な考え方を申し上げました。

 今後も、現場主義に徹しながら、各分野で挑戦する皆様の生の声をしっかりと受け止め、紡いできた絆を大切にしながら、歩みを止めることなく様々な取組みに挑戦してまいります。

 困難を乗り越え、飛躍していく可能性がいわきにはあります。ふるさといわきを未来に向かって共に挑戦し、躍動する「人づくり日本一」のまちにしていきます。

 

 次に、今回提案いたしました議案について説明申し上げます。

 議案件数は、条例の制定案が1件、改正案が22件、予算案が33件、その他の議案が7件の計63件です。

 私からは、今回提案の議案のうち、その他の議案1件、

及び新年度予算案の概要について説明申し上げます。

 

 初めに、「議案第57号 工事請負契約について」申し上げます。

 本案は、施設の老朽化に加え、耐震診断により耐震性が低いと診断された内郷消防署について、内郷高坂町四方木田に移転し新築工事を行うものであり、一般競争入札により、堀江・加地和特定建設工事共同企業体と仮契約を締結しましたことから、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第2条の規定により提案するものです。

 これにより、災害時の活動拠点としての機能が確保されるとともに、本市初の訓練塔を活用した実践的な訓練による若手消防職員の育成や、女性消防職員をはじめとした職員の勤務環境の改善が図られるものと考えています。

 

 次に、新年度予算案の概要について申し上げます。

 まず、本市の予算編成に大きな影響を及ぼす国・県の予算について、そのあらましを申し上げます。

 令和5年度の国の予算は、歴史の転換期を前に、我が国が直面する内外の重要課題に対して道筋をつけ、未来を切り拓くとの観点に立ち編成されております。

 また、「第2期復興・創生期間」の3年度目である令和5年度予算においては、心のケア等の被災者支援や、原子力災害被災地域における中間貯蔵施設関連事業、帰還・移住等の促進、風評の払拭、ALPS処理水の処分に向けた対策などの本格的な復興・再生に向けた取組みとともに、「創造的復興の中核拠点」となる福島国際研究教育機構などの取組みを推進するために必要な予算を確保するものとなっております。

 他方、県の予算は、喫緊の課題である新型感染症や原油価格・物価高騰への対応はもとより、震災・原子力災害からの復興と福島ならではの地方創生を加速させ、防災力の強化や地球温暖化対策、デジタル変革の推進などに取り組むための予算として編成されております。

 このような国・県の予算編成の動向を踏まえながら、新年度の本市の財政見通しを申し上げますと、まず歳入面でありますが、市税については、家屋新増築に伴う評価額の増加等により、固定資産税が増収となることなどから、全体では、前年度と比べ1.0%の増と見込んでおります。

 地方交付税については、市税増収に伴い普通交付税が減となることが見込まれることなどから、全体では、前年度と比べ1.2%の減と見込んでおります。

 また、国庫支出金については、水産業共同利用施設復興促進整備事業費補助金の増などに伴い、福島再生加速化交付金が増加することなどにより、前年度と比べ2.8%の増と見込んでおります。

 更に、市債については、国の地方財政対策に基づいた見込みにより、臨時財政対策債の発行額が減となることなどから、前年度と比べ1.8%の減と見込んでおります。

 このほか、自主財源の確保はもとより、可能な限り財源の確保に努めても、なお大幅な財源不足が生じることから、財政調整基金の取崩しにより、所要の財源を確保したところであります。

 次に、歳出面でありますが、令和5年度は、新たに策定した「いわき版『骨太の方針』」のもと、財政規律を守りながら、若者から高齢者まであらゆる世代がいわきに魅力を感じ、いわきを誇りに思うまちを「人づくり」で実現するため、「人づくり日本一」の実現を目指した政策の推進を基本として予算を編成いたしました。

 具体的には、「次世代を育てる」、「命・暮らしを守る」、「まちの魅力を高める」の3つの柱に沿った取組みを推し進めます。また、「市民の利便性向上に資する行政DXの推進」や「公共施設の最適化と維持保全への転換」などの構造改革にも併せて取り組みながら、持続可能な行財政運営の構築につなげることとし、これらに要する経費に、優先的・重点的に予算を配分したところであります。

 この結果、令和5年度一般会計当初予算の総額は、1,467億6,731万円で、前年度と比べ、2.5%の増となるものであり、そのうち「人づくり日本一」の実現を目指した「人づくり投資予算」といたしまして、約15億5,000万円を計上しております。

 また、特別会計の総額は、963億907万円で、競輪事業における特別競輪開催の皆減に伴う経費の減などにより、前年度と比べ、2.2%の減となり、企業会計の総額は、658億8,100万1千円で、病院事業における情報システムの更新費用の減に伴う経費の減などにより、前年度と比べ、0.9%の減となるものであります。

 

 続きまして、市政を取り巻く諸問題についてです。

 初めに、日本プロサッカーリーグのJ2リーグに初参戦するいわきFCとの連携について申し上げます。

 J2リーグが、いよいよ今週末2月18日に開幕します。

 J2リーグは昨シーズンの平均入場者数が約5,000人と、J3リーグ平均の約2倍となっており、更なる交流人口拡大が期待されます。

 また、J1経験クラブが11チームと全体の半数となっていることから、市民の皆様にはこれまで以上にハイレベルなプレーを間近で体感することにより、新しい景色をご覧いただけるものと確信しています。

 ホームゲームに来訪されるサポーターの皆様には、試合会場において、観光案内や物産品の販売を行うなど、おもてなしいたします。さらに、アウェイゲームにおいては、現地に赴いて市の観光PRを実施するなど、いわきFC戦を契機として、県外からの誘客の促進、市の認知度向上に向けて取り組みます。

 いわきFCの躍進や応援機運の盛り上がりが、市民の誇りや一体感を醸成し、人を呼び込み、経済の好循環を生み出すことにつながりますので、引き続き、いわきの未来を創るパートナーであるいわきFCと連携し、スポーツを通じた人づくり、まちづくりを推進していきます。

 

 次に、「里山の暮らしを支える地域づくり方針」の策定について申し上げます。

 本市では、地域の皆様との意見交換や有識者懇談会などを経て、去る2月13日、中山間地域の皆様が安全に安心していきいきと住み続けることができる地域社会の実現を目的とした「里山の暮らしを支える地域づくり方針」を策定いたしました。

 本方針においては、「つながり、つなぐ、恵み豊かないわきの里山」を中山間地域の将来像として掲げ、その実現に向けて、地域の皆様と共に、多様な主体と連携した移動手段の構築や医療・福祉、買い物等生活に欠かすことができないサービス機能の整備、さらには、地域活動の担い手やなりわいの確保など、当該地域の様々な課題に対応できるよう、暮らしを支える「まちづくり」、「ひとづくり」、「しごとづくり」の3つの方針を柱に必要な取組みを進めていきます。

 また、中山間地域の維持及び活性化を支援するための取組みを安定的・継続的に推進していくための財源の確保を目的に基金を設置したいと考えており、本定例会において、議案として「いわき市中山間地域支援基金条例」の制定案を提案いたしました。

 今後については、庁内はもとより、専門的な意見を取り入れるための有識者懇談会の設置などにより、推進体制の構築を図りながら、「恵み豊かないわきの里山」を将来へつないでいきます。

 

 次に、第14回いわきサンシャインマラソンについて申し上げます。

 いよいよ第14回いわきサンシャインマラソンまで残すところあと10日となりました。

 5年ぶりの開催となる本大会に、全国から7,000名を超えるランナーの皆様にエントリーいただいております。

 これまで、新型コロナウイルス感染症の影響等により、4大会連続の中止を余儀なくされておりました。

 今年こそは、安心して楽しくいわきの街を走っていただきたいという「強く熱い気持ち」のもと、新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、各種おもてなしや運営体制の充実・強化を図りながら、本市を代表するスポーツイベントとして皆様の記憶に残る満足度の高い大会を目指して準備を進めています。

 ランナーやボランティアスタッフなど大会に関わる全ての方々が「いわきの魅力」や「人の温かさ」に触れ、「いわき愛」を育んでいただき、更なる交流の創出や地域活性化に繋げられるよう、大会成功に向け取り組みます。

 

 私からは以上ですが、その他の議案や予算案の詳細については、お手元に配付の資料をもって説明に代えさせていただきます。

 いずれも市政執行上、重要な議案を提出しておりますので、何とぞ慎重御審議の上、速やかなる御議決を賜りますようお願い申し上げ、提案理由の趣旨説明といたします。

 

このページに関するお問い合わせ先

総務部 総務課

電話番号: 0246-22-7401 ファクス: 0246-22-3662

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