結核は、過去の病気ではありません!
登録日:2024年4月1日
結核は過去の病気のように思われがちですが、現在も年間に国内で1万人弱の患者が発生し、福島県でも毎年100人前後が新たに結核と診断されています。
1 結核ってどんな病気?
結核とは、結核菌によって主に肺に炎症を起こす病気です。
結核を発病し重症化している人の咳やくしゃみのしぶきには、結核菌が含まれています。このしぶきの水分が蒸発し、空気中に飛んでただよっている結核菌を、周りの人が直接吸い込むことによってうつります(空気感染)。
特に換気が悪い場所で長い時間一緒にいる場合は、結核菌を吸い込む危険性が高まります。
結核には、大きく分けて「感染」と「発病」の2つの状態があります。
【感染】
結核菌を吸い込んで体内に結核菌が存在しているものの、自らの免疫機能で結核菌の活動が抑えられている状態です。感染しているだけでは、他人にうつすことはありません。また、感染しても発病するのは1~2割程度で、残りの8~9割は一生発病することはないといわれています。
【発病】
身体の免疫力・体力の低下によって、結核菌が活動を始め、病気を引き起こしている状態です。
発病した方については、治療が必要となります。ただし、発病した方すべてが周囲に感染させるわけではありません。発見が遅れて重症化している場合にのみ、人にうつしてしまうことがあります。
図:結核の常識2019
2 結核の症状は?
結核の症状は、風邪によく似ています。具体的な症状としては、次のとおりです。
・(2週間以上)長引く咳、痰
・発熱(37~38度)
・食欲不振
・体重減少
・全身倦怠感
・胸の痛み
・血痰
気になる症状がある場合は、早めに医療機関に受診しましょう。
早期発見、早期治療は、本人の重症化を防ぐだけではなく、大切な家族や友人、職場などへの感染を防ぐためにも重要です。
3 結核の治療
現在では、結核は、薬を決められた期間飲むことで治ります。
しかし、治療の途中で服薬を中断してしまうと、菌が抵抗力をつけ、薬が効かない耐性菌となることがあります。
治療中の方については、主治医の指示のもと内服治療を継続することが大切です。
4 結核から身を守るには?
結核は体力、免疫力が低下しているときに発病しやすい、といわれています。
そのため、結核予防には日頃からの健康づくりが大切です。
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健康管理で結核予防
十分な睡眠、バランスのいい食事、適度な運動で免疫力維持に努めましょう。
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BCG予防接種
乳幼児が結核に感染すると重症化しやすいといわれています。
1歳になる前に(標準5か月から8か月)、BCG予防接種を受けましょう。
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年に1回は胸部レントゲン検査を
結核を発病しているかどうかは、胸部レントゲン検査でわかることが多いです。
健康管理として、年に1回は市の健(検)診、職場健診等で胸部レントゲン検査を受けるよう心がけましょう。
5 高齢者の結核について
高齢者の方では、咳・痰などの呼吸器症状が現れにくい場合があります。
食欲がない、元気がない、体重が減っている、微熱があるなど、比較的分かりにくい症状しかみられないことも多いです。
そのため、「いつもより体調がすぐれない」「なんとなく普段と様子がちがう」といった健康状態の変化にも注意が必要です。
結核は今もなお、国内最大級の感染症です。国内の結核患者の多くは、高齢者が占めています。感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行令(平成10年政令第420号)第12条にて、65歳以上の方は、年に1回の健康診断を受けることが義務付けられています。
年に1回は、結核検診(いわき市では、肺がん検診と兼ねて実施)を受け、「咳・痰が2週間以上続く」、「微熱や倦怠感が続く」など、気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
6 外国人(がいこくじん)のかたへ
結核に関する多言語リーフレット
下記の外部リンクより、多言語対応のリーフレット・動画を閲覧できます。
外国人結核 電話相談
結核予防会結核研究所では、日本在住の外国人の方々の結核に関する電話相談を無料で実施しています。
参考(外部ホームページ)
このページに関するお問い合わせ先
保健所 感染症対策課
電話番号: 0246-27-8606 ファクス: 0246-27-8600