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その26 『給食(2) ~給食のこれまでを振り返ります』(平成28年4月27日市公式Facebook投稿)

登録日:2016年4月27日

「給食(2) ~給食のこれまでを振り返ります」

 今年10月に迎えるいわき市50歳の誕生日が楽しみになるような話題を紹介していく「50周年まめちしき」。今回もどうぞお付き合いください。
 新しい学校生活がスタートした今月は、シリーズで給食のあゆみを紹介しています。2回目の今回は、いわき市内の学校給食が、現在の形態に至るまでを振り返ります。

01(旧)勿来学校給食共同調理場(昭和45年5月、いわき市撮影):施設見学会の参加者がバスを降りたところのようです 全国的に学校給食が充実してきた昭和40年前後の時期(いわき市発足は昭和41年ですから、ちょうどそのころ)、いわき市内では、学校給食共同調理場(給食センター)の設置が相次ぎました。昭和39年9月に平南部学校給食共同調理場、昭和40年4月に小名浜学校給食共同調理場、昭和40年8月に勿来学校給食共同調理場、昭和41年5月に三和学校給食共同調理場などが、それぞれ供用を開始しました。
 昭和42年当時、完全給食(主菜と副菜を提供)が実施できていた学校の割合は、小学校が99.7%、中学校が70%で、それ以外の学校では、牛乳や脱脂粉乳を提供するミルク給食や、主食やおかずを持参する補食給食が続いていました。

02平北部給食共同調理場(昭和48年11月、いわき市撮影):大きなお鍋で調理中なのは焼きそばでしょうか 市内の全小中学校で完全給食が実施されるようになったのは、昭和52年のことです。同年4月には、四倉給食共同調理場も完成して、市内の小学校79校、中学校40校、計119校すべてで提供体制が整いました。
 給食は、センターでつくられる「センター方式」の他に、学校内の調理室でつくられる「自校方式」、学校内でつくった給食を近隣の学校に提供する「親子方式」があります。昭和52年当時、自校方式の学校は、小学校20校、中学校6校でした。平成28年度現在は、自校方式が小学校1校、親子方式が小学校3校、中学校3校です。
 


03(新)勿来学校給食共同調理場・調理室(平成27年12月、いわき市撮影):最新の調理設備と食育指導のための施設を備え平成28年4月に供用開始しました センター方式、自校方式、親子方式の給食に献立の差はなく、担当の栄養士が共通の管理システムなどを使って決定しています。平成28年度は、17名の栄養士が、各給食センターなどで、小学校用と中学校用の献立を作成しています。小学校用に比べ、中学校用のメニューは、カロリーや量が2~3割増しに設定されていて、カルシウムや脂質などの栄養価は、調理法や付け合わせで調整されています。また、調理時間短縮のため、同じメニューは小中で提供日をずらして設定するなど、給食の安定提供のための細かな工夫は、栄養士の腕の見せどころ!ともいえそうです。


04導入実験期間中の米飯給食の献立(昭和51年2月、いわき市撮影):ごはん、けんちん汁、納豆和え、プリン、牛乳というメニューのようです 給食の献立の変化について、大きなもののひとつが米飯給食の登場です。戦後、パンとミルクの組み合わせでスタートした日本の学校給食は、昭和45年2月に行われた、保健体育審議会から文部大臣に対する答申「学校給食の改善充実方策について」を受けて、ごはんを提供する時代に移り変わっていきます。昭和45年度、全国で米利用実験指定校が決まり、米飯給食導入に向けた実験が開始されます。市内では、上遠野中学校がその指定を受け、同年10月から米飯給食が実施されました。

 


 

05導入実験期間中の米飯給食・上遠野中学校(昭和51年2月、いわき市撮影):みんな納豆ごはんにしているようです。あ!中央の子だけプリンが2つ! 昭和51年2月、学校給食法一部改正で米飯給食が制度上正式に導入されると、市は、同年10月から3つの実験校を指定し、本格検討を始めます。検討内容は、パン業者がパン焼き窯を使って炊いたごはん(長さ60×幅40×深さ12センチメートルのアルミバットに40人分の米5.2キログラムを入れると40分で炊き上がる[昭和51年11月10日付「いわき民報」より])を保温ケース(発泡スチロール製)に入れて届けるというものでしたが、「パン屋さんのごはんはおいしい!」という結果になり、昭和52年1月からは実験校をさらに6校追加して、検討を重ねました。そして、同年4月、新学期の給食から市内全小中学校で、ごはんのメニューが開始となりました。昭和52年度は、給食実施日数190日中、ごはんが22日、パンが143日、めん類が25日だったので、ごはんの登場は2週に1回程度だったようです。
 ごはんの提供回数は年々増え、昭和58年度時点では週1回以上に、平成16年度時点では週2回以上になり、パンの日数と逆転しました。平成28年度現在は、給食実施日数175日中、ごはんが113日(昨年度比で6回増えました!)、パンが31日、めん類が31日なので、1週のうち3日はごはん、残る2日がパンかめん類です(現在、パン業者ではパン焼き窯ではなく炊飯器でごはんを炊いています。パンを焼くのは週1日程度、ごはんを炊く日の方が多いことになりますね)。他にも、主食の提供には工夫があり、食物繊維の補強を考えた「麦入りごはん」があったり、「中華ソフトめん」によるラーメンの日もあります!

06ポリカーボネート製の新食器による試食会・永戸小学校(平成4年8月、いわき市撮影):手に持っても熱くない新食器でのメニューはカレー!おいしそうに食べてます 給食に使われる食器も変化してきました。昭和時代から長く使われていた銀色のアルマイト(アルミの表面を保護処理したもの)製食器は、平成4年度の2学期から新しくポリカーボネート製のものに変更されました。ポリカーボネート製食器は、破損しにくく、熱いものでも手に持って口元に運ぶことができるなどの利点がありましたが、導入後、全国的に内分泌かく乱化学物質(生物のホルモンの働きを乱すもの)にかかわる安全性に疑問の声が聞かれるようになります。
 これを受け、平成10年11月、市は、学校給食用食器検討委員会を発足、食器の素材などについて検討や選定を始めました。委員会での検討の結果、内分泌かく乱化学物質にかかわる安全性や使いやすさなどから、汁わんは「強化磁器」、パン皿・小皿・配膳盆は「ポリプロピレン」が望ましいとされました。
 07学校給食用食器検討委員会(平成11年1月、いわき市撮影):手前に並んでいるのは導入予定の新食器のようです平成11年度の2学期から、検討結果の通り食器が変更されましたが、強化磁器製の汁わんは、衝撃に弱く割れやすく、ポリプロピレン製の皿は、トマトケチャップ等の色が付きやすいなど、それぞれに新たな問題が発生したため、現在は、汁わん、皿ともにPEN(ポリエチレンナフタレート)製への入れ替えが順次進んでいます。

 



 

08強化磁器製の新食器を使用した配膳・白水小学校(平成11年8月、いわき市撮影):少し重たい汁わんになり慎重に手渡しているように見えます

 

 

 

 

 

 


09先割れスプーンを使用した学校給食・上遠野中学校(昭和45年10月、いわき市撮影):食器に顔を近づけてしまって食事姿勢が悪くなっているようにも見えます… アルマイト製食器とともに姿を消したものといえば、「先割れスプーン」も挙げられます。先割れスプーンは、先端が3つに割れているスプーンで、フォークのようにも使うことができ、子どもたちは給食のすべてのメニューをそれで食べていました(めん類の日は割りばしが使われていたようです)。しかし、食事の姿勢が悪くなることや、はしの正しい持ち方が身に付かないなどの理由から、はしの持参の検討が始まります。




10はし持参モデル校での給食・平第五小学校、(昭和59年12月、いわき市撮影):サイズの合ったマイはしを使って姿勢よく食べられています。好きなキャラクターのはし箱かな? 昭和59年12月から、小学校12校と中学校9校をモデル校に、約4か月間の試行の後、昭和60年度の2学期から市内全校ではしの持参が実施され、先割れスプーンは使われなくなりました。現在も子どもたちは毎日マイはしを持参していて、カレーや果物などの必要に応じて通常のスプーンが使われています。 





 

 

 

11島サミット応援給食会での参加国紹介(平成27年5月、いわき市撮影):メニューは、黒糖パン、しいらのフリッター、かぼちゃときゅうりのスープなど。机の上には歯みがきセットも見えますね ここまで、給食のあゆみを振り返ってきました。いかがだったでしょうか?
 現在、給食は、児童生徒の健康増進はもちろん、正しい食生活への理解や食文化の継承など、食育を推進する上で重要な役割も担っています。いわき市の給食でも、市内のシェフや高校生とのタイアップで作成した献立による給食を、会食形式で交流しながら食べるといった事業や、地域の郷土料理を取り入れた企画献立など、子どもたちの心にも体にも栄養たっぷりな工夫を盛り込んでいます。
 そして、もちろんのことですが、私たちの体をつくる食の大切さを子どもたちに伝えていくには、地域の皆さんやご家庭のご理解、ご協力が欠かせません。今後とも、いわき市の学校給食へ応援をお願いいたします!

いわき市の学校給食については、こちら(毎月の献立や、交流会食会の詳細などがご覧になれます)。
http://www.city.iwaki.lg.jp/www/genre/1455421921421/index.html

〔担当〕市制施行50周年記念誌プロジェクト

このページに関するお問い合わせ先

総合政策部 広報広聴課

電話番号: 0246-22-7402 ファクス: 0246-22-7469

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