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『新川1』(平成27年10月7日市公式Facebook投稿)

問い合わせ番号:14551-8436-8895 更新日:2015年10月7日

いわきの『今むがし』 Vol.32

平地の中央を流れる新川と古川 「150,000地形図 小名浜(明治40年測図)」

明治40年発行の地形図

 新川(現新川緑地)は、かつて内郷村の宮川と白水川の合流点から下流、夏井川の合流点まで、およそ7.5キロメートルの河川でした。
 川幅が狭く、蛇行していたことから、大雨が降るたびに“暴れ川”となって沿岸に大きな被害をもたらし、新川沿岸の水田は、たちまち“湖”と化しました。とりわけ、平市街内の被害は大きいものでした。
 河川の改修が大きな課題となっていた新川沿岸の平町、内郷村、飯野村の住民は、大正元(1912)年10月に「平町外(ほか)二ケ村聨合(れんごう)水害豫防(よぼう)組合」(以下、「予防組合」)を結成、大正6(1917)年から継続して新川の河川改修に乗り出しました。
 しかし、改修は難航しました。どの場所から改修を始めるか、費用負担はどうするか。当時田畑は貴重な財産でしたから、河川拡幅や築堤で潰れ地になってしまうことに抵抗がありました。また、飯野村の農民は田畑を耕すために、一方平町民は散水車へ取り入れるためなどにと、それぞれ利用目的が異なっていました。
 

平商業学校校庭から運動会越しに現新川方面を見る(昭和14年11月、平商友会)

昭和14年頃の古川(現新川)

 福島県は河川改修工事に際して、毎年約1万円の補助を交付していましたが、昭和時代に入ると、金融恐慌、世界恐慌と不景気が続き、予算は削減されて、改修工事は容易に進まなくなります。さらに平町と飯野村は負担割合をめぐって調整がつきませんでした。
 ちなみに、当時の高等官(現在の国家公務員1.種等のキャリア)の(大卒)初任給は75円だったようです。(『値段史年表明治・大正・昭和』週刊朝日編集部編/朝日新聞出版より)
 これらの課題を解決するためには、町村を超えて、県の支弁する河川に指定してもらうことが第一と考えた関係者は、昭和6(1931)年10月、水防組合総会において、県支弁川への編入運動を起こす件を満場一致で可決。当時の慣例として、河川延長10キロメートル以上であることの要件を付されていたため、これを満たすため、これまで白水川と呼んでいた部分を新川に組み入れることを決めました。
 

その他の写真

水没する平町と南方・水没する長屋は後の大黒屋付近(大正9・10・1、真木隆四郎氏撮影)

大正9年の水害 この後、3町村長や地主代表は地元県会議員の賛同を得て、昭和6年12月、県議会へ建議案「湯ノ岳山脈ヨリ発シ夏井川ニ注グ新川、延長約二里」を提出し、採択されました。県支弁河川として認定されたのは、昭和9(1934)年1月のことでした。 新川の南には、小河川・古川(現新川)が流れていました。古川では大正時代に築堤が施工されたものの小規模で、昭和時代に入ってからは、新川改修が優先されていました。
 福島県では新川が県支弁河川への編入見通しが立った昭和8年(1933)年頃から、内務省の協力を得て、この古川を大改修する検討を始めました。
 踏破の結果、内郷村大字御台境地内から新川を新たに南側に分流させて小規模河川・古川に結び、川幅をそれまでの3倍の20間(約36メートル)に拡充、築堤すれば流路傾斜も緩和され、また市街化が進む平町内において困難となっていた河川拡幅の課題も解消される、という利点が得られました。

 

「昭和産業博覧会ヱはがき」新川(現新川緑地公園)河畔の第二会場(昭和7年4月、平町協賛会)

昭和7年の新川 この計画には、内郷村、飯野村ともに難色を示しました。特に飯野村の一部と平町は古川を境にしており、河川拡幅に伴う潰れ地に対し、容易に替え地を生み出せない状況にありました。
 このようななか、改修工事は上流側、次いで下流側から進められましたが、昭和16(1941)年7月の台風来襲時には、浜通りに300ミリメートル以上の雨が降り、被害の大きさもさることながら、河川改修の必要性を関係者だけでなく、沿岸町村全体に認識させることになりました。
 しかし、この年の暮れ、日本は第二次世界大戦に突入。あらゆる事業において戦争継続が優先され、河川改修の進ちょくは戦争終了後まで待たなくてはならない状況となりました。
 戦時中に中断していた新川の河川改修は、終戦後の昭和23(1948)年度から中小河川改良事業として採択され、再開されました。
 この結果、常磐線付近の宮川合流点から夏井川合流点までの延長約7.5キロメートル、内郷地区で約20メートル、平地区では約40メートルの川幅で、それぞれ拡幅工事が完成。昭和25(1950)年2月から3月にかけて、新旧の新川切り替え工事が行われました。
 新川の新旧交代劇は、幾度の水害を経験し、長年の関係者、住民の努力が結実した結果とみることができます。
(次回につづく)

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