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第41回吉野せい賞/第42回吉野せい賞作品募集ポスター受賞作品が
決定!!

問い合わせ番号:14503-4817-0114 更新日:2018年10月31日

第41回吉野せい賞

吉野せい賞応募数及び選考委員

 応募総数 41編(ジャンル別の内訳 小説31編、童話1編、戯曲1編、文芸評論1編、ノンフィクション7編)

 選考委員 佐久間 典子、鈴木 俊之、園部 義博、福住 一義、吉田 隆治(50音順)

選考結果

吉野せい賞及び準賞は該当者なし 

 

奨励賞「森と海の端で」 小説 渡部 茂樹(わたなべ しげき)さん

【あらすじ】

 背後を森に囲まれ、太平洋にも近い図書館に勤める40代半ばの私。そこへ不登校である中学一年生の直也が現れ、二人の接点が生まれる。書物を通じて二人は交流を重ねていく。人間関係、家庭の事情、震災の傷を抱えた直也が徐々に心を開いていき、ついに復学するまでの過程を主人公の視点から丁寧に描かれる。

【選評】

 正統派の文章で、心情が丁寧に描かれている。細部にリアリティーがあり、読後感もよい。応募作品の中ではレベルが高い。司書の目線で書かれているのはいいのだが、相手の中学一年生の少年がよく見えてこない。

 

奨励賞「チーズは無理にさかないようにする」 小説 宮 一宇(みや いちう)さん

【あらすじ】

 「何かをさくと口が裂ける」という呪いによって口裂け女として生きる私は、その秘密を抱えたままたけしと付き合っている。プロポーズされたときに、口が裂けていくのをたけしに見られてしまうが、彼はそれでも一緒に生きていくことを私に伝える。その後、一度も口が裂けることはなく、「すでにくっついているものを無理にさこうとする」ときに生じる呪いだったと悟る。

【選評】

 応募作品の中では唯一、オリジナリティーが感じられる作品。文章も展開される世界も独特。「別れさせ屋」という珍しい「仕事」については、その必然性も含めてもっと書き込むとよかった。

 

奨励賞「蕨堂」 小説 高木 奴馬(たかぎ どば)さん

【あらすじ】

 信夫の祖父である与作は朽ちかけた観音堂(通称蕨堂)に毎日参拝に通っていた。しかし、県道敷設による鎮守の移動のため、寄合で蕨堂の取り壊しが決まってしまう。よそ者である大工の甚吉がひょんなことから加わって、集落の男衆に内緒で三人で蕨堂を修繕する。取り壊し当日、新築同様に生まれ変わった蕨堂を目にした男衆は驚き、取り壊しを断念する。

【選評】

 読みごたえがあった。一つの短編としてまとまっている。幕切れはあっけないが、それもまたよい。20代前半で大正時代の物語に挑んだ意欲作。今後に期待。

 

青少年特別賞「過去と未来の交差点」  戯曲 新妻 野々香(にいつま ののか)さん

【あらすじ】  

 地方の港町に四階建てのデパート建設が決まる。中学生の要、楓、香は生まれ故郷が変化を迎える時期にそれぞれの進路を思い描く。要と香は地元を離れ、楓だけが地元に残り家業を継いだ。十年振りに社会人として再会した三人は、自分たちの変化、町の変化を実感しつつも、思い出が自分たちの中にたしかに存在することを実感する。複数の時系列で描かれた戯曲。

【選評】

 よく頑張って書いた思いが伝わってくる。自然に素直に読める。10年後の「私」をもう少し意識して組み立てると、もっとよかった。

 

青少年特別賞「セザンヌ」 小説 吉田 快斗(よしだ かいと)さん

【あらすじ】

 アパートで独り暮らしをする十七歳の僕は、生まれる直前に父を、七歳のときに母を亡くしている。さらに十四歳のとき恋愛感情を抱いていた幸子の死を経験し、新たに恋をした桜は転校してしまう。行きつけのカフェのマスターが、実は亡くなった父で僕をずっと見守っていたことが明かされるが、運命をすべて引き受け生きていこうとする僕の姿勢を知って役目を終える。挿入詩、セザンヌの絵画、パラレルに展開する物語によって重層化された作品。

【選評】

 複雑な構成でよく書けている。詩を引用して場面展開に使うなど、読ませる力がある。表現や世界観にはまだ古さが感じられるが、精進して早く自分の世界を築いてほしい。

 

総評

  •  今回は吉野せい賞に38編、中学生以下の青少年特別賞に3編、計41編の応募があった。前々回44編、40回の節目の前回48編からみると、作品数はやや少なかった。
  •  内訳は小説・31編、童話・1編、戯曲・1編、文芸評論・1編、ノンフィクション7編である。うち、各選考委員選出による一次通過作品17編(吉野せい賞14編、中学生以下の青少年特別賞3編)について協議した結果、奨励賞3編、青少年特別賞2編を選出した。
  •  正賞(せい賞)、準賞に該当する作品はなかった。準賞経験者は正賞レベルの、奨励賞経験者は準賞レベル以上の作品が求められる。応募作品の中ではレベルが高くても、正賞・準賞のレベルには達していない、ということで各選考委員の意見が一致した。
  •  それを裏付けるのが、一次選考通過作品の数の多さである。一次選考通過作品は年によって多かったり少なかったりする。飛び抜けた作品があれば、力量のある受賞経験者の作品といえどもふるいにかけられる。逆に、飛び抜けた作品がないと選考委員の判断が分かれて多くなる。今年は後者の評価になった。
  •  青少年特別賞の「セザンヌ」には才能の豊かさが感じられた。まだ類型の域を出ないものの、文章力や構成力は中学生のレベルを超えている。作品に登場する詩は、いわば氷山の一角。水面下、つまり背後には豊富な読書の質量がうかがえる。将来の文学的な開花を期待したい。

 

作品の掲載

 今回の受賞作品は、同人誌「風舎 第13号」(平成31年3月発行予定。市内書店にて販売。)に掲載する。

 

第42回吉野せい賞作品募集ポスター

吉野せい賞作品募集ポスター応募数及び審査委員

 応募総数 49点

 審査員 冨田 弘、平野 明彦 (50音順)

審査結果

最優秀賞 伊藤 るな(いとう るな)  いわき市立平第三中学校3年

矢内士温さんの作品

平成31年度の吉野せい賞作品募集の広報用ポスターとして使用します。

 「君のつづる世界が一つの物語になる」

【講評】

 最優秀賞にふさわしい的確な描写力とバランスのとれた配色、そして心くすぐるキャッチコピーも見事です。
 しかしなによりも伊藤さんの作品の魅力は、描くことの喜びが画面に満ち溢れていることです。絵を描くことが楽しくてしょうがない・・・そうした伊藤さんの想い―つまり創造することの喜びが作品を見る者の心の中に素直に伝わってくるのではないでしょうか。
 人目を惹くような派手な色彩や奇抜な画面構成では到達し得ない次元において、この作品は文学を志す人たちの気持ちを掻き立てる可能性を秘めていると思います。

 

優秀賞 吉田 彩波(よしだ さなみ)さん  いわき市立平第一中学校3年

松﨑春霞さんの作品

 「探し出せ君だけの言葉のかけら」

【講評】

 よく考えられた画面構成です。
 物語を読み解くように画面に散りばめられた隠し文字のような〈言葉のかけら〉を探し求める遊び心が吉田さんの作品の見どころと言えるでしょう。そして応募作品の中で文字のレタリングの個性が際立っていたことも高い評価につながっています。
 文学への誘いを如何に絵画として表現するのか。
 今回もそのために様々な趣向を凝らした作品が応募されましたが、なかでも吉田さんの考え抜かれた趣向の出来栄えは秀逸でした。そしてもちろん優秀賞にふさわしい確かな描写力が、遊び心の世界を支えているのです。

 

優秀賞 橋本 樺子(はしもと かこ)さん  いわき市立平第三中学校2年

村上さんの作品

 「世界を自分色に染めよう」

【講評】

 橋本さんの作品でとりわけ興味深いのは、ペンを持つ手とペンが、それぞれひとつの人格を有した存在のように描かれていることです。
 大きく開かれた手のひらは、まさに今、物語を創造し始めようとする書き手の心の動きを示し、そしてその手から離れ、空中を自在に動くペンもまた、書き手の意志が乗り移ったかのように物語を綴り始めています。
 この両者の関係が画面に動きをもたらし、キャッチコピーの呼びかけに呼応しているのです。

 

奨励賞

  • いわき市立平第一中学校3年     矢内 士温(やない しおん)さん

  • いわき市立平第三中学校2年     (永山 桃花(ながやま ももか)さん 

  • いわき市立中央台南中学校3年    小林 優夏(こばやし ゆうか)さん 

  • いわき市立中央台南中学校3年    渡邊 七香(わたなべ ななか)さん

  • いわき市立植田中学校3年      小野 シャーミ 愛莉(おの しゃーみ あいり)さん

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総評

 今年は昨年度よりも大幅に応募作品が増え、49点の応募がありました。しかもどの作品も時間をかけてじっくりと仕上げられており、作者の思いや願いが感じられるものばかりでした。言葉で創作する「文学」という世界を自分なりに解釈し、ポスターにどのように表現したらよいか、よく考えられている作品が目立ちました。
 
入賞作品の選定については、吉野せい賞のイメージに合っているかということや、ポスターを見た時に、自分も思わず素敵な文学作品を書きたくなってしまうような作品であることを考慮しました。全体的に素晴らしい作品が多かったのですが、最優秀賞や優秀賞に選ばれた作品は、特に構図や配色が素晴らしく、細部に渡るまで作者の思いが緻密に表現されており、見る人に文学を創作する世界の素晴らしさを教えてくれる作品でした。惜しくも入賞できなかった作品についてですが、やはりポスターですので文字の読みやすさは大切です。字体やその大きさ、配色などをもう一工夫すると素晴らしい作品になるものが多かったことが印象的でした。

 

ポスター展

 巡回展示日程(全作品を展示します)

  1. 草野心平記念文学館内     11月4日~11月25日まで  

  2. いわき総合図書館内        12月5日~1月6日まで

  3. いわき・ら・ら・ミュウ内   1月22日~2月13日まで

お問い合わせ

文化スポーツ室 文化振興課
電話番号:0246-22-7544
ファクス番号:0246-22-7552