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第40回吉野せい賞/第41回吉野せい賞作品募集ポスター受賞作品が決定!!

問い合わせ番号:14503-4817-0114 更新日:2017年10月25日

第40回吉野せい賞

吉野せい賞応募数及び選考委員

応募総数 48編(ジャンル別の内訳 小説38編、童話4編、戯曲0編、文芸評論1編、ノンフィクション5編)

選考委員 佐久間 典子、鈴木 俊之、園部 義博、福住 一義、吉田 隆治(50音順)

選考結果

吉野せい賞「草の露(くさのつゆ)」 小説 酒井 正二(さかい しょうじ)さん

【あらすじ】

 電力会社に勤める磐井は奥会津の山村をダム建設のための現地調査で訪れた。自身の仕事に誇りを持ち、開発が村の発展にも繋がると信じている磐井が、神話や伝説が息づく奥深い里に入り、村の人たちと酒を酌み交わし、夢うつつに国津神からダムの計画地に断層が走っていることを暗示され、計画の白紙撤回を決める。

【選評】

  • 異世界へどんどん入っていく、近代小説の常道のような作品。
  • 全体の構成、情景描写が優れている。文章も悪くない。
  • 欲を言えば、もう少し登場人物を書き込んで欲しかった。

準賞「熱源~いわき市民ギャラリーとその時代(ねつげん~いわきしみんギャラリーとそのじだい)」 ノンフィクション 木田 修作(きだ しゅうさく)さん

【あらすじ】

 1976年に任意団体「いわき市民ギャラリー」が設立された。何もないいわきに本物の芸術を見せようとする有志たちの試みだった。いわきに現代芸術を根付かせ、二十世紀最大の彫刻家ヘンリー・ムーア展を成功に導き、その後の市立美術館建設の原動力となった熱い人々とその時代を追いかけたノンフィクション。

【選評】

  • 足を使った取材でよく書き込んでいる。
  • 内容も手法もノンフィクションとして一流。
  • せい賞には「創作」だけでなく、「ノンフィクション」もあることを証明した作品。

奨励賞「母と私の6年間(ははとわたしの6ねんかん)」 ノンフィクション 半澤 りつ(はんざわ りつ)さん

【あらすじ】

 双葉郡葛尾村で暮らしていた筆者は原発事故により故郷を追われることとなった。避難所や仮設住宅暮らしで八十四歳になる母親は徐々に無気力となり、認知症が進行していく。最終的にいわき市に落ち着き、老人福祉施設に入ることになった母の最期の逝き方を決断するまでの筆者の心の在り様を飾ることなく綴る。

【選評】

  • 深沢七郎の作品を読んだときのような印象。
  • 文章はナマで洗練されていないが、それだけにかえって迫力がある。
  • 娘の心情がよく表現されている。

奨励賞「北5(きた5)」 小説 堕天(だてん)さん

【あらすじ】

  体に異変が生じていても価値のない命だと何の行動も取らずに衰弱していく俺を見かねて、家族が病院に連行する形で入院したのが、ゆずりは病院の北棟五階。腎臓がやられ、人工透析を受け続ける体となってしまったが、周囲の人々との関わりの中で人生に光明を見出すようになるまでの過程を描く。

【選評】

  • 病院生活という特異な世界の日常が細かく描かれている。
  • 重いはずの日常だが、前を向いていくしかないというあきらめと希望が表現されている。
  • 書くことが自己救済になっている。

青少年特別賞「国語の魔法にかかるまで(こくごのまほうにかかるまで)」 童話 澤田 綾音(さわだ あやね)さん

【あらすじ】 

 小学四年生の僕は、担任の森先生に国語の再テストを言い渡された。1週間後、『約束の友達』という小説から問題を出すという。国語が大嫌いな僕は、普段仕事で忙しく関係がぎくしゃくしている小説家の母に教えを乞う。母との特訓が実り、再テストで百点を取った。そして、森先生から課題本が母の小説であったことを知らされる。

【選評】

  • 登場人物をうまく描き、作品としてまとまっている。

青少年特別賞「亡き人々よ(なきひとびとよ)」 小説 篠木 翔(しのき しょう)さん

【あらすじ】

 早朝に親のパソコンで小説を書いているが、完成しても一度も保存したことなくその場で消去していた主人公が、その日は違っていた。王国で繰り広げられるミステリー。それを解き明かす探偵。過去に命を吹き込んだものの、データに残すことなくその場で消去していた幾多の登場人物が出てくる物語をその日、初めてパソコン内に保存する。

【選評】

  • ときどき光るものがある。文章力もある。

 総評

  • 今回は48編の応募があった。前々回34編、前回44編からみると、吉野せい賞創設40周年の節目の年にふさわしい応募数となった。
  • 内訳は小説38編、童話4編、文芸評論1編、ノンフィクション5編である。うち、各選考委員選出による一次通過作品12編について協議した結果、正賞(せい賞)1編、準賞1編、奨励賞2編、青少年特別賞2編を選出した。
  • これまでは、力量のある受賞経験者の作品が賞候補として議論されることが多かったが、今回はその大半が一次選考でふるい落とされた。それだけ水準の高い作品がそろったことを意味する。
  • 特に、正賞の小説「草の露」と準賞のノンフィクション「熱源~いわき市民ギャラリーとその時代」は群を抜いていた。「草の露」の作者は87歳。12年前の平成17年に小説「赤いソックス」で準賞を受賞している。一方の「熱源~いわき市民ギャラリーとその時代」の作者は32歳。二つを同時に正賞にすることはできないというので、熟議の結果、敬意をこめて「草の露」を正賞、期待をこめて新しいライターの「熱源~いわき市民ギャラリーとその時代」を準賞とした。質的にも吉野せい賞創設40周年にふさわしい作品がそろった。
  • 青少年特別賞は評価が分かれたが、将来の可能性に期待しようということで2編を選んだ。

作品の掲載

  • 今回の受賞作品は、同人誌「風舎」第12号(平成30年3月発行予定。市内書店にて販売。)に掲載する予定。 

 

第41回吉野せい賞作品募集ポスター

吉野せい賞作品募集ポスター応募数及び審査委員

応募総数 37点

審査員 太田 紋乃、窪木 富士美 (50音順)

審査結果

最優秀賞 矢内 士温(やない しおん)  いわき市立平第一中学校2年

矢内士温さんの作品平成30年度の吉野せい賞作品募集の広報用ポスターとして使用します。

講評「想像力が叶える 無限の世界へ
 構成力、描写力、キャッチコピーの魅力を兼ね備えた作品です。本の道をたどって自由な世界を闊歩する少女の力に満ちた表情は、書くことの無限の可能性を表しているようです。広がっていく空と様々なモティーフが描かれた下界との対比が面白く、これだけのものを一つの画面に構成するのは、まさに豊かな想像力のなせる技と言えるでしょう。陰影や色の濃淡、ものの重なりによって表現される遠近感が見事で、いつまでも見ていたくなりますね。また青い空をバックに黄色で文字を描くことで、ポスターの大事な要素、メッセージも一目で伝わります。「想像力が叶える 無限の世界へ」というキャッチコピーが表すように、フィクションでもノンフィクションでも、文章を紡ぎだすための想像力は私たちに無限の世界をひらき生きる力を与えてくれる。そんな思いが伝わってくるポスターです。

 

優秀賞 鈴木 美海(すずき みみ)さん  いわき市立平第一中学校2年

松﨑春霞さんの作品講評「さぁ 書こう!!
 多くが人物像を主役にするなか、画面の上半分を鉛筆を握った手が占める大迫力。力強い手からは「書くぞ!」という気概が伝わってきます。対して下部ににぎやかに描かれた物語の登場物の様子が、上部とのメリハリを作っています。手を含め、モティーフの陰影や色彩、質感が丹念に描きこまれ、見る人の足を止める効果がありますね。題字を絵具でベタ塗りにする一方、イラストには色鉛筆を用いるなど、画材の特性をよく生かしています。たくさんのものが描かれているのにすっきりしているのは、背景に原稿用紙を配して全体をまとめているからでしょう。さぁ書こう!という力強いキャッチコピーも素敵ですが、ポスターの機能を考慮し、より具体性を持たせても良いかもしれません。

 

 

 

優秀賞 村上 綺愛羅(むらかみ きあら)さん  いわき市立玉川中学校1年

村上さんの作品講評「つづれ!言の葉の世界(
 題字、人物、それらを邪魔しない背景と、全体のバランスがよく安定感があります。淡い背景に対して人物と題字をはっきりと塗ることで画面に前景と後景を作り出すことに成功しているほか、宙に座っているような描写も巧みです。人物の後ろの本は、これまでに読んだ本ともこれから書こうとしている言の葉の世界ともとれますが、そういった相互作用のなかで言葉は生まれてくるのでしょう。「つづれ!言の葉の世界」というキャッチコピーは、作品募集ポスターの役割をよく表していて明解ですね。輪郭線・陰影のコントラストなどをはっきりさせると、色調を生かしつつより強い印象のポスターとなるでしょう。

 

 

 

 

奨励賞

  • 福島県立いわき光洋高等学校1年  小吹 寧々(こぶき ねね)()さん
  • 磐城学芸専門学校 高等部2年    中野渡 愛(なかのわたり めぐみ)さん   
  • いわき市立平第一中学校3年     宇羽野 柚(うばの ゆず)さん
  • いわき市立平第三中学校1年    伊藤 向日葵(いとう ひまり)さん
  • いわき市立中央台南中学校2年   渡邊 七香(わたなべ ななか)さん

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総評

 今年は、独創的な作品、夢や希望にあふれた作品に数多く出会うことができました。文学作品を創作するというイメージをふくらませ、様々な角度から見る側に刺激を与えることは大変難しいことです。しかしどの作品もその課題に意欲的に取り組んでくれました。入賞作品の選定については、吉野せい賞のイメージを大切にして描いているかということや文学作品に対する創作意欲が高まるような構成になっているかということともに、それを見る側に効果的に伝えることができているかという点を重視しました。最優秀賞、優秀賞に選ばれた3点は、これらを十分に満たすとともに、描写力、発想力が優れており、見る人に刺激や感動を与える作品でありました。
 また、惜しくも入賞を果たせなかった作品の中にも、表現力が高い作品が多くありました。デザイン部分とコピー部分の関連を図ったり、構図を工夫したりすることで制作意図が効果的に多くの人に伝わるようにするとさらによいポスター作品になると感じました。

ポスター展

巡回展示日程(全作品を展示します)

  1. 草野心平記念文学館内       11月11日から11月30日まで
  2. いわき総合図書館内       12月8日から1月4日まで
  3. いわき・ら・ら・ミュウ内   1月18日から2月25日まで  

 

お問い合わせ

文化スポーツ室 文化振興課
電話番号:0246-22-7544
ファクス番号:0246-22-7552