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市長議会提案説明

問い合わせ番号:10010-0000-1623 更新日:2021年2月18日

市長議会提案説明(令和3年2月定例会)   


本日ここに、令和3年
市議会2月定例会が開催されるに当たり、令和3年度の市政運営の基本的な考え方並びに新年度予算案、及び主な提出議案についての提案理由を申し上げますとともに、市政を取り巻く諸問題について、併せて報告を申し上げます。

初めに、去る2月13日深夜に発生した地震等への対応状況について申し上げます。

午後11時8分、本県沖を震源とするマグニチュード7.3、最大震度6強、本市では震度5強を観測する、東日本大震災を思い起こすような大きな揺れを伴う地震が発生しました。

この地震等に伴い、負傷された皆様及び住家等に被害を受けた皆様には心からお見舞いを申し上げます。

本市におきましては、地震発生と同時に速やかに災害対策本部を設置し、人命第一の考えのもと被害状況の把握や応急対応等に努めるとともに、2月15日からは「り災証明書」の申請受付を開始するなど、迅速に対応しているところであります。

また、2月15日には発達する低気圧と強い冬型の気圧配置により大雨警報や洪水警報、土砂災害警戒情報等が発表されたことから、市内14か所に避難所を開設するなど、市民の皆様の安全確保に努めたところであり、幸い、現時点において、市民生活や地域経済に大きな影響を及ぼす被害は確認されておりませんが、地震発生から1週間程度は最大震度6強程度の地震に注意が必要とされていることから、引き続き警戒を怠ることなく災害対応に当たるとともに、市民の皆様の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。

次に、新型コロナウイルス感染症に係る本市の対応状況について申し上げます。

新型コロナウイルス感染症が、昨年12月頃から全国的に急激に拡大したことを踏まえ、国においては、1月13日までに11都府県に対し、2月7日までを期間とする緊急事態宣言を発出し、2月2日には、栃木県を除く10都府県について、その期間を3月7日まで延長したところであります。

福島県内においても、昨年12月頃から、医療福祉施設等におけるクラスターの発生などに伴い、新規感染者が急増し病床がひっ迫するなど、地域医療への影響が生じる極めて厳しい状況にあったことから、福島県は、2月7日までを「新型コロナウイルス緊急対策期間」として、不要不急の外出自粛や酒類を提供する飲食店等の営業時間の短縮など、独自の対策を県民に要請し、その後においても病床占有率が高い水準にあることなどから、本対策を1週間延長の上、2月14日に終了したところであります。

このような中、本市におきましては、昨年12月に市内でも感染拡大傾向にあったことや、年末年始に人との接触機会が増えることなどを見据え、昨年12月28日から1月11日までを「感染防止集中対策一斉行動」の期間として、市民の皆様に対し、新型コロナウイルス感染症への「最大限の警戒」と「感染防止対策の再徹底」を国・県に先駆けてお願いするとともに、市内経済7団体を直接訪問し、事業者の皆様へ御協力を要請したほか、県の緊急対策等を踏まえ、一斉行動の期間を2月14日まで延長して対策を講じたところであります。

また、クラスター発生による感染拡大を防止するため、高齢者等の福祉施設や接待を伴う飲食店などの従事者で無症状の方を対象とした専用の検査相談ダイヤルを1月4日から開設するとともに、院内感染により休業した医療機関がいち早く通常診療に戻れるよう、医療機関に対する補助制度を創設したほか、ワクチン接種や更なる感染拡大に全庁挙げて備えるため、「新型コロナウイルス感染症対策強化チーム」を新たに設置いたしました。

特に、ワクチン接種につきましては、実施体制を早急に整備するため、専決処分により当該経費に係る補正予算の措置を講じたところであり、市民の皆様のワクチン接種に関する理解が進むよう、きめ細かな情報発信に努めながら、国の方針等を踏まえ、4月以降に予定される高齢者等へのワクチン接種を円滑に実施するため、医師会をはじめ関係機関の皆様と連携を図りながら準備を進めてまいります。

市内の感染状況につきましては、年末年始に新規感染者が急増し、1月は、市外居住者を含め過去最多となる151人の新規感染者が確認されましたが、1月中旬以降は減少傾向に転じ落ち着きがみられるものの、依然として予断を許さない厳しい状況にあるものと認識しております。

この状況の中、医療の最前線で御対応いただいている医療従事者等の皆様をはじめ、引き続き、新しい生活様式の実践に御協力をいただいている市民の皆様、事業者の皆様に心から感謝申し上げます。

また、感染された方には心から御見舞い申し上げますとともに、1日も早い御回復をお祈り申し上げます。

今後におきましても、感染拡大を抑え込むためには、市民の皆様一人ひとりが「感染しない」「感染させない」という強い危機感を持って感染防止対策に万全を期すことが何より重要であります。

地域医療の崩壊を防ぎ、市民の皆様の命と健康、生活の安全・安心を確保することを第一に、新型コロナウイルスに負けない社会経済活動の進展に向け、関係団体等との連携を図りながら、感染拡大防止対策と経済対策をしっかりと講じてまいりますので、市民の皆様、事業者の皆様のなお一層の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。

次に、県の新型コロナウイルス緊急対策に伴う本市の緊急経済対策について申し上げます。

県の緊急対策は今月14日まで実施されましたが、飲食店の時短営業や不要不急の外出自粛により影響を受けた事業者の皆様の事業継続を支援するため、市独自の緊急経済対策を講じることといたしました。

具体的には、昨年5月に実施した「店舗等維持支援金」の第2弾として、交付要件を第1弾よりさらに緩和し、対象月の売上が前年同月比で3割以上減少した場合に、店舗等を賃借する事業者の皆様には最大15万円を、また、自己所有の店舗等で営業する事業者の皆様に対しましても一律5万円の給付を行うなど、家賃等の固定経費に係る負担を最小限に抑えるため、支援制度を拡充したところであります。

本事業の実施に当たりましては、苦境にある事業者の皆様への支援を早急に行うため予備費を活用し、今月22日から、オンライン申請等により簡便かつスピーディーに申請受付を行い、速やかに給付してまいりたいと考えております。

次に、令和3年度の市政運営に当たっての基本的な考え方について申し上げます。

本市は、東日本大震災及び令和元年東日本台風という未曽有の災害を経験いたしましたが、防災・減災に努めることはもとより、災害を克服していく「レジリエンス」、いわゆる、しなやかな回復力や復元力を備えた、まちとしての総合力が今まさに求められております。

そのことは、現在のコロナ禍を乗り越えることにも通じており、ウィズコロナやアフターコロナを意識したまちづくりを、いかに進めていくかが肝要であると考えております。

そのため、新たな社会の姿である「超スマート社会」の実現に向け、IoTやAI、ロボットなどの先端技術を積極的に導入し、経済的発展と社会課題の解決を両立する「Society5.0」の取組みを推進してまいります。

また、市内ではIGCCや太陽光、バイオマス、水素エネルギーの導入が進んでいるほか、今後、多くの風力発電施設が設置される予定となっております。

更に、今般、小名浜港が国の「カーボンニュートラルポート」の形成について検討を行う港湾として、全国6地域港湾のうちの1つに選定されましたことから、国、県及び民間企業の方々と連携を図りながら、調査・研究を進めてまいります。

今後も、国が目指す「グリーン社会」の一翼を担うべく、「次世代エネルギー先進都市」として全国に向け発信してまいります。

これらの観点も踏まえながら、市総合計画を見直す中で、新たに「いわき市まちづくりの基本方針」を策定いたしました。

当方針に基づき、中・長期を見据えて、人口減少局面においても持続可能なまちをつくりあげていくことを根底に据え、施策等を重点・選別化してまいります。

併せて、財政や公共施設、定員管理・人材育成など、分野を横断する関連計画等との整合も図りながら、経営感覚を持って、既存の仕組みや取組みの整理・見直しを進めてまいります。

この方針に基づき、令和3年度において充実強化していく施策等を大きく三本の柱で申し上げます。

まず、一本目の柱は、「暮らしを守る安全・安心の充実強化」であります。

日々の暮らしから危機事象への対応まで、幅広く安全・安心を確保するものであり、次の5つの項目について取組みを進めてまいります。

1点目は、「東日本大震災への対応」であります。

生活基盤の整備は概ね完了いたしましたので、今後は津波被災地域のコミュニティの再生と原発事故への対応に注力してまいります。

具体的には、コミュニティの再生につきましては、引き続き、被災者支援の取組みに力を尽くすとともに、空き地バンクを活用した被災沿岸地域への定住促進を図ってまいります。

原発事故への対応につきましては、引き続き、「廃炉・汚染水対策の安全かつ着実な推進」と「風評払しょくへの取組みや適切な損害賠償の実施」を、国及び東京電力に対して強く求めてまいります。

また、福島イノベーション・コースト構想に位置付けられている国際教育研究拠点につきましては、本市の高等教育機関や産業・都市基盤と連携ができる枠組みとなるよう、国・県に働きかけてまいります。

2点目は、「危機事象への対応」であります。

まず、危機管理体制のさらなる充実強化を図る観点から、本年4月に「危機管理部」を新設いたします。併せて、消防力の強化を図る観点から、消防職員の定数増を図ることとし、令和4年度以降、段階的に増員していくほか、これまで医療センター駐車場として活用してきた総合保健福祉センターの隣接地に内郷消防署を移転改築すべく、地質調査等を進めてまいります。

また、防災情報等の迅速かつ的確な周知に向け、内陸部への防災行政無線の設置を検討するとともに、地域防災力の向上に向け「地区防災計画」の策定を支援するほか、災害用大型トイレカーの導入など避難所の環境整備にも取り組んでまいります。

更に、道路の冠水被害対策といたしまして、側溝断面の拡大や排水桝の改修等による道路の排水機能の向上に、来年度からの5年間で集中的に取り組んでまいります。

3点目は、「地域の課題への対応」であります。

まず、医療につきましては、医療センターにおいて、コロナ禍における本市の地域医療を支える拠点病院として、引き続き、しっかりとその役割を果たしてまいります。

中山間地域の振興につきましては、地域社会の維持に向けた取組みや、地域資源の磨き上げを行うため、引き続き、集落支援員や地域おこし協力隊の配置のほか、ボランティア輸送への支援を継続いたします。併せて、住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、中山間地域の課題解決に向けた取組方針を取りまとめてまいります。

また、長年にわたり中山間地域から要望のありました光ファイバー回線につきましては、令和3年度末に整備が完了する目途が立ちました。市内すべての地域において超高速通信サービスが利用できる環境整備に向け、国の施策に即応しながら事業者に対する支援を行ってまいります。

JR小川郷駅隣接地に整備中の小川支所につきましては、令和4年度内の完成に向けて建設工事を進めるほか、川前支所につきましては、当該地域の拠点となるよう、桶売地区への移転整備に向けまして調査・検討を進めてまいります。

4点目は、「子育て支援・健康長寿への対応」であります。

まず、子育て支援につきましては、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない相談体制「いわきネウボラ」を引き続き実施いたします。

市長就任以降、この7年間で放課後児童クラブを30箇所増設いたしましたが、令和3年度においても新たに4箇所開設してまいります。

また、安全・安心な保育環境の整備に向け、新たに、総合保健福祉センターの隣接地に、御厩保育所と高坂保育所を統合した内郷地区の基幹的な役割を担う保育所の整備に着手してまいります。

健康長寿への取組みにつきましては、健康長寿社会を目指すためのビジョンである「市健康長寿百年構想」のもと、ウィズコロナにおけるICTを活用した新たなモデル事業として、リモート運動教室の開催や、昨年11月にオープンした健康づくりサポートセンターによる、公民館等を活用した訪問型の健康教室の開催等を実施してまいります。

5点目は、「全国に向けての魅力発信」であります。

まず、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関連して、大会組織委員会やふくしま実行委員会と協力して聖火リレーを盛り上げ、また、サモア独立国のホストタウンとしての役割をしっかりと果してまいります。

5月には、全国の港湾関係者約1,000人が参加する日本港湾協会の定時総会が本市で開催されることから、多くの皆様に、震災前にも増して復興した小名浜港をPRしてまいります。

また、本市を舞台に、フラガールだった姉の後を追い、同じ世界に飛び込んだ主人公と仲間たちの物語として、アニメ映画「フラ・フラダンス」が初夏に全国公開される予定です。市といたしましても、「アニメ映画『フラ・フラダンス』を応援する会」など関係団体と連携し、映画を通して本市の魅力発信に努めてまいります。

更に、6月には、昨年中止となりました第38回全日本級別サーフィン選手権大会が四倉海岸で開催されます。8月には、第64回オールスター競輪を開催しますが、オールスター競輪史上初となるナイター6日制での開催となるものであります。

これらの行事等を通して、万全の感染症対策を講じたうえで、本市の復興の姿を積極的に発信し、東日本大震災や令和元年東日本台風等の災害の際にいただきました数多くの温かい御支援に、感謝の気持ちを伝えてまいります。

次に、二本目の柱は、「ひと・まち・しごとの充実強化」であります。

技術の進展や価値観の多様化を的確に捉えながら、情報通信技術の積極的な活用をはじめ、本市の活力につながるような攻めの取組みを実施していく必要があります。人口減少の影響を最小限にとどめるため、本市の優位性を高めながら、将来にわたってまちの活力を維持していく取組みを、「ひとづくり」「まちづくり」「しごとづくり」の3つの観点から進めてまいります。

まず、「ひとづくり」といたしまして、本市独自の取組みである「生徒会サミット」や「いわき志塾」など、地域を支える人財の育成にしっかりと取り組んでまいります。

また、国の「GIGAスクール構想」の実現に向けた、児童・生徒1人につき1台のタブレット端末の整備につきましては、新学期から運用を開始するほか、三和地区で整備を進めてきた小・中学校校舎の新築工事が竣工を迎え、新学期からは新たな環境で学校生活を送っていただけることとなりました。

更に、本市の未来を担う若者の定着を図るため、引き続き、奨学金返還のための支援を行うとともに、本市出身の学生への支援を兼ねた地場産品のプロモーションや、新規高校卒業者へのフラWAONカードの配付を行ってまいります。

加えて、多くの事業所で外国人材への期待が高まる中、多文化共生社会の実現に向けた課題解決に取り組むとともに、市内大学等に通う外国人留学生の市内事業所への就職を後押しするなど、外国人にとっても働きやすく暮らしやすい環境整備に取り組んでまいります。

次に、「まちづくり」といたしまして、国におけるデジタル庁の設置を見据え、「Society5.0」の実現に向けた推進体制の強化を図るため、本年4月に「スマート社会推進課」を新設いたします。いわきニュータウンの応急仮設住宅跡地等を活用したモデル事業を実施し、将来を見据えたスマートシティの方向性を官民共同で創り上げてまいります。

また、コロナ禍で注目が集まる地方への移住意欲をしっかりと受け止め、商工会議所やIWAKIふるさと誘致センター等の関係機関と連携した取組みを推進してまいります。

いわき駅周辺において、再開発組合が進めている「いわき駅並木通り地区市街地再開発事業」につきましては、令和4年度末の完成に向け、マンション棟及び商業・業務棟の建設工事の着工を予定しているほか、北口エリアにおいては、JR東日本により病院を核とした開発計画が進捗しております。

市街地再生の取組みといたしましては、常磐地区における市営住宅跡地の利活用や都市基盤の形成に向けた調査を実施するなど、市街地の再生整備を進めてまいります。

四ツ倉駅西側と東側のアクセス向上を図るために進めている四ツ倉駅跨線人道橋整備事業につきましては、JR東日本と調整しながら、跨線人道橋の整備に併せ、新駅舎や駅西側の交通広場の整備を進め、令和3年度末の完成に向け、引き続き工事を進めてまいります。

復興サイクリングロード「いわき七浜海道」は、来月、全長約53kmが供用開始となります。市民の皆様の健康増進はもとより、多くのサイクリストが訪れることが期待されますことから、休憩場所やトイレ、飲料水の提供等を行う協力店を拡充し、沿岸地域の活性化につなげてまいります。

次に、「しごとづくり」といたしまして、全国的には、首都圏への本社転出が依然として進む中、本市への首都圏からの本社機能の移転件数は東北一の実績を誇っており、引き続き、様々な機会を捉え、私自らが先頭に立って幅広くPRを行いながら企業誘致に取り組んでまいります。また、市内事業者の事業継続を後押しするため、地域の金融機関と連携したクラウドファンディングの仕組みにより、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも前向きな取組みを進める市内事業者を積極的に支援してまいります。

更に、将来を見据えた次世代エネルギー社会を構築するため、バッテリー産業を核とした地域の活性化や、持続可能な社会の実現を目指す「いわきバッテリーバレー構想」を、官民連携のもと推進してまいります。

加えて、水素利活用を促進するため、次世代自動車の導入を支援するほか、東京大学先端科学技術研究センターと連携し、風力関連産業を推進するための人材育成の取組みなどを実施することにより、新たな産業や雇用の創出につなげてまいります。

原発事故による風評で厳しい状況が続く第1次産業におきましては、担い手の確保・育成が急務となっております。まず、農業につきましては、市や県、JA等を構成員とする「いわき地域農業再生協議会」により、農業後継者の確保に向けた総合的な就農支援体制の強化を図るため、「いわき地域就農支援センター」を新たに設置いたします。また、水産業につきましては、漁業協同組合等と連携して、漁業体験や加工体験を通し知識や技術を学びながら、地域ブランド「常磐もの」を発信していく取組み「おためし漁業体験プログラム」を新たに実施いたします。

次に、三本目の柱は、「共創力の充実強化」であります。

市民の皆様と行政との一体感・共創力を高めるため、「以和貴まちづくり基本条例」に掲げる「市民参画」「情報の共有」「連携」の3つの基本原則に基づき、共創のまちづくりを進めてまいります。

まず、「市民参画」を促進する観点から、自治組織やNPO法人、各種市民団体、企業、学校等、あらゆるまちづくりの主体との連携を深めてまいります。これまで実施してまいりました「まち・未来創造支援事業」や「明日をひらく人づくり事業」による支援を継続し、人口減少下にあっても活動人口を増加させることにより、まちの活力を維持してまいります。

次に、「情報の共有」を図る観点からは、これまで、ソーシャルネットワーキングサービスであるフェイスブックやツイッター等を活用した情報発信を行ってまいりましたが、更なる充実・強化を図る観点から、LINEの公式アカウントにおける機能の拡充を図ってまいります。また、先月より開始した公民館活動のインターネット配信の充実を図るほか、市内の文化財や文化関連施設の収蔵品を一元的に紹介するデジタルミュージアムの整備に向けた調査にも、新たに取り組むことといたします。

次に、「連携」を強める観点からは、地域コミュニティの再生に力を入れてまいります。人口減少により地域コミュニティが希薄となる中、地域の特性を生かしたまちを地域自らが創りあげることができるよう、域内分権を進めていくことが重要であることから、まちづくりの拠点となる支所や公民館の機能の充実強化に向けた検討を進めてまいります。

以上、令和3年度の市政運営についての基本的な考え方を申し上げました。

震災から10年。これまで一歩一歩、着実に復興への歩みを進めてまいりましたが、その途上で自然災害や新型コロナウイルス感染症という危機に再び直面しております。

本市はこれまでも、こうした幾多の困難を乗り越えて今日に至りました。

決してあきらめることなく、その都度、力強く、しなやかに立ち上がってきた多くの先人の叡智と努力に学び、いま目の前にある危機を克服していかなければなりません。

人口減少が進み、厳しい資源制約下にあっても、多様な主体が力を合わせ、新たな技術や価値観を戦略的に取り入れることにより、「住んで良かった、住み続けたい」と思える故郷の「いわき新時代」をしっかりと築いてまいりたいと考えておりますので、引き続き、議員各位をはじめ、市民の皆様の今後ともの御支援・御協力をお願い申し上げます。

次に、新年度予算案の概要について説明申し上げます。

まず、本市の予算編成に大きな影響を及ぼす国・県の予算につきまして、そのあらましを申し上げます。

令和3年度の国の予算は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に万全を期しつつ、デジタル社会やグリーン社会、活力ある地方、更には、少子化対策をはじめとする全世代型社会保障制度などの、中長期的な課題にも対応するとの観点に立ち編成されており、一般会計の規模は前年度と比べ3.8%の増となっております。

また、「第2期復興・創生期間」の初年度として、被災者支援などきめ細かい取組みを着実に進めるとともに、原子力災害被災地域では、帰還・移住等の促進や生活再建など、本格的な復興・再生に向けた取組みを進めることとしております。

他方、県の予算は、コロナ禍を踏まえた新しい生活様式や社会変容に適切に対応しながら、様々な「創る」取組みを通じて、復興と福島ならではの地方創生を加速させるための予算として編成されており、復興関連事業の進捗などにより、一般会計の規模は前年度と比べ12.7%の減となっております。

このような国・県の予算編成の動向を踏まえながら、新年度の本市の財政見通しを申し上げますと、まず歳入面でありますが、市税につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により市民税が減収となることなどから、全体では、前年度と比べ4.4%の減と見込んでおります。

地方交付税につきましては、復興事業の進捗などにより震災復興特別交付税が減となるほか、普通交付税につきましても、臨時財政対策債への振替額の増加により減額となる見込みであることから、前年度と比べ15.4%の減と見込んでおります。

また、国県支出金につきましては、施設型・地域型保育給付の対象となる認定こども園等の増加に伴い、当該施設に係る国県支出金は増となるものの、ため池等放射性物質対策事業の終了に伴う国庫支出金の減や、除去土壌等管理・搬出推進事業の進捗による県支出金の減などにより、前年度と比べ6.8%の減と見込んでおります。

更に、市債につきましては、小中学校空調設備設置事業の完了により減となるものの、市税等の減に伴う財源不足により臨時財政対策債が増となる見込みであることから、前年度と比べ8.8%の増と見込んでおります。

このほか、自主財源の確保はもとより、可能な限り財源の確保に努めても、なお大幅な財源不足が生じることから、財政調整基金の取崩しにより所要の財源を確保したところであります。

次に、歳出面でありますが、令和3年度は、新型コロナウイルス感染症に適切に対応したうえで、新たに策定した「市まちづくりの基本方針」のもと、財政規律を守りながら「誰もが『住んでよかった、住み続けたい』と思える魅力にあふれた『いわき』」の実現に向けた新たなまちづくりの推進、及び、第2期復興・創生期間における取組みと、防災・減災・克災を着実に推進することを基本として予算を編成いたしました。

具体的には、新型コロナウイルス感染症対策として、感染拡大防止や市民生活、地域経済への影響を最小限にする取組みや、「新しい生活様式」の定着に向けた取組みに必要な経費を措置するほか、「まちづくりの経営指針」に掲げる3つの重点的テーマ、更には、東日本大震災や令和元年東日本台風等の災害を克服する力強いまちづくりや、公共施設の老朽化対策等にも取り組むこととし、これらに要する経費に優先的・重点的に予算を配分したところであります。

その結果、令和3年度一般会計当初予算の総額は、1,400億6,268万9千円で、前年度と比べ6%の減となるものであります。

また、特別会計の総額は、965億3,290万9千円で、競輪事業における特別競輪の開催に伴う経費の増などにより、前年度と比べ7.3%の増となり、企業会計の総額は、621億2,204万2千円で、病院事業における新病院建設事業の完了に伴う経費の減などにより、前年度と比べ2.9%の減となるものであります。

次に、今回提案いたしました議案について説明申し上げます。

議案件数は、条例の制定案が3件、廃止案が3件、改正案が16件、予算案が31件、その他の議案が9件の計62件であります。私からは、今回提案いたしております議案のうち、条例の制定案3件について申し上げます。

初めに、「議案第1号 いわき市債権管理条例の制定について」申し上げます。

本市では、これまで、自主財源や市民負担の公平性を確保し、効率的・効果的な徴収体制を構築するため、平成28年度に債権管理に関する組織を新設し、全庁的な徴収推進体制を整備するとともに、重複滞納者に対する徴収代行や担当職員の実務能力向上などに、鋭意取り組んできたところであります。

しかしながら、債権の種類ごとに根拠法令や法律上の取扱いが異なるため、債権管理者として実施すべき事務の処理基準が明確ではなく、また、私法上の債権につきましては、生活困窮や破産等により実質的に徴収の見込みがない場合においても、継続的な管理が求められる制度的な課題もあり、これらの債権額が年々累積していくことが懸念されるところであります。

これらを踏まえ、督促・強制執行等に係る手続きのほか、債権放棄など、債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより、債権管理の一層の適正化・効率化を図り、もって公正かつ健全な行財政運営に資することを目的として本条例を制定するものであります。

次に、「議案第2号 いわき市医療センター施設整備応援基金条例の制定について」申し上げます。

市医療センターは、高性能の放射線治療装置やSPECT/CT等の最新の検査機器を導入するなど、診療機能の充実・強化を図り、平成30年12月に開院しましたが、来月には、路線バスの乗り入れルートや駐車場等の整備も完了しグランドオープンを迎えます。

高度急性期医療を担う地域の中核病院として、将来にわたり良質な医療を提供していくためには、医療需要等を的確に捉えながら、日進月歩の医療技術に対応し、施設の整備や新たな医療機器の導入等を行っていく必要がありますことから、今後、当センターの施設や設備の整備を市民の皆様などとともに推進し、安全で安心な医療の充実を図ることを目的として、基金を設置するため、本条例を制定するものであります。

次に、「議案第3号 いわき市豊かな森づくり・木づかい条例の制定について」申し上げます。

本市の林業及び木材産業を取り巻く環境は、木材価格の低迷や林業従事者の減少など、依然として厳しい状況に置かれており、国土保全や水源の涵養といった森林の有する多面的機能の低下が懸念されるところであります。

こうした状況を踏まえ、市産木材等の利用の促進に関し、基本理念を定め、市の責務や森林所有者等の役割などを明らかにするとともに、利用促進に係る基本的な施策を定め、林業及び木材産業の持続的かつ健全な発展による本市経済の活性化、並びに、森林の有する多面的機能の持続的な発揮に寄与することを目的として本条例を制定するものであります。

続きまして、市政を取り巻く諸問題について申し上げます。

初めに、第12回いわきサンシャインマラソンについて申し上げます。

本大会につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、ランナーや大会運営に携わる全ての皆様の安全・安心を確保することが困難であると判断し、中止とさせていただきました。

3大会連続での中止となり、まさに断腸の思いでの決断ではありましたが、次回大会へつなげるため、代替イベントとしてスマートフォンアプリを活用した「オンラインマラソン」を実施したところであります。

全国から2,003名のエントリーがあり、そのうち1,700名が実施期間中に目標の42.195kmを走破されましたが、参加者からは、「オンラインマラソンの開催がモチベーションアップになり、充実した時間を過ごすことができた。」、「コロナ収束後には、是非いわきを訪れたい。」との御意見も寄せられるなど、好評をいただいたものと受け止めております。

また、特別企画として「ARマラソン」も実施しているところであり、実際のコース上に、QRコードを読み取ることで大会当日の様子が撮影できるスポットを5か所設けているほか、市民ランナーにより結成したランニングチームにおいて、SNSなどを活用したPR活動も併せて実施しながら、いわきサンシャインマラソンの魅力発信と若年層のマラソン人口拡大に取り組んでいるところであります。

次回大会につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染状況等を見極めながら安全・安心に開催できる環境を整えつつ、中止となった3大会分の思いも込め、これまで以上に魅力ある大会となるよう準備を進めてまいりたいと考えておりますので、引き続き、御支援・御協力をお願い申し上げます。

次に、(仮称)磐城平城・城跡公園の整備について申し上げます。

当該事業につきましては、「いわき市中心市街地活性化基本計画」における主要事業の一つとして、令和元年10月に基本計画を策定し、令和3年度の完成に向け今年度から施設整備に着手する予定としておりましたが、整備に先立ち実施した埋蔵文化財の発掘調査において、幕末における磐城平城の本丸御殿の遺構が良好な状態で出土いたしました。

当該遺構につきましては、磐城平藩の政治の中心であった本丸御殿の姿を知る上で大変重要なものであると考えられることから、各専門家の御意見も踏まえ、磐城平城を本市の「たから」として適切に保存し将来に引き継いでいくため、公園整備計画の見直しを図るとともに、市史跡指定に向けた具体的検討に着手しながら、県や国の史跡指定も視野に入れた諸条件の整理を進めてまいりたいと考えております。

私からは以上でありますが、その他の議案、並びに予算案の詳細につきましては、お手元に配付の資料をもって説明に代えさせていただきます。

いずれも市政執行上重要な議案を提出いたしておりますので、何とぞ慎重御審議の上、速やかなる御議決を賜りますようお願い申し上げ、提案理由の趣旨説明といたします。

お問い合わせ

総務部 総務課
電話番号:0246-22-7401
ファクス番号:0246-22-3662