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サーリネンとフィンランドの美しい建築

登録日:2021年12月8日


ポホヨラ保険会社ビルディング 中央らせん階段
Photo © Museum of Finnish Architecture / Karina Kurz, 2008

エリエル・サーリネン(1873-1950)は、フィンランドのモダニズムの原点を築いた建築家・デザイナー・都市計画家です。ヘルシンキ工科大学の同級生ゲセリウス、リンドグレンとともに共同建築設計事務所を設立すると、若くして1900年パリ万国博覧会フィンランド館の建築を担当し、国内外に名を轟かせます。折しも国家の独立を求めるフィンランドでは、民族性と独自の文化的価値の再発見を目指す総合的な文化運動「ナショナル・ロマンティシズム」が台頭していました。彼らの花崗岩を用いた建築と、民族叙事詩『カレワラ』に由来する装飾モチーフは、フィンランドを象徴する様式として支持されました。

彼らのキャリアを通じて重要な役割を担ったのが住宅建築でした。家具やテキスタイル、色彩豊かな室内透視図からは、内装を含めた総合芸術として住宅をデザインしていたことが窺われます。自分たちの事務所兼共同生活の場として郊外の湖畔に建設したヴィトレスクは、その最たる例といえるでしょう。

やがて駅や都市のデザインへと活動を広げる中で、サーリネンは同僚たちと袂を分かち、独自のモダニズムを追求し始めます。そして1922年にシカゴ・トリビューン本社ビルの設計競技で二等を獲得すると、翌年アメリカに移住し、自ら設計したクランブルック美術アカデミーで教鞭をとるほか、同じく建築家となった息子のエーロ・サーリネンと建築事務所を設立し、ともに設計に励みました。

本展では、サーリネンのフィンランド時代に焦点を合わせ、図面、スケッチ、家具のデザインを通してその功績をたどります。椅子から建築、都市計画に至るまで、常に人々の生活に寄り添ったデザインを希求したサーリネンの仕事は、生活様式の急変を余儀なくされた私たちに、今も変わらない価値を提示してくれるでしょう。

会期  

2021年11月6日(土)~12月19日(日)

開館時間

9:30~17:00(入場は16:30まで)

休館日

月曜日

会場

いわき市立美術館

主催

いわき市立美術館

後援

フィンランド大使館、フィンランドセンター、一般社団法人日本フィンランド協会、一般社団法人日本建築学会、公益社団法人日本建築家協会

協力

日本航空、ヤマト運輸株式会社、ノルジャパン株式会社/株式会社インターオフィス

企画協力

株式会社キュレイターズ

観覧料

一般800円(640円)、高・高専・大生400円(320円)、小・中生200円(160円)
※( )内は、20名以上の団体割引料金

会期中の催し

いわきアリオス×いわき市立美術館連携事業
映画『コロンバス』上映会+トークセッション(終了しました)

作品情報

監督・脚本・編集:コゴナダ。制作:2017年。103分。
出演:ジョン・チョー、ヘイリー・ルー・リチャードソンほか。

美しいこの街で二人は出逢い、そしてまた歩き出す…
モダニズム建築への恋文とも言うべき映像美、小津安二郎監督にオマージュを捧げたコゴナダ監督作品

映画『コロンバス』オフィシャルサイト

日時:11月13日(土)13:30〜16:30
会場:いわきアリオス本館4階小劇場
トーク:五十嵐太郎(東北大学教授/建築史・建築批評家)
    豊田善幸(NPO法人 中之作プロジェクト/一級建築士)
    当館学芸員
料金:1,000円(25歳以下500円)(全席自由)
チケット購入方法:9月11日(土)からアリオスチケットセンター(電話0246-22-5800、火曜定休)より発売。
https://iwaki-alios.jp/cd/app/?C=event&H=default&D=02927

コンサート「フィンランドの風~伝統楽器カンテレの調べ~」(終了しました)

民族叙事詩『カレワラ』にも登場する伝統的撥弦楽器カンテレ。フィンランドの伝統曲を中心に、中型カンテレ(19弦、16弦、11弦)、小型カンテレ(5弦)のソロ、アンサンブルなどをお聴かせします。

日時 11月23日(火・祝)11:00〜12:00、14:00〜15:00の2公演
会場 美術館1階常設展示室
出演 桑島実穂(カンテレ)、町永潮音(カンテレ)、関根優紀子(カンテレ)
参加費 無料
定員 各回50名(事前申込制、先着順)
申込方法 10月5日(火)より、電話(0246-25-1111)・Fax(0246-25-1115)にて受付

出演者プロフィール


桑島実穂(くわじまみほ)
フェリス女学院大学声楽科卒業後フィンランドに留学。シベリウス音楽院、ヘルシンキ大学で学ぶ。カンテレ奏者、指導者。<日本カンテレ友の会>理事、事務局長をつとめる。演奏家として様々なジャンルとコラボし、また作曲家としてもカンテレ曲を多数発表。特に日本の歌をアレンジした曲は海外で高く評価されている。また音楽療法士として長年実践と研究を行っており、音楽療法楽器としてカンテレを取り入れ、日本で<カンテレセラピー>として活動の場を広げている。


町永潮音(まちながしおね)
フィンランドへの興味からカンテレを始める。フィンランドで開催された第2回国際カンテレコンクール・アンサンブルに出場し、審査員特別賞受賞。コンサートやライブ公演、フィンランドイベントに度々出演している。桑島実穂門下、カンテレアンサンブル・プオルッカ、カンテレトリオilmalaivaメンバー。


関根優紀子(せきねゆきこ)

高校時代にフィンランドへ留学。フィンランド語通訳、全国通訳案内士。『フィンランド語で東京案内』著者。桑島実穂門下、カンテレアンサンブル・プオルッカメンバー。

講演会「建築家が夢見た理想郷 サーリネンからモリス、アアルトまで」

日時 12月11日(土)14:00〜15:30
会場 美術館3階セミナー室
講師 和田菜穂子(建築史家・博士(学術)/一般社団法人 東京建築アクセスポイント代表理事)
参加費 無料
定員 30名(事前申込制、先着順)
申込方法 10月5日(火)より、電話(0246-25-1111)・Fax(0246-25-1115)にて受付

※お申し込みが定員に達しました。これからお申し込みの方はキャンセル待ちとなります。

講師プロフィール

和田菜穂子
建築史家・博士(学術)/東京建築アクセスポイント代表理事。
新潟生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。神奈川県立近代美術館、コペンハーゲン大学、東北芸術工科大学、東京藝術大学等で勤務。 北欧近代建築史が専門。2018年~2019年『アルヴァ・アアルト もうひとつの自然』国際巡回展コーディネート、図録監修(国書刊行会)など。そのほか『アルネ・ヤコブセン』(学芸出版社、2010年)、『北欧モダンハウス』(学芸出版社、2012年)、『 北欧建築紀行』(山川出版社、2013年)など北欧建築に関する著書あり。

スライドトーク「展覧会の見どころ」(終了しました)

日時 11月27日(土)14:00〜15:00
会場 美術館3階セミナー室
講師 当館学芸員
参加費 無料
定員 30名(事前申込不要。先着順。当日会場にお越しください。)

 

「サーリネンとフィンランドの美しい建築」チラシデータ

サーリネン展チラシ表(2MB)(PDF文書)

イベント概要

開催期間

開催しない日:

このページに関するお問い合わせ先

観光文化スポーツ部 美術館

電話番号: 0246-25-1111 ファクス: 0246-25-1115

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