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『湯本駅周辺2』(平成27年5月27日市公式Facebook投稿)

登録日:2015年5月27日

【いわきの『今むがし』 Vol.23】

【初代の湯本駅舎〔大正12年(1923年) 郵便絵はがき 沼知写真館〕】

大正12年頃の湯本駅舎

 湯本駅および日本鉄道磐城線(現常磐線)は、石炭輸送を目的に設けられたものでしたが、湯量豊富で、かつ沿線唯一の温泉地を持つ駅としても名をはせました。なにしろ、全国でいくつもの湯本温泉がありましたが、ズバリ「湯本」と名づけた駅は、ほかにはありませんでした。
 もちろん、湯本駅最初の駅舎は明治30年(1897年)2月の開通時に建設されたものでした。
 駅の様子を写真で見ると、長い家屋に駅出入口がポツンと口を開けているような感じがします。
 最初の写真は大正時代後期のもの。列車が到着した直後の様子で、お客が下りてきます。駅前には登場したばかりの乗合バスや荷車が見えます。判然としませんが、人力車も見えます。
 

【新しい湯本駅舎〔平成27年(2015年)4月 いわき市撮影〕】

平成27年4月の湯本駅舎

 このうち、乗合バスは当時としては最先端の乗り物。アメリカから輸入した自動車を改造したもので、乗客はわずか数人しか乗れませんでしたが、そのスピードはそれまでの人力車とはくらべものにならないほど速い乗り物でした。
 昭和時代に入ると、駅舎の老朽化に伴う改築の計画が進みます。
 昭和10年(1935)には、綴(現内郷)駅とともに改築が内定。当時の駅舎をみると、主要駅以外はほとんど平屋建てでしたが、将来の温泉郷の復活(当時は、石炭掘削によって湯脈が絶たれており、坑内温泉水を各旅館などは使用)を期して二階建てとしました。
 

【湯本駅舎、駅前歓迎塔を駅前通りから見る(昭和40年12月、いわき市所蔵)】

昭和40年12月の湯本駅舎

  こうして、二代目の駅舎は昭和11年(1936)4月に完成しました。当時の新聞は「ガラスの家を思わせるモダンな二階建てと成ってまったく面目を一新、湯の街の玄関として恥ずかしからぬ威容を整えた」と新しい駅の完成を祝っています。 昭和10年代になると、戦争遂行のために石炭増産は国家プロジェクトになっていきます。湯本駅には石炭を満載した貨車が数珠つなぎとなり、主として関東地方に送られていきました。
 その傾向は、昭和20年(1945年)8月に終戦を迎えた日本では、戦後復興をめざすための熱エネルギーとして石炭増産が進められていきます。炭鉱は隆盛を極め、その一方で国と炭鉱の支援で昭和17年(1942年)に復活した温泉源は、戦後世情が安定していくと、温泉はレジャーの一種として人気を呼ぶようになります。
 昭和28年(1953年)11月に急行列車が初めて湯本駅に停車して以来、徐々に停車本数が増加していきました。
 

 

【湯本駅舎、同駅前、同駅前通りを建物高みから見る(昭和40年12月、いわき市所蔵)】

昭和40年12月の湯本駅舎 関係者も温泉の魅力を内外にアピールしていきます。昭和35年(1960年)には臨時列車を仕立てた団体客500人が初めて湯本温泉を訪れます。このような状況のなかでさらに乗降客の増加を図るため、昭和36年(1961年)には国鉄に働きかけて駅ホームに「温泉手洗所」を設置するとともに、優等列車の停車増を要望していきます。もちろん、観光・旅館関係者のお客獲得運動と連動した活動でした。
 加えて、貨客の増加に備えた駅舎づくりや駅構内の充実も要望していきます。昭和41年(1966年)1月に開業した常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)の開業は駅舎改築の大きな弾みになりました。こうして昭和42年(1967年)3月、湯本駅舎は鉄筋コンクリート二階建てに各種機能を備えた施設として完成しました。
 その後、温泉の魅力を備えた駅の充実や環境に配慮した駅をめざした改築が行われ、平成27年(2015年)3月、新しい駅舎が完成しました。

その他の写真

【湯本駅舎を同広場から見る(昭和40年12月、いわき市所蔵)】

昭和40年12月の湯本駅舎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【湯本駅前(昭和50年、いわき市撮影)】

昭和50年の湯本駅前

【湯本駅前(昭和55年6月、いわき市撮影)】

昭和55年6月の湯本駅前

 

 

 

 

 

 

 

 

【湯本駅前のぶらぶラリー(昭和63年6月、いわき市撮影)】

昭和63年6月の湯本駅前

【湯本駅舎建設中(平成27年1月、いわき市撮影)】

平成27年1月の湯本駅舎

このページに関するお問い合わせ先

総合政策部 広報広聴課

電話番号: 0246-22-7402 ファクス: 0246-22-7469

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