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『内郷御台境町交差点』(平成27年7月22日市公式Facebook投稿)

登録日:2015年7月22日

【いわきの『今むがし』 Vol.27】

【南側から見る御台境交差点 遠方に常磐線上り蒸気機関車の煙が見えます。〔昭和30年代初め 長谷川達雄氏撮影〕】

昭和30年代初めの内郷御台境町交差点

 江戸時代から明治時代にかけて、平市街から好間に抜ける道路としては、搔槌小路から長坂を経て八幡小路、久保町、好間に至るルートがありましたが、起伏があるうえに狭く屈曲した道路でした。
 このため、明治18(1885)年9月には、菅ノ沢の細い丘陵地を取り崩して久保町につなぐ、切り通しの新道が開削されました。この道路新設によって、平市街から好間を経て合戸、三坂などに至る道路は、平字紺屋町で国道6号(まだ、大町経由が開通していない頃)から分岐して、古鍛冶町~久保町~下好間のルートに変わりました。この開通によって通行は大きく改善され、その後県道平-小野新町線の一部として機能するようになりました。
 昭和20(1945)年8月、戦争が終結すると、日本の戦後復興のためには、自動車が登場した昭和時代初期から課題となっていた、太平洋と日本海を結ぶ道路の整備が不可欠とされ、関係者の道路整備に向けた努力が続きました。
 昭和23(1948)年には平-郡山間の道路建設期成同盟会が結成。昭和28(1953)年に二級国道平-新潟線に格上げされて、まず内郷町御台境と好間村大字下好間をつなぐ道路建設が着手されました。
 具体的には、国道6号の内郷町御台境から分岐し、下好間字大館の丘陵地を崩して下好間の元の県道に達するもので、従来に比べ約300メートル短縮されただけですが、内郷から好間以西に向かう自動車は道幅の狭い平市街を経由する必要がなく、交通緩和が期待されました。
 しかし、工事は難航しました。常磐線をまたぐ御台橋(延長46メートル)や大館の丘陵地(延長200メートル)を切り崩すという難工事が控えていたうえに、地盤が軟らかい田を埋めたことから工事中に路盤が沈下するという事態が生じたのです。このため、開通にこぎつけたのは、工事着工から5年を経た昭和33(1958)年4月のことでした。

【現在の内郷御台境交差点 〔平成27(2015)年7月 いわき市撮影〕】

平成27年7月の内郷御台境町交差点

 内郷御台境交差点の完成によって、この周辺は大きな変化を見せます。それは昭和30年代から始まったモータリゼーションと大きな関係がありました。この言葉は、自動車が日常生活のなかに深く浸透していく状況を表現したもので、この言葉を象徴するように、内郷御台境交差点周辺においては、平市街の西方、内郷市御台境町から同御厩町の国道6号沿いに自動車販売会社や自動車教習所、ガソリンスタンド、自動車修理工場などの関連会社や自動車輸送の利便性を先取りした卸売会社が相次いで進出しました。そこには、国道49号と交わるという地理的な立地条件もあったのです。
 その一方で、この交差点周辺は交通量が多く、交通事故の多発区域ともなりました。このため、自動車の速度規制や追い越し禁止などの措置が講じられたのも早い時期でした。
 交差点の一角には昭和45(1970)年5月、延命地蔵尊が建てられるほどでした。石碑には「広大無辺の慈悲を仰ぎ 以(もっ)て交通事故の絶無を期し 人類の健康と延命を祈願」と刻まれています。
 また、交差点の周辺は平市街の西端にも位置していたことから、無秩序な市街化が進んでいました。新川にも近く、水害の常襲地でもありました。内郷市はこれらの状況を解決する必要があったことから、昭和32(1957)年10月に松ケ岡公園下と常磐線、国道6号を挟んで新川左岸、国道49号に囲まれた面積8.1haを内郷市都市計画に組み入れ、昭和34(1959)年度から同38(1963)年度にかけて「新町前土地区画整理事業」として施工しました。
 市内で最も混雑するといわれた内郷御台境交差点。その混雑を緩和するため、国道49号平バイパスが昭和62(1987)年度には内郷御厩町の都市計画道路内郷駅-平線まで、さらには平成7(1995)年9月には国道6号常磐バイパスまで全通して、以前に比べ重要度は薄れましたが、交通の要所であることに変わりはありません。

その他の写真

【国道49号と国道6号の分岐交差点(昭和42年4月、いわき市撮影)】

昭和42年4月の内郷御台境町交差点

【国道6号と49号交差点付近の交通安全地蔵尊(昭和43年7月、いわき市撮影)】

昭和43年7月の内郷御台境町交差点の交通安全地蔵尊

【国道6号と49号の交差点から平市街を見る(昭和43年10月、いわき市撮影)】

昭和43年10月の内郷御台境町交差点

【国道6号と49号の交差点から好間方面を見る(昭和43年10月、いわき市撮影)】

昭和43年10月の内郷御台境町交差点

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総合政策部 広報広聴課

電話番号: 0246-22-7402 ファクス: 0246-22-7469

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