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第44回吉野せい賞/第45回吉野せい賞作品募集ポスター受賞作品が
決定!!

更新日:2021年10月12日

第44回吉野せい賞

吉野せい賞応募数及び選考委員

  • 応募総数
    36

    ジャンル別内訳 小説:25編、童話:2編、戯曲:1編、ノンフィクション:8編

  • 選考委員
    佐久間 典子、鈴木 俊之、園部 義博、福住 一義、吉田 隆治(50音順)  

 

選考結果

吉野せい賞

  タイトル  「箱崎文應伝(はこざきぶんおうでん)」 (ノンフィクション)  
  作者名   鈴木 秀ヲ (すずき ひでを)(ペンネーム)


【あらすじ】
 小名浜出身の箱崎作は、職を転々とし、酒に溺れる自堕落な生活に見切りをつけて、昭和5年、37歳のときに比叡山へと向かった。得度した後、文應と改名し、修行を続けながら42歳のときに千日回峰行を開始する。700日の回峰の後、9日間の断食、断水、不眠、不臥の「堂入り」を経て、ついに7年かけて行を成就させた。その後も複数の回峰行を成し遂げ、比叡山の歴史に名を遺す名僧となる。

【選評】
・末尾に参考文献が記載されている。これだけの文献をよく読破して簡潔にまとめている。
・今回、一番心に残った作品。
・淡々と描かれているが、逆にそこから人間の凄みが浮かび上がってくる。
・よく書けている。全体に迫力がある。

準賞

  タイトル  「餌食(えじき)」 (小説)  
  作者名   新波 クラン (あらなみ くらん) (ペンネーム)


【あらすじ】
 宗教に身を投じてきた両親の影響で、自然と読経をするようになったわたしは、いつしか周囲から孤立してしまう。信仰を受け入れてくれる恋人と出逢い、結婚に至るが、母が600万円を二人の名で宗教団体に無断で寄進してしまい、怒った夫が仏壇を粉々に破壊してしまう。縋るものがなくなり、無気力になった母だったが、ある朝、襷を巻いて読経する姿をわたしは発見し、一緒にお祈りをする。

【選評】
・新興宗教と母娘の結びつきを客観化し、夫を入れてバランスよく書いている。
・主人公の心模様がうまく描かれており、終わり方も「なるほど」と思わせるものだった。
・女性の描き方も無理がない。

奨励賞 

  タイトル  「醜女(しこめ)」 (小説)  
  作者名   一橋 清高(いちはし きよたか) (ペンネーム)

【あらすじ】

 幕末、武家の末娘として生まれた末は、その醜い容貌からか男子のように育てられた。剣術の才能を認められ、小太刀の居合術を会得する。自らの意思に反し、藩士を切り、野盗を切り、明治となって宿屋の下男として働くようになっても、宿を守るためとはいえ宿泊客を切ってしまう。その後、コレラに罹り、女の意気地を通した29年間の生涯を終える。 

【選評】
・特別のインパクトはないが、淡々とよくまとまっており、エンタティメントの時代小説として楽しく読めた。
・女性としての日々や振る舞い、心情の表現などがやや不足していた。
・プロ並みの形、広がり、深みを感じることができた。

奨励賞

  タイトル  「遥か、2メートル先に(はるか、2めーとるさきに)」 (小説) 
  作者名   西山 将弘 (にしやま まさひろ)


【あらすじ】
 いわき市のデイサービス施設で働く私は、コロナウイルス感染を恐れる妻によって子供と引き離され、結局、職場で陽性者が出たことで二人は家を出ていき、職場に辞表を提出する。また、震災後、いわきから東京へ母と共に避難し、転校先でいじめを受けた経験を持つ駒井小春は、コロナ禍で性風俗のアルバイトを始める。上野の性風俗店で心に傷を負った二人が邂逅し、いっとき体を重ね、共鳴し、涙する。

【選評】
・作品のトーンは暗く、救いがない。が、逆にそこがコロナ禍下での一面を描いているようで、妙に情景が心に残った。
・これまでにない作品。人物が交差するさまがドラマチックで面白かった。
・キレがよく、文章が際立っている。
 

奨励賞 

  タイトル  「距離感(きょりかん)」 (小説)   
  作者名   渡辺 まゆ(わたなべ まゆ)(ペンネーム)


【あらすじ】

 都心での大学卒業後、地元で就職したインドア派の私は、コロナ禍でのステイホームをむしろ享受している。高校の同級生である総太とは、住む場所が違っても連絡を取り合っていた。仕事終わりに、総太から付き合おうというメッセージが入るが、恋愛のような濃い人間関係を嫌悪する私は拒否する。それでも距離を縮めてこようとする総太に一定の距離を保ちながら、その関係性に楽しみを見出している。

【選評】
・新鮮味のある作品。テーマ、内容、文章構成、題が一致していてよかった。
・女子の心模様が感性豊かに描かれている。
・順応する者となじめない者との「距離感」がよかった。

青少年特別賞 

  タイトル  「医師として(いしとして)」 (小説)   
  作者名   宍戸 臣次(ししど しんじ)


【あらすじ】

 森で動物たちと暮らすカイルの元にコリーという少年がやって来て、ストラル町長からの手紙を渡す。町で伝染病が蔓延し、助けて欲しいとの内容だった。カイルは町に向かい、5年前に自分を裏切った助手のトムに特効薬を投与する。回復したトムは裏切りを悔い改め、カイルは医師として復職する。その後、カイルはコリーを懸命に探すが、町にそんな人間は存在せず、帰宅すると動物たちはいなくなっていた。

【選評】
・作品の背景がわかりにくいところもあるが、組み立て方は中学生らしい。今後に期待したい。
・破綻なく作品が成立している。
 

選考委員会特別賞 

  タイトル  「山吹の花(やまぶきのはな)」 (小説)   
  作者名   菅野 豫(かんの よ)


【あらすじ】

 戦時中、洋子の自宅にいとこの浩が来ることになった。浩を家族で歓待し、帰る頃には洋子は恋心を抱く。二人の文通が始まるが、ほどなく浩が出征することとなり、帰国したある負傷兵から、浩が戦地でマラリアに罹り、瀕死の状態であることを知る。洋子は結婚するが、病気から回復した浩が、戦後、その事実に衝撃を受け、自らも家庭を持つ。時を経て、癌に冒された浩が病床で洋子との再会を果たし、世を去っていく。

【選評】
・95歳という年齢で、原稿用紙で提出しており、理論立てもしっかりしている。
・最初から最後まできれいに書かれている。
・気持ちのよい作品に仕上がっている。

総評
  

・今回は吉野せい賞に35編、中学生以下の青少年特別賞に1編、計36編の応募があった。前回22編より14編多く、前々回37編とほぼ同数だった。応募数の増加に比例して、水準の高い、読みごたえのある作品がそろった。それが受賞作品の多さになってあらわれた。

・内訳は小説25編、童話2編、戯曲1編、ノンフィクション8編である。各選考委員選出による一時通過作品13編(吉野せい賞対象12編、青少年特別賞対象1編)について協議した結果、正賞(せい賞)、準賞各1編、奨励賞3編、青少年特別賞1編、選考委員会特別賞1編を選出した。

・一次通過13編のうち奨励賞受賞経験者の作品が4編あった。選考には厳しい制約がある。過去に奨励賞を受賞したことのある作者は、準賞レベル以上の作品が、準賞受賞者はその上の正賞レベルの作品が求められる。そこまで達していなければ、たとえほかの作品より優れていても賞の対象からはずされる。今回も奨励賞経験者の3編がこの規定によってはずされた。ただし、残る1編については、<選評>にあるような理由で、吉野せい賞運営委員会に授与の採否を諮る選考委員会特別賞に選ばれた。

・今年は東日本大震災と原発事故から10年の節目の年に当たる。震災や原発事故を題材にした作品はこれまでにもあった。が、10年という時間の経過のなかで、題材・構想が客観化され、熟度が上がった作品が少なくなかった。新型コロナウイルス感染問題も含めた「災害文学」とでもいうべき作品がおよそ3分の1に及んだことは特筆される。


・今回もまた前回同様、青少年特別賞は1編だけの応募にとどまった。今度もまた同じことを呼びかける。中学生諸君、奮起を!


・原稿の整理が十分ではない作品が毎回ある。具体的には文章の重複や脱落、誤字・脱字などである。自分のなかに「自分を見つめるもう一人の自分」がいるかどうか、何を言いたいのか、伝えたいのかを分かってもらうためにも、「作者の自分」のほかに「読者の自分」がいてほしい。なお、選考過程でノンフィクションと創作の境目に関する議論があったことを付記しておく。

 

作品の掲載

  受賞作品は、総合文藝誌「風舎 第16号」(令和4年3月発行予定)に掲載する。(予定)


 

第45回吉野せい賞作品募集ポスター

吉野せい賞作品募集ポスター応募数及び審査委員

 応募総数 32点

 審査員 伊藤 圭一郎、佐久間 静子 (50音順)

 

審査結果

最優秀賞 

越智 文郁 (おち あやか)   いわき市立平第一中学校3年

令和4年度の吉野せい賞作品募集の広報用ポスターとして使用します。

最優秀賞

「描こうあなただけの物語」

【講評】
 画面や文字の見やすさ、わかりやすさに優れ、ポスターとして掲載するに相応しい一枚と感じました。レタリングが縁取りされることで背景の上でも文字が読みやすく、明るい画面でありながら配色が緑、青、橙系と少ない色数でまとめられているところも見やすさに一助していると思います。画面の内容も、執筆者である中央の少女が都市や自然、果ては宇宙といった様々な舞台に思いを馳せているところでしょうか、紙とペンだけで様々な世界を旅することができる文学の面白さの一つが表現されていると思います。バランスよく背景が組み合わされたこの作品は自由に身動きが取れないこの時代において、想像の世界を膨らませ、創作意欲を刺激する一枚であると感じました。 

優秀賞 

窪田 和香 (くぼた わこ)   いわき市立中央台南中学校3年

優秀賞1


「好きをぺん先に」

【講評】
 人物を中心に据えた、あるいは大きく描いた構図が多いなか、万年筆に執筆者の像を反射させる表現は斬新に感じました。人物を大きく描かずとも少女の表情や、放課後の夕日でしょうか、少女を包む温かい色合いから文章を書いて表現する楽しさが伝わってきます。雑多な要素を詰め込まず、万年筆と原稿用紙という文学のアイコンともいえる二つを大きくクローズアップした構図も大胆で良いと思いました。

優秀賞 

佐藤 楓華 (さとう ふうか)   磐城学芸専門学校1年

優秀賞2

「描こう私の世界」

【講評】
 モノクロームとカラフルな色彩の対比が目を惹きました。少女の髪の質感や陰影のつけ方にも技量が伺えます。また立体的に描き込まれた人物と、アイコンのような風船のデザインや背景が立体性と記号的な平面性との対比を生み、ポスターという表現の醍醐味が表れていると思います。画面上部の黒地に金を散らした表現も、目を楽しませながらも画面全体を引き締める、工夫された表現だと感じました。
 

奨励賞

  • ()()平第一中学校2年    川島 あゆみ (かわしま あゆみ) 
     
  • 平第一中学校3年    田邉 保菜美 (たなべ ほなみ)
     
  • 平第二中学校2年    富岡 ゆうな (とみおか ゆうな)
     
  • 平第三中学校3年    長田 日葵 (おさだ ひまわり)
     
  • 磐城学芸専門学校    笹原 夏摘 (ささはら なつみ)
     

総評

  昨年度からコロナ禍で活動が制限されている中高生が吉野せい賞のポスターに取り組み、昨年度より応募数が多かったことに喜んでいます。今年度も文章化するイメージの世界を広げて、書く楽しみを呼びかけるポスターが多かったです。イメージを広げる時間を画面の中で、階段やトンネルを歩む姿で工夫しているものが見られました。受賞した作品は美しく、色彩豊かでレタリングも上手でした。
 ポスターは表現したい思いを形と色で表現し、キャッチフレーズの言葉は、正確で美しく、瞬時に理解できることが大切です。今年度は人物中心でなく、ペン先で思いを表現しているポスターや、今昔を越えて文章化の素晴らしさを呼びかける内容のポスターが見られました。新しい分野からの表現の広がりがある作品が次年度にも出てくることを期待しています。

ポスター展

巡回展示日程(全作品を展示します)

  1. 令和3年11月6日~令和3年11月25日 いわき市立草野心平記念文学館 

  2. 令和3年12月6日~令和4年1月6日 いわき市立いわき総合図書館

  3. 令和4年1月22日~令和4年2月20日 いわき・ら・ら・ミュウ 2階市民ギャラリー 

 

お問い合わせ

文化スポーツ室 文化振興課
電話番号:0246-22-7544
ファクス番号:0246-22-7552

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