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令和6年8月30日 教育長だより Vol.37 『「義務教育学校」を知っていますか?』

更新日:2024年8月30日

皆さんこんにちは。暑い日が続いていますが、体調を崩していませんか?

今回は、とても「熱い」会議をご紹介します。

 

本市では毎年2回ほど市長と教育委員(教育長である私も)が一堂に会し、教育に関する重要事項を協議する総合教育会議を開催しています。

今年度の第1回総合教育会議のテーマは「義務教育学校」についてです。

 

市長を座長に協議を進めていきます

 

タイトルにもしましたが、「義務教育学校」がどんな学校なのか説明します。

 

一言でいうと、小学校と中学校が一つになった学校です。

通常の小学校と中学校は、それぞれ6年間と3年間の教育課程ですが、義務教育学校では9年間の一貫した教育課程で編成されます。

これにより、体系的で継続的な教育を行えるのが大きな特徴です。

例えば、中学1年生の学年は「7年生」という言い方になります。

 

この義務教育学校は、学校教育法の改正により平成28年度から制度化された新しいスタイルの学校です。

現在、全国で200校以上が開校し、福島県内でも今年の4月までに9校が開校しています。

(本市では、義務教育学校はまだ設置されていません)

 

さて、総合教育会議に話を戻しますが、今回はゲストスピーカーとして宮城県大崎市立古川西小中学校の猪股校長と菊田教頭をお招きしました。

大崎市立古川西小中学校は、4つの小学校と1つの中学校を統合し、令和5年4月に開校した大崎市初の義務教育学校です。

 

会議の資料や議事録は、市の公式HPに掲載され、詳細はそちらでご確認いただけますので、私からは、猪股校長と菊田教頭のお話やディスカッションから印象的だったものをご紹介したいと思います。

 

まず、お二人ともお話が上手で、つい引き込まれてしまいました。

良い意味で先生らしからぬプレゼンのうまさで学校の特徴をわかりやすく説明していただき、私も大いに勉強させていただきました。

 

猪股校長は、教員の働き方改革などでも新たな取組みを進めており、「やるだけの勇気があるかどうかということ。良いことであれば5年後10年後にそのシステムが残る。今は、色々なことに挑戦してみることが必要。」と仰っていました。

 

前例がないことには、やはり躊躇してしまうところがありますが、児童生徒のチャレンジを応援する私たち大人が、率先してチャレンジする姿勢を示さなければならないと感じました。

 

猪股校長

 

菊田教頭は、義務教育学校の開校前後から教頭として現場に携わっており、「一つの学校の終わりと始まりに立ち会えたことは、自身の教員人生の中でも大変価値のあることだと感じている。」と仰っていました。

 

統合された4つの小学校は、1クラスの人数が10人程度かそれに届かないほど少なかったため、先生と近い距離で学習を進めていたそうです。

統合後は人数が増え、先生との距離が遠くなってしまうことを心配されていました。

しかし、子どもたちからは、「友達が増えて嬉しい」、「勉強も色々な意見が聞けて楽しい」という声が寄せられたそうです。

 

これまではわからないところを先生に聞いていたのが、児童・生徒同士で教え合うことが広がり、「大人に教えてもらう学習者」から、友達に聞いたり、先生に聞いたりしながら学び方を選んでいく「自立した学習者」という形が実現されてきているそうです。

 

菊田教頭

 

また、義務教育学校では、1年生(小学1年生)から9年生(中学3年生)までを通した異学年交流も行われており、上級生は下級生への思いやりを持ち、下級生は上級生への憧れを持つことで、お互いの成長の場となっているようです。

 

全国的に見ても、学校現場には、学力向上や中1ギャップの解消など、多忙な教員が向き合わなければならない課題が山積しています。

お二人のお話を聞いていると、義務教育学校がこうした課題に対して有効なシステムであるとともに、それ以上に、校長先生や教頭先生のリーダーシップ、学校の雰囲気、行動に移し試行錯誤を行う教職員の気概や姿勢が非常に重要であると感じました。

本市でも教職員とタッグを組んで、どのようなチャレンジが出来るのかを考えていきたいと思います。

 

 

また、総合教育会議の後は、会議を見学してくれた磐城桜が丘高等学校教育コースの生徒の皆さんと意見交換会をしました。

 

今回は1・2年生6人が参加してくれました

 

1人ずつ今日の感想や疑問に思ったことなどを発表してもらいました。

市長の急な無茶ぶりにもかかわらず(笑)、しっかりと自分の意見を述べてくれました。

 

「いわき市に義務教育学校があったら通いたかったな」などの声も

 

最後は皆さんで記念撮影をしました

 

 

総合教育会議は毎回テーマが変わりますので、市民の皆さんも是非一度、傍聴してみてはいかがでしょうか。

普段は見ることのできない、教育行政や政策決定に関する議論に触れることができますよ。

 

 

 ◇◆◇ 会議の資料や議事録はこちらから ◇◆◇

 

 

 

▼ 過去の記事はこちら!

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教育委員会事務局 教育政策課

電話番号: 0246-22-7541 ファクス: 0246-22-7595

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