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命を守るために!我が社の自衛消防隊!!~特別養護老人ホーム せんだん編~

登録日:2021年11月1日

 

『特別養護老人ホーム せんだん』で消防訓練を実施しました!

 「自らの職場は自らが守る」を本旨としまして、事業所等における自衛消防隊の果たすべき役割を認識してもらい、併せて災害発生時に自ら有効で適切な活動ができる自衛消防隊の育成、防火管理の強化及び市内の多くの事業所に対しての防火啓発を目的としています。

事業所の紹介

《事業所名》

特別養護老人ホーム せんだん

《所在地》

いわき市錦町江栗馬場9番地1

《代表者》

特別養護老人ホーム せんだん 施設長 山本 一弥

施設長のインタビュー

 社会福祉法人ふたば福祉会「特別養護老人ホームせんだん」は、心身の不自由な高齢者が利用している入所施設です。
福祉施設は、夜間の介護職員数に比べて入所者数が圧倒的に多いため、火災が発生すると惨事につながりやすい状況です。当施設も多数の自力避難の困難な方が入所しており、夜間に火災が発生した場合、「火災の通報、初期消火、避難誘導」を極めて少ない人数の当直介護職員で対応しなければなりません。そのような観点から、個々のスキルアップを図るため、夜間における火災想定訓練を行いました。
訓練が始まり、出火元を確認、出火元では初期消火や夜間当直への伝達の流れを体験し、出火元以外のユニットでは入居者の方々を如何に落ち着かせ、安全に避難誘導したらよいか考えながら実施しました。
訓練終了後の反省会では、参加した職員達から沢山の感想と反省点が挙げられました。如何なる状況であったとしても、入所者の命を守り安全を第一に避難誘導しなければなりません。このため、何度でも同じ訓練を体を使ってすることの重要性が明確になったものと思われます。訓練の中で得た反省点は、次回の訓練に繋げていきたいと考えております。

《ココがPOINT!》わたしたちが独自に防火防災に力を入れているところ!

 当施設では、道路を挟んで隣接した場所に職員宿舎(2階建て全12室)を整備し、災害時には宿舎職員が駆け付けられるようにしています。その招集手段として、火災通報装置と連動した火災一斉メールシステムを導入しています。このシステムにより手薄となる夜間時の防火体制をカバーしております。
 一斉メールシステムは、いわき市と同様に地震や水害が続いた大分県日田市にある高齢者施設の防災に詳しい加藤電工(消防用設備メーカー)の加藤初徳氏にノウハウを整備していただきました。
 こうした取り組みで、初動の段階で警備員・夜勤職員に宿舎職員を加え避難誘導に当たる人数を増やし、勿来消防署の救援の手が届くまで自分たちで耐えられる仕組みづくりを行っています。
 その他としては、同じ勿来地区の高齢者施設同士で有事の際に相互に応援し合う「災害時等における対応に関する協定」を令和2年2月に特別養護老人ホームせいざん荘さん、同年6月に特別養護老人ホームハートフルなこそさんと結ばせていただきました。
 今後は、錦町の要配慮者避難施設として、近隣にお住まいの高齢者やご家族を自然災害発生時に受け入れができるよう、環境面(冷暖房)・衛生面(トイレ等)・医療介護面などの受入態勢づくりを進めていきます。

今回、訓練をしてみて

自衛消防隊長のコメント受信機前

 「まず、情報共有を最優先」、「何が起きているのか把握する」、「でなければ、逃げる方向も定まらない」訓練の際にアドバイスをいただいた小野予防係長の言葉です。
入所者の安全を最優先する各ユニットを受け持つ介護職員には、その責任感から一時的にでも入所者を置いて持ち場を離れることに抵抗を感じます。しかし、実際の火災では、迅速な火元の特定と初期消火が求められます。ひとりで持ち場に留まり続けて待つのではなく、実際の火災ではこちらから出向いて情報を拾いに行かなければなりません。ユニットの入所者のもとに戻るのは、それからでも遅くはありません。
連絡・通報についても、「警備員に任せる」、「受信機のある事務室に一番近い職員に任せる」ではなく、不測の事態に備え、自分の守備範囲から出て隣に飛んできたボールを拾う野球のチームワークのような動きができるようにしたいと思います。誰かがやるだろうと人任せにすると、守備同士にらめっこでお互いの間にボールが落ちるようなエラーが起きます。職員一人一人が「自分たちの施設は自分たちで守る」意識を持ち、率先して自ら守備範囲を越えて初動対応に当たれるよう訓練のあり方を見直し、臨機応変に立ち回れる人材を育成して行きます。
最後に、勿来消防署の消防隊の皆様には、大変お世話になりました。熱が込められたご指導とご助言は、確実に職員一同に伝わりました。身近なところでいつも見守っていただきながら働けるのは、介護施設としてとても心強いです。今後とも引き続き、当施設の入所者と職員とをよろしくお願いします。

避難誘導担当のコメント避難状況

 今回の消防訓練で、外のすべり台を使用した搬送はとても勉強になった。普段から、実践していない訓練だと、緊急時の場合には実践できないため事前にやっておくことで緊急時もできると思う。すべる際の下に使用するシーツや毛布の素材でもすべりが全然違うことが分かった。今後、消防訓練以外においても実践的なことを増やしていけたらと思いました。

 

 

初期消火担当のコメント初期消火

 避難訓練、お疲れ様でした。私は宿直で夜間警備をしています。
半年ぶりの訓練、勉強になりました。頭の中ではこうすれば、ああすればと分かっていますが、いざ訓練が始まると忘れてしまうことが多かったです。
今回、初期消火を担当しましたが、消火器の使い方は多くの介護職員さんにも学んでほしいです。また、訓練はいつも夜間想定ですが、夜間は事務室に人がいないので、火災報知機や通報装置の使い方など警備員全員が対応できるようご指導お願いします。ほかに避難誘導も手伝いましたが、一階は避難するのにスムーズに出口に向かうことができましたが、二階は一人の入居者を一階まで避難させるのに余りにも時間がかかり、大変さを痛感しました。
とにかく夜間は介護職員が少なく不安がありますので、非常時のPHSでの連絡方法、階段からの避難方法についても勉強します。

~消防署からメッセージ~

勿来消防署消防隊からのコメント

 今回の総合訓練は夜間時の火災を想定していたため少ない人数での初期対応が求められましたが、役割分担が確立されており、自動火災報知設備が鳴動した後の動きに無駄がありませんでした。
指示・通報担当者が受信機を確認し、感知区域を特定、他の職員へ現場を確認するよう指示ができていました。また、自動火災報知設備と連動している119番通報装置(消防機関へ通報する火災報知設備)も活用し、消防からの応対も的確にできていました。
初期消火の担当者も、受信機を確認したことにより無駄なく出火場所を発見できていました。また、受信機を確認した際に連絡のための受話器を携帯したことで、情報伝達ができていました。
今回の訓練は、施設内の消防設備を上手く活用しスムーズな訓練ができていました。ただ、夜間時の職員は日によって変わり、役割分担も変わると伺いました。そういった中で、職員によって消防設備への理解度に差が感じられたので、すべての職員が消防設備を間違いなく使用できるよう訓練し、スキルアップしていけば、より良い自衛消防隊になっていくと思います。

勿来消防署予防係長からのコメント

  福祉施設は「人の命を預かる施設」と、私は思っております。なので、今回はあえて訓練にあまり使用しない避難器具を活用するよう計画に組み込んでもらいました。当該施設の避難器具は「すべり台」です。しかし、施設職員がすべり降りるのは簡単ですが、寝たきりや車いすの施設利用者はそうはいきません。どのようにしてその場まで搬送し、どのようにして安全に降下させることができるかを施設職員一人一人に考えてもらいながら検証しました。「考える」、「身を以て検証する」ことにより福祉施設においての避難誘導の難しさを感じてもらい、今後においても検証を繰り返し、よりよい避難誘導を確立してもらえたらと思います。
また、消防設備等の自主点検要領を指導するにあたり、まず、自分たちの施設にはどのような設備があるのかを再確認してもらった上で、設備がいざという時見え隠れしないなどの視認障害についてやスプリンクラー設備の散水障害、防火戸の閉鎖障害等の維持管理について指導しました。施設職員からも様々な質問が飛び交い大変意義のあった内容だったと思います。設備機能が万全であっても維持管理ができていなければその機能を100%発揮できません。職員一人一人が知識を共有し、今後においても利用者が安心して生活できる施設として活躍していただけたらと思います。

勿来消防署長からのコメント

 当該施設は、日頃から防災体制の構築に取り組まれており、消防訓練も定期的に実施しております。そのような状況の中で、職員全員の災害対応のさらなる向上を図ることを目的に、発見・通報・初期消火・避難誘導、さらに、消防設備の自主点検要領をパートごとに検証しながら行う事となりました。
訓練時は、職員の皆様が率先して参加し、質問も多く、躍動感があるものとなりました。
災害発生時に迅速的確に行動するには、施設内の消防設備の取り扱いを熟知すること。そして、訓練を重ねることが重要だと思います。
これからも、利用者の方々の安心安全のため、防火管理の徹底をお願いします。

 

この記事についてのお問い合わせは勿来消防署へ!

 勿来消防署 予防係

 電話番号:0246-63-2248

このページに関するお問い合わせ先

消防本部 予防課

電話番号: 0246-24-3941 ファクス: 0246-24-3944

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