令和7年4月22日 教育長だより Vol.50 『プライスレス』
更新日:2025年4月22日
先月、市内の学校給食共同調理場を訪問してきました。
給食調理員として5年以上勤務された方々に感謝状を贈呈するためです。
今年は9名の調理員を表彰しました。
皆さん、明るくて元気な印象を受けましたが、お話を聞くと、調理場は春先でも常に水分補給が欠かせないほど高温多湿になるとのこと。
力仕事もたくさんあるので、汗だくで働かれているとのことでした。
調理員の方々の尽力には心から感謝するとともに、学校給食はこうした現場の献身的な努力があってこそ成り立っていることを実感しました。
四倉学校給食共同調理場にて
ずいぶん前のことですが、私がかつて勤めていた職場で、1年間だけ学校給食の業務を担当していたことがあります。
そこで日本の学校給食の成り立ちから提供までの仕組みを知り、これは世界にも誇れる制度ではないかと思うようになりました。
特に印象的だったのは、海外からの来客に対して、日本の学校給食について説明した時のことです。
先方から「日本の給食、どこで買えますか?」みたいなことを聞かれました。
はじめは給食を食べてみたいのかと思いましたが、彼らの話をよく聞くと、自国の子どもたちの栄養改善のため、調理設備から調理員も栄養士も含めた『給食システム一式』を買いたいという内容で驚きました。
日本の学校給食は、厳しい栄養基準に沿って地場産物も使った多彩なメニューを提供しています。
また、学校給食を素材に栄養の知識や食文化を学ぶことで、学校教育における食に関する指導にも役立てています。
これは、戦後の食糧難の時代から続く多くの関係者の努力と保護者の協力によって築き上げられてきたものです。
まずは安定的な食材供給網と人材育成が…ということをくどくどと説明し、お金で買えるものではないことを力説した覚えがあります。
その一方で、日本の学校給食が海外から羨望のまなざしで見られていることを感じました。
いくらで買うつもりだったのかはわかりませんが、買ってでも欲しいと言われると、学校給食という制度がなんだか非常に尊いものであるように感じるようになったのです。
このような評価も受ける日本の学校給食制度ですが、本市では、今年度から中学校の学校給食無償化をスタートしました。
国においても来年度以降の小学校での給食無償化に向けて検討が進められています。
「調理場の整備費や人件費は公費負担、食材費は保護者負担」という従来の経費負担の在り方が変わろうとしていますが、子どもたちにとっての給食の重要性は変わるものではありません。
引き続き、安全でおいしい給食の提供に努めたいと思います。
ちなみに、市内の各調理場を訪問したときには給食をいただいていますが、味は保証します!
鶏肉の甘酢かけ、切干大根の煮物、いわき産なめこ汁(四倉調理場)
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