令和6年11月7日 教育長だより Vol.42 『1%の成功』
更新日:2024年11月7日
先日、本市で初めての活動が実施されました。
そうです。剣道です。市内中学校剣道部の合同練習会を実施しました。
中学校の部活動については、少子化の影響で存続が厳しくなり、生徒が希望する活動の選択肢が少なくなっています。
そうした中でも、子どもたちの多様な活動の機会を確保するため全国的に部活動改革が進められています。
本市でも今年度から検討委員会を立ち上げ、部活動改革に向けて関係者間で協議を続けています。
まずは、令和6年度から8年度にかけて地域の各団体と連携し、休日における合同練習会等のモデル事業を行う予定です。
本市の中学校には、28種目・約250(※)の部活動が活動しています。
※運動部、文化部を合わせた常設部活動数
休日とはいえ場所や指導者確保の課題が大きく、手探りで進めているのですが、「まずはやってみよう」ということで、調整できた種目から順次合同練習会を実施することとしています。
この先駆けとなったのが「剣道部」です。
今回、いわき市剣道連盟の御協力のもと指導者を派遣いただき実現しました。
この日、会場となった植田東中学校体育館に各中学校の剣道部員が約60名集まりました。
まずは関係者間(指導者・市教委担当者)での打ち合わせです。
指導上の留意点や安全対策に万全を期すことを確認しました。
そして早速、練習開始です。
まずは正しい座礼の指導からです。お辞儀の仕方にもちゃんと意味があるんですね。
姿勢や手の位置など基本的な動作から確認します
次は、木刀を使って基本技の指導を受けます。
「剣道=竹刀」と思っていましたが、もともとは日本刀を由来とした武道です。
木刀での練習には、竹刀剣道にも通じるものがあるそうです。
初めに指導者による手本を披露
他校の生徒と交わり練習します
指導者から丁寧に教えてもらうことができます
後半は防具を装着して竹刀での練習が行われました。
木刀の指導とは対照的に迫力のある掛け声が体育館に響き渡ります。
素振り、切り返し、そして代わる代わる相手を替え、指導者も交えて実戦練習です。
指導者にも挑んでいきます
全体で約2時間のコンパクトな練習会でしたが、充実したものだったと思います。
特に素晴らしいと感じた点は以下の通りです。
一つは、市内の中学生同士で交流ができたことです。
普段の練習とは異なる相手や指導者とふれ合うことはよい刺激になったと思います。
剣道では、「交剣知愛」(剣道を通じて、互いに尊重し合い、共に成長することを目指す)という理念を重視していますが、それにぴったりの場だったのではないでしょうか。
もう一つは、基礎基本を押さえたレベルの高い指導が受けられたことです。
礼儀作法や木刀での練習方法から防具装着時の注意点など細かい点まで丁寧に指導されていたことが印象的でした(門外漢の私でもそう感じました)。
普段の学校単位での練習では、このような指導を受ける機会は少ないかもしれません。
この日の活動は、剣道一種目で一回目でした。部活動改革の全体から見れば1%ほどの進捗かもしれません。
今後、種目の範囲を広げ回数を増すごとに課題も増えてくると思います。
ただそれ以上に大きな可能性を感じた練習会でもありました。
市剣道連盟の皆様には御協力に感謝するとともに、今後とも継続できるように協議を続けていきたいと思います。また、他の種目でも調整を進めていきます。
本市の教育理念である「地域全体で人を育てる」を実現するため、関係者の皆様の引き続きの御協力をよろしくお願いいたします。
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