令和6年9月25日 教育長だより Vol.39 『変革の兆し』
更新日:2024年9月25日
みなさん、こんにちは。
2学期が始まり学校にも活気が戻ってきましたね。
私も市内の学校に足を運ぶ機会を増やしています。
学校の授業を実際に見ることで多くのことを学び、他の学校にフィードバックできると考えています。
今後も積極的に足を運び、さらなる教育の質向上に貢献していきたいと思います。
さて、本市にはたくさんの学校があるので、様々な工夫や取組の実践を見ることができます。
とりわけ中学校では、伝統的な一斉指導(先生の説明を聞いてノートを取るスタイル)が多いと感じていたのですが、最近では子ども主体の授業にチャレンジしている学校や先生を見かけるようになりました。
せっかくですので、最近見てきた中で印象的だった授業場面をいくつか紹介します。
まずは植田東中学校の数学の授業です。
グループに分かれて問題の解き方を話し合う生徒もいれば、一人で黙々と問題に向き合う生徒もいて、同じ教室にいながら様々な学び方をしていました。
教室はざわついているようで、決して乱れてはおらず、どの生徒も集中しています。
先生はあまり話しません。放置しているわけではなく、先生はサポートに徹し、「何をするか・どうやってするか」を生徒に委ねているのです。
一方的な説明になりがちな数学の授業でこうした学び方が可能なのだと印象に残りました。
各生徒の進度に応じ、グループで話し合ったり個人で集中したり様々なスタイルで学習(植田東中)
別の学校でもちょっとした工夫を見ることができました。
四倉中学校の数学の授業では、問題に取り組んでいるときに生徒同士で教え合っている光景を見ました。
先生は一人ですので、同時に何人もの生徒を見ることはできませんが、生徒同士で教え合うことで、わからない生徒に空白の時間を作らず、どの生徒も授業に集中することが可能になります。
「教える」ことを生徒に委ねてもいいんですよね。
何より生徒同士が教え合える関係性になっていることが素晴らしいと思いました。
生徒同士で教え合っている場面(四倉中)
次は内郷第一中学校の英語の授業です。
生徒が自分で作成した資料を使って英語でプレゼンしている場面です。
私が見た時は、いわき市の産業構造について調べた結果を説明していました。
教科横断的であることや資料作成も当然のようにデジタルで行っていることなど目を見張りましたが、題材を生徒たちが自ら選び調べて作っているところが素晴らしいと感じました。これも生徒に委ねている事例ですね。
いわき市の産業構造について、英語でプレゼンに挑戦(内郷一中)
最後に紹介するのは授業場面ではないのですが、ある中学校で実施している生徒へのアンケート調査です。
学校生活を振り返るための調査ですが、この中で各教科の授業内容(自分で考える時間が確保されているか、話し合いや発表の機会があるか等)の設問を設けています。
この中学校では、集計結果を各教科の先生にフィードバックし、授業改善に生かしているとのことです。
つまり生徒側が各教科(先生)の授業を評価しているのです。
先生側からすると心穏やかではないかもしれませんが、生徒の視点に立った授業改善として効果的な方法ではないでしょうか。
(実際に、この学校では授業改善の数値が向上しています)
授業内容についてのアンケート調査
今回紹介した事例で共通していることにお気づきいただけたでしょうか。
どの授業も「教師主導」ではなく「子ども主体」を意識しています。
子どもの視点に立つ・子どもに委ねることは、多様性を尊重する姿勢を育むことにもつながるのではないでしょうか。
他の学校でも、参考にできる点をぜひ取り入れてほしいと思います。
なお、今回紹介した事例は、数ある取組の中の一部分にすぎません。
「我が校でもこんな授業をしているから見に来てほしい」というリクエストがありましたら伺いますのでお声がけください。
呼ばれなくても行く場合がありますが(笑)、よろしくお願いします。
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