令和5年11月2日 教育長だより Vol.16 『読書週間』
更新日:2023年11月2日
こんにちは。
10月27日からの2週間は読書週間です。
皆さんどんな本を読んでいますか?私は最近、経営学の書籍にハマっています。
全く経験したことのない分野の知見に触れられるのも読書ならではですよね。
せっかくなので今回は読書の効用を話題にしたいと思います。
ネタは、全国学力・学習状況調査の分析からわかったことです。
全国学力・学習状況調査は、毎年4月に全国の小学6年と中学3年の児童生徒を対象に実施しています。
教科テストだけではなく、子どもたちの生活習慣についても分析が行われています。
具体的には、教科テストに合わせ、家庭での学習時間や朝食摂取の有無等を問うアンケート調査が行われており、これらを児童生徒一人一人でクロス集計することで、生活習慣と学力との相関関係を明らかにしています。
特に相関の強い項目として家庭での学習時間があります。
当然ではあるのですが、時間が長くなるにつれて教科正答率も上昇しています。
【グラフ1:学習時間と平均正答率】
出典:「令和5年度全国学力・学習状況調査報告書」(国立教育政策研究所)のデータを参考に作成
※学校の授業時間以外で、普段(月曜日から金曜日)の1日当たりの勉強時間(学習塾等含む)
このほか相関関係が見られるのが、朝食の摂取状況や就寝時間の項目で、規則正しい生活を送るほど教科正答率も上昇しています。
また、児童生徒の読書時間や読書好きかを問う質問においても強い相関関係が出ています。
やはり読書は学習面での基盤となる大事な行為であるといえるでしょう。
意外な調査項目で、家庭の蔵書冊数を尋ねる質問があります。
つまり家の本棚に本が何冊並んでいるのか問うものです。
これが見事に教科正答率と相関しており、その度合いは家庭での学習時間とほぼ同等か、それ以上のものとなっています。
画像:「令和5年度 全国学力・学習状況調査 小学校第6学年児童質問紙」より
この質問の選択肢ごとの平均正答率を見ると、最も少ない「0冊~10冊」と「201冊~500冊」の間で各教科とも15~20ポイント以上の開きがありました。
つまり100点満点のテストで15点~20点以上の差になります。
【グラフ2:蔵書冊数と平均正答率】
出典:「令和5年度全国学力・学習状況調査報告書」(国立教育政策研究所)のデータを参考に作成
さっそく本を並べてみようと思いませんか?
あくまで相関関係ですので、本を積み上げただけ(積読)では期待できないでしょうが、身近にたくさんの本があること、また周りの大人の読書習慣で、子どもにも少なからず良い影響があるのだと思います。
なによりも本を好きになることにつながっていると思います。
夜の総合図書館内。平日は夜9時まで開館しています。
今年の秋は短い感じがしますが、涼しくなり落ち着いて本を読める季節になりました。
書店だけでなく、いわき市の図書館にもたくさんの本を用意しています。
是非、親子で読書に親しんでもらえたらと思います。
《参考資料》
- 国立教育政策研究所「令和5年度全国学力・学習状況調査 報告書」令和5年8月
(https://www.nier.go.jp/23chousakekkahoukoku/report/question.html)
- 文部科学省「子どもの読書キャンペーン」
(https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/gakusyushien/campaign_2023.html)
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