市長議会提案説明
更新日:2023年12月7日
市長議会提案説明(令和5年12月定例会)
本日ここに、令和5年市議会12月定例会が開催されるに当たり、市政を取り巻く諸問題についての報告並びに提案理由の説明を申し上げますので、御理解を賜りたいと存じます。
初めに、令和5年台風第13号による災害対応への支援等について申し上げます。
先ず、今回の台風第13号の被災に対しましては、これまで企業や民間団体、地方自治体等の皆様から、支援物資や義援金の提供、応援職員の派遣をいただいており、さらにはボランティアの皆様の御協力など様々な御支援をいただいております。
また、ふるさと納税を通して、全国から「台風被害に負けるな」、「頑張ってください」などの温かい励ましのお言葉とともに、多大な寄附が寄せられております。
こうした温かい御支援をお寄せくださいました市内外の皆様に、深く感謝申し上げます。
次に、災害への本市の対応経過についてでありますが、住宅を被災され、居住が困難となられた方に対して一時的な生活の場所として設置しました避難所は、最大で27か所に307世帯644人の方々が身を寄せられておりましたが、公営住宅への入居や、民間賃貸住宅を借上げ、供与する「福島県賃貸型応急住宅」への入居等が進んだことにより、10月30日に全て閉鎖しました。
一方で、学校校舎に甚大な被害を受け、近隣の内郷第二中学校校舎において授業等を行っていた宮小学校については、復旧工事が完了したことから、11月27日をもって以前の学校活動を再開しています。
このように、段階に応じて迅速かつ着実に災害対応業務に取り組んできております。
こうした状況を踏まえ、11月30日付で市災害対策本部を廃止しました。
しかしながら、市災害対策本部の廃止後におきましても、被災された皆様の生活再建支援のため、業務部門ごとに個別の支援制度を継続しており、一日も早く元の生活に戻れるよう、必要な支援を行っていきます。
また、今回の災害は、線状降水帯が発生し、局地的に猛烈な雨が降ったことが要因とされております。このことから、特に被害の大きかった内郷地区の宮川、新川における災害発生の要因について、東北大学災害科学国際研究所、福島工業高等専門学校を中心とした専門機関による検証チームを立ち上げ、11月2日の現地での聞取りを皮切りに調査を開始したところです。
今後は、県とも連携しながら、年内には中間報告を、年度内には検証結果の報告を予定しています。
当面は、喫緊の内郷地区の雨水対策としては、内郷宮町で整備を進めている排水路整備を加速して前倒しして進めるとともに、金坂川の護岸のかさ上げによる河川改良を進め、また、綴町及び御厩町で検討を進めてきた雨水貯留施設の整備を行うことを考えております。
そして、内郷地区での災害に対する東北大学災害科学国際研究所の報告や県の台風第13号に伴う大雨による氾濫要因の分析の結果などを踏まえ、内郷地区以外でも、ソフト面における対策も含め更なる雨水対策を検討していきます。
次に、令和5年度第2回いわき市総合防災訓練【地震・津波編】の実施について申しあげます。
災害はいつ起こるか予見することが困難であり、市民の「生命と財産を守る」ためには、訓練を積み重ねることが重要となります。
このことから、今回の市総合防災訓練は、「命を守る行動を!」をテーマに掲げ、実施の可否や規模など地域の実状に応じた内容で、11月18日に実施し、約1,000人の方々が参加しました。
特に、今回の訓練では、福島県獣医師会はじめ関係機関の協力のもと、市として初めてのペット同行避難訓練を実施しました。
私も訓練会場となった永崎小学校において、この訓練を視察しました。
市といたしましては、今回の訓練から課題を抽出して、今後の避難体制の充実を図り、市民の命を守る「逃げ遅れゼロ」、「災害死ゼロ」の危機管理モデル都市を目指した取組みを全力で進めていきます。
次に、いわき市脱炭素社会実現プランの策定について申し上げます。
進行する地球温暖化によって、今夏の猛暑や大雨のような自然災害等のリスクは さらに高まることが予測されています。この深刻化する課題に対しては、国の動向を踏まえ、本市におきましても、2050年までに市域における脱炭素社会を目指すこととし、昨年度策定した「いわき市脱炭素社会実現プラン【ビジョン編】」をもとに、官民による検討作業を進め、本年11月に、ロードマップを加えた同プランの全体版を策定しました。
脱炭素社会の実現に向けては、多様な主体が連携・協働して取り組む必要があることから、去る11月26日には、官民で組織した推進体制である「いわき市脱炭素社会推進パートナーシップ会議」や未来を担う中学生とともに「いわき市脱炭素社会実現プラン公表式」を開催し、市全体で脱炭素社会実現を目指す意思と決意を市内外に示したところです。
今後におきましては、将来世代に緑豊かな自然を有したふるさとを引き継ぎ、また、持続可能な社会へシフトするため、市民、行政、事業者及び各種団体が連携・協働し、市域におけるカーボンニュートラルの推進に取り組んでいきます。
次に、スポーツによる交流人口の拡大について申し上げます。
毎回、「いわきサンシャインマラソン」には、市外から多くのランナーに参加いただいておりました。新型コロナウイルス感染症の影響等により、ここ数年、開催を断念せざるを得ない状況でありましたが、本年2月には、5年ぶりに第14回大会を開催できたところです。現在は、来年2月に開催予定の第15回大会に向けて、鋭意準備を進めています。
同感染症が、5月に5類へ移行となり、スポーツにおける各種規制が緩和され、声出しが可能になるなど観戦環境も大きく変化しました。
J2リーグ参入1年目のシーズンを迎えた「いわきFC」においても、多くのサポーターによる応援を力に変え、苦しみながらもJ2残留を果たせたものと考えております。
今シーズンは、1試合平均約3,500人と昨シーズンの2,200人を大きく上回る方々にお越しいただき、また、10月21日のベガルタ仙台戦では、1,180人もの仙台サポーターがいわきにお越しいただきました。
加えて、11月4日のモンテディオ山形戦では、JR磐越東線利活用促進策とも連携し、いわきFCオリジナルグッズ等のプレゼントを行うなどの取組みも行いました。
また、10月1日のハワイアンズスタジアムいわきのこけら落しとして開催された関東大学ラグビー公式戦におきましても、大きな賑わいを創出できました。
今後とも、サンシャインマラソンやサッカー観戦などで、本市にお越しいただいた皆さんを官民一体となって、おもてなしし、スポーツによる交流人口の拡大に努め、地域経済の活性化に努めていきます。
次に、今回提案いたしました議案について説明申し上げます。
議案件数は、条例の制定案が2件、廃止案が2件、改正案が5件、補正予算案が8件、その他の議案が38件の計55件です。
私からは、今回提案いたしております議案のうち、条例の制定案1件、改正案2件、及び補正予算案の概要について説明申し上げます。
初めに、「議案第1号 いわき市子育て支援センター条例の制定について」及び「議案第7号 いわき市保育所条例の改正について」、一括して申し上げます。
本市では、地域における子育て親子の交流を促進するとともに、子育て等に関する相談、援助を実施し、子育て支援機能の充実を図ることを目的として、地域子育て支援拠点事業を市内5箇所で実施しています。
このうち、内郷地区では、内郷児童館において同事業を実施していますが、施設の老朽化が著しいことから、同様に老朽化した御厩保育所及び高坂保育所を統合した新園舎の来年度からの供用開始にあわせ、同一建物内に専用施設として整備する内郷子育て支援センターに同事業の機能を移転し、令和6年4月1日からの供用開始を予定しています。
このため、同センターの供用開始にあたり、施設の設置及び管理に関し必要な事項を定めるため、いわき市子育て支援センター条例を制定するとともに、新園舎の名称などを規定するため、いわき市保育所条例の所要の改正を行うものです。
次に、「議案第6号 いわき市下水道条例の改正について」申し上げます。
現行の下水道使用料は、平成31年4月に改定を行い、改定以降、市下水道事業経営戦略で掲げた各種施策に取り組みながら、経費削減や経営改善に努めてきました。
しかしながら、下水道事業を取り巻く経営環境は、これまで以上に下水道処理施設の老朽化に伴う更新需要の増加や、人口減少、さらには節水型社会への移行などによる下水道使用料収入の減少など、一層厳しさを増しています。
このような状況を踏まえ、「いわき市下水道事業等経営審議会」において、市下水道事業経営戦略の見直しを含めた「下水道事業の経営について」の審議を賜りました。
審議会からは、引き続き、さらなる経費削減に取り組んでいく計画となっていることから、経営戦略に掲げた各種施策の取組みは妥当なものと評価できること。
一方で下水道事業会計の収支については、世界的な燃料費の急騰による動力費などの経費の増大や老朽化した施設の更新費用なども踏まえ、今後の事業運営にあたっては、収入の確保が必要であり、下水道使用料の改定が必要であること等の答申を去る10月19日にいただきました。
この答申を踏まえ、下水道事業の経営基盤の安定化と使用者負担の適正化を図るため、令和6年4月からの下水道使用料を、平均23.23%引き上げる条例の改正を行うものです。
次に、補正予算案の概要について申し上げます。
今回の補正は、市政執行に要する経費について補正措置を講じるものです。
その主な内容について申し上げますと、本市への移住促進を図るため、一定の要件のもと東京圏から本市へ移住し、起業・就業した方などに対して支援金を支給するための経費を計上したほか、老朽化が著しい内郷第一中学校校舎の長寿命化に向け、実施設計の見直しを行うための経費を計上しました。
また、排水路整備事業について、内郷宮町金坂地内における冠水被害の緩和を目的に、現在改良工事を行っている金坂第二排水路整備の完了を3年前倒しし、来年度の台風シーズン前の完成を目指すため、年度内に契約の手続きに着手する必要があることから、債務負担行為を措置しました。
以上の結果、一般会計につきまして、補正額4億6,082万3千円で、補正後の総額は1,693億3,625万9千円となるものです。
私からは以上でありますが、その他の議案並びに予算案の詳細につきましては、両副市長から説明申し上げます。
いずれも市政執行上、重要な議案を提出いたしておりますので、何とぞ慎重御審議の上、速やかなる御議決を賜りますようお願いを申し上げ、私の提案理由の趣旨説明といたします。
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