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平成26年度いわき市水道事業会計決算のあらまし

登録日:2016年2月12日

総括

本市水道事業は、給水区域が広大で起伏の多い地勢に加え、水源の多くを中小河川に依存していることなどから、浄水場や水道管など多くの水道施設を抱えており、その中で水量・水圧不足の解消や渇水・震災対策など水道サービスの向上を目指して水道施設の整備を推進しています。
また、老朽施設の更新や安定給水のための基幹浄水場間相互連絡、さらには水道水源対策や水質保全対策など、今後実施していかなければならない事業は数多くあり、その一方、主たる財源である給水収益は、前年度より減少し、給水人口の減少や節水意識の浸透などにより今後も長期的な減少傾向にあることから、更なる経営の健全化が必要となっています。
そうした中で平成23年3月に発生した東日本大震災とその後の余震は、水道施設に甚大な被害をもたらし、市内全域が断水する事態となったことから、今後は災害に強い水道を目指して、復旧・復興事業を通してライフラインとしての水道の信頼性をより一層高めていく必要があります。
以上のような状況を踏まえ、水道事業の経営に当たっては、常に経済性を発揮しながら公共の福祉を増進するという公営企業の基本原則に従い、事業の効果や優先順位を考慮して、事業の着実な実施に努めてまいりました。

以下、平成26年度決算について項目別に報告します。

給水の状況

本年度末の給水人口は31万5,224人(前年度比0.41%減)で、給水区域内の普及率は99.71%(前年度比0.01ポイント増)、給水件数は14万9,891件(前年度比1.25%増)でした。

 また、年間総配水量は4,452万760立方メートルで前年度を30万7,925立方メートル(0.69%)下回り、年間有収水量は3,790万7,284立方メートルで、前年度を21万1,740立方メートル(0.56%)下回りました。

 この結果、有収率は配水量の減少よりも有収水量の減少が小さかったため、前年度と比べ0.12ポイント増加し85.15%となりました。 

建設改良事業

本年度の建設改良事業は、前年度からの繰越事業費を含め、上水道事業と簡易水道事業を合わせ総額41億777万円の事業費で次の事業を実施しました。

(1)第三期拡張事業(基幹浄水場連絡管整備事業)

本事業は、平常時の効率的な配水運用を可能にするとともに、震災時や水質事故等の非常時でも安定給水を確保することを目的として、既設水道施設の更新を兼ねながら基幹浄水場間で相互融通できる水系幹線等の整備を行うもので、本年度は、10億4,764万円の事業費で平第2配水池及び平ポンプ場の新設関連工事を実施しました。

(2)第五次配水管整備事業

本事業は、漏水や赤水発生の未然防止並びに管網の再構築による配水運用強化を目的として、大正中期から昭和40年代にかけて布設された鋳鉄管及びダクタイル鋳鉄管等の更新を行うものであり、本年度は5億2,308万円の事業費で、常磐湯本町日渡配水管改良工事外9件を行い、延長2.3キロメートルを整備しました。

(3)その他の拡張工事

本事業は、水道施設の維持管理強化を目的として、本年度は6億8,237万円の事業費で給水管重複化解消、配水施設整備、浄水施設整備などを実施しました。

(4)改良工事

本事業は、漏水・赤水発生の未然防止や安定給水などを目的として、本年度は16億401万円の事業費で老朽化した水道施設の更新、浄水施設やポンプ施設等の改良、道路工事等で支障となった配水管の布設替えなどを実施しました。

(5)災害復旧事業

本事業は、平成23年に発生した震災に係る災害復旧工事で、本年度は2億1,584万円の事業費で改良工事を実施しました。

その他の事業

(1) 漏水対策

漏水対策について、本年度は、配水管路延長 約808kmの漏水調査と5万5,660戸の戸別音聴調査を実施し、233件の漏水箇所を発見し漏水を防止しました。

(2)水質保全対策

水道水源の水質保全対策では、小川江筋散策・平浄水場見学会の実施などにより、市民の方の水道水源及び水質保全対策に対する意識高揚を図りました。

 また、水道水源河川の定期巡回を5地区の保健委員会に委託するとともに、6月と11月には局職員等による好間川の河川清掃を実施したほか、8月には水源流域9市町村で組織する夏井川・鮫川水系水質汚濁対策連絡協議会を古殿町で開催し、水質汚濁防止対策に関する連絡調整や情報交換を行いました。

 さらに、水源河川の水質汚濁防止を図るため、水道水源保護地域の合併処理浄化槽設置者及び農業集落排水事業への加入者に対し、合わせて2,243万円の補助を行いました。

財政状況

収益的収支(消費税抜)においては、収入総額は107億4,520万4,405円となり、前年度と比較して16億6,286万5,277円(18.31%)増加し、支出総額は85億1,077万6,819円となり、前年度と比較して15億4,431万9,457円(22.17%)増加しました。

この結果、本年度の純利益は前年度と比較して1億1,854万5,820円増加し、22億3,442万7,586円となりました。

 また、資本的収支(消費税込)においては、翌年度に繰り越される事業の財源に充当する額3,549万5,032円を除く収入総額15億1,817万9,712円に対し、支出総額は61億2,941万7,426円となり、不足する46億1,123万7,714円については、当年度分消費税及び地方消費税資本的収支調整額2億294万8,199円、過年度分損益勘定留保資金22億692万7,603円、繰越工事資金26万2,432円、当年度分損益勘定留保資金8,521万7,714円、減債積立金19億595万2,141円、建設改良積立金2億992万9,625円で補填することとしました。

 なお、企業債残高は、308億2万3,756円となり、前年度と比較して15億1,464万4,125円(4.69%)減少しました。

 

このページに関するお問い合わせ先

水道局 経営戦略課

電話番号: 0246-22-9313 ファクス: 0246-21-4844

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