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『尼子橋(旧国道)』(平成30年10月10日市公式Facebook投稿)

問い合わせ番号:15392-2315-1205 更新日:2018年10月10日

いわきの『今むがし』Vol.104

尼子橋・第2回自転車競走-道路には自動車の姿が少なく、自転車が自由に走ることができました-〔昭和29(1954)年5月、松本正平氏撮影・松本正夫氏提供〕

1 このシリーズで以前、伝説と歴史に満ちた尼子橋を紹介しましたが、今回は従来の尼子橋の上流約250mに位置する“新しい”尼子橋です。
 新しい尼子橋が建設された経緯を、若干前回と重複しますが、追ってみます。
 江戸時代からの浜街道は、明治時代に入り国道として指定され、次第に交通量が増えていきます。川幅のあった鮫川や夏井川には架橋されなかったのですが、川幅の狭い新川には、橋が架けられていたようです。
 大正時代末期になると自動車が登場します。重量のある自動車の通過は、これまで以上に木橋にダメージを与えることになります。木橋であった尼子橋はたびたびコンクリート橋への転換が検討されました。この検討の背景にあったのは、自動車時代に備えた新しい国道6号の建設でした。新道建設に際しては、屈曲を避け、道路を舗装化し、木橋からコンクリート橋へ転換することが、大きな課題となりました。
 その手はじめとして夏井川には昭和11(1936)年にコンクリート製の「平神橋」が、次いで昭和14(1939)年に同じく「鮫川橋」が、それぞれ建設されました。しかし、尼子橋の木橋は補修に次ぐ補修の応急措置で対応せざるを得ず、容易にコンクリート化が実施されず、その後、戦時色が濃くなったこともあり、戦後まで持越しとなってしまいました。
 昭和20年代、ふたたび本格的な国道6号の全面整備に取り掛かりましたが、新川への架橋は尼子橋の改修ではなく、前後に新設の道路を敷き、これをつなぐ場所に架橋することになりました。
 新しい架橋は昭和24(1949)年に着工、取り付け道路となる新しい国道6号とコンクリート製の「尼子橋」(延長45m、歩道を含め幅員11m)は、昭和26(1951)年3月に完成しました。
このとき、元の新川(現在の新川緑地)から古川(現在の新川)への切り替え工事と古川改め新川の拡幅工事が行われました。

尼子橋-車の往来がひっきりなしに続いています-〔平成30(2018)年10月、いわき市撮影〕

2 昭和26(1951)年に完成した「尼子橋」は、完成して間もなく不備が生じることになりました。
 要因は、一帯が軟弱な地であったことでした。通過荷重を13トンに設定し、本杭を地下20m打ち込んだだけであったため、竣工後、5年も経過すると橋が沈下してしまう事態に陥ってしまったのです。この不備は急きょ橋台や橋脚の補強で事なきを得ます。
 しかし、昭和30年代に入ると、高度経済成長を背景に日本全土で「クルマ社会」が訪れ、道路の自動車往来は増加していきます。特に、平と湯本間の交通量は市内でも最も激しく、昭和40年代に入ると、通過荷重は20トンに増加。しかし、この間、迂回路を設定することができず、補強による応急措置の繰り返しで対応するしかありませんでした。
 昭和45(1970)年になると、橋を渡る車両数は1日3万台に達し、ふたたび一部の橋脚が沈下していることが判明。架け替えが必至の状況となり、改築計画が立案されました。計画によると、新川の拡幅に伴う橋りょうの延長、平-内郷の4車線化を含む、大きな工事となるものでした。
尼子橋改良工事は昭和46(1971)年度から開始。幅員は2車線(2車線・歩道含め11m)から4車線(車道13.8m、ほかに歩道が両側にそれぞれ2m)へ拡幅、延長も45mから65mに延長され、昭和47(1972)年秋に竣工しました。
 橋の延長には理由がありました。新川は湯ノ岳から夏井川まで急峻で、“暴れ川”と呼ばれる常襲水害河川でした。上流から土砂が堆積して河底が上昇し、排水能力が減退。重なる改良工事にもかかわらず、氾濫(はんらん)を繰り返していたのです。このため、昭和52(1977)年度から5か年計画で「河川激甚災害対策特別緊急事業」(内郷御厩町から夏井川合流地点まで5.7km)の一環として、河川拡幅、河床掘り下げが施工され、この事業に先立って改築された尼子橋の延長も従来の橋に比べ20m延長されたのです。
 下流側の尼子橋はその由緒に照らし合わせて昭和61(1986)年7月、国宝・白水阿弥陀堂の浄土式庭園に架けられた橋と同じ形状の朱塗り、さらに鋳物(いもの)でできた赤い欄干(らんかん)、柱には金色の擬宝珠(ぎぼし)も飾られ、古式ゆかしいたたずまいを見せています。これに比べ、国道(尼子橋を含む常磐下船尾町-平字十五町目は、平成30年4月、国道6号から主要地方道いわき-上三坂-小野線へ所管替え)の尼子橋は地味な存在で、交通量激増を背景に、ひたすら“実用性”を追い続けて増強されていったことがわかります。
(いわき地域学會 小宅幸一)

その他の写真

少年と新川、国道6号尼子橋を走るバス(昭和20年代末、野木茂氏撮影)

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新川と少年と自転車、国道6号尼子橋(昭和20年代末、野木茂氏撮影)

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新川とバスが走る尼子橋を下流側から見る(昭和30年頃、野木茂氏撮影)

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新川に架かる国道6号の尼子橋を中央警察署から見る(昭和52年8月、いわき民報社撮影)

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旧道尼子橋から奥の国道6号尼子橋を見る(昭和62年3月、いわき市撮影)

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国道6号尼子橋を下流側から見る(平成7年4月、いわき市撮影)

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