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『平字堂根町、童子町、堂ノ前』(平成29年10月25日市公式Facebook投稿)

問い合わせ番号:15090-0867-0415 更新日:2017年10月25日

いわきの『今むがし』Vol.81

(上)市道の舗装工事を平市民会館(現アリオス)や平工業高校(現市役所本庁舎)に向かって見る〔昭和44(1969)年9月、いわき市撮影〕
(中
)同地点から-童子町、市役所本庁舎付近-〔平成17(2005)年11月、いわき市撮影〕
(下)同地点から-童子町、市役所本庁舎付近-〔平成29(2017)年10月、いわき市撮影〕

20171025-1 米作の増収をめざした「改正耕地整理法」が明治38(1905)年に施行され、旧新川(現新川緑地)以南と古川(現新川)の間の区域では、平町(旧長橋村・旧拾五町目村)第一区耕地整理事業が実施されました。田んぼは明治40(1907)年3月、碁盤の目に区画され、併せて字名改称が行われて、現在の街路の基礎ができあがりました。
 明治41(1908)年12月開会の平町議会では、字堂根原、字稗売(はかりうり)町、字童子町が字向(むかい)町、さらに字堂ノ前は字宮崎町などへ変更することが提案・可決され、福島県へ申請されました。
 しかし、福島県当局から、「縁故(えんこ)ヲ有(ゆう)セザル改称ハ詮議(せんぎ)シ難(がた)キ」、つまりこれまでの地名と縁のない地名は認められないとされたため、関係者と協議して、明治44(1911)年1月町議会において、向町は元の堂根原を生かした堂根町、宮崎町は旧来の堂ノ前に、それぞれ戻しました。
 国道6号に沿う堂ノ前公園の一角にある「平町第一区耕地整理事業」の竣工記念碑には、「而(しか)シテ新川以北ハ町勢発展上、将来市街地タルベキヲ思惟(しい)シ、大正十年地主ハ町道敷地ヲ平町に寄付シ、コノ実現ヲ促進セシカバ、町ハ即(すなわ)チ町道ヲ施設シ将(まさ)ニ完成ヲ告ゲムトス」とあります。
 つまり、一帯は将来に市街化することになるため、地主は将来の街路化に見越して、あぜ道から町道に転用できるよう寄付したことを告げています。
 市街化の南下が本格化したのは、片倉磐城製糸工場の開設(昭和4年1月)、県立平商業学校(現県立平商業高校)の移転(昭和14年4月)、県立平工業学校(現県立平工業高校)の新設(昭和16年12月)によるものでしたが、これらの移転・新設がスムーズに進んだ要因に、明治時代に行われた耕地整理事業の功績をみることができます。
 第二次世界大戦後の昭和21(1946)年度から昭和31(1956)年度まで、平市街の空襲による被災個所を中心に、堂根町、童子町、堂ノ前を含む区域が「平戦災復興都市計画事業」として施行されましたが、これは耕地整理事業の区画を活用したものでした。

 

(上)市庁舎から見る童子町。写真左の建物は平社会保険事務所、写真右は法務局。建設はいずれも昭和34(1959)年〔昭和49(1974)年、いわき市撮影〕
(下)同地点から-社会保険事務所は改組・改築され、法務局は市国体事務局を経て駐車場へ転用された-〔平成29(2017)年10月、いわき市撮影〕

20171025-2 昭和41(1966)年10月にいわき市が誕生。市庁舎は暫定措置として旧平商業高校の校舎に置かれ、新たな市行政の中枢として船出すると、周辺の様相も変わっていきます。
 平商業高校の校舎移転(昭和41年)、平工業高校の校舎移転(昭和47年)、大阪造船(株)の工場転出(昭和47年)が相次ぎ、他の公共施設への転用が検討されていきます。
 まもなく学校や工場の移転と入れ替わるように、平市民会館(昭和41年)、税務署(同)、産業会館(昭和44年)などの国・県・市の施設や農協および水産事務所、民間の病院、保険会社、結婚式場などの大型施設が、この周辺に新設あるいは移転します。
 昭和48(1973)年3月、市の新庁舎が旧平工業高校跡地に完成、その西側には翌年に県合同庁舎も完成、さらに文化センター(昭和50年)、市立美術館(昭和59年)が建設され、官庁・文化ゾーンとしての性格を帯びるようになります。
 さらに時代変遷とともに、平公共職業安定所跡と平石炭事務所跡には国の合同庁舎(昭和59年)、平市民会館跡にはいわき市芸術文化交流館(平成21年、愛称アリオス)が開所・開館し、建物の集約化や機能のアップなども図られ、より充実した街区へ変容しています。整備に伴って、これら周辺には、車社会に対応した駐車場の整備も図られました。
 堂ノ前公園内にある「平町第一区耕地整理事業」の記念碑は、昭和9(1934)年3月、欣浄寺境内に建てられたもので、国道建設に伴い寺が移転した後に、一帯は公園化されて、そのなかに整備されました。当時は、このあたりから南域は見渡す限りの田んぼでした。街区のために土地を提供した人々が、今の変貌(へんぼう)ぶりを見たら、どのような感慨を持つでしょうか。
(いわき地域学會 小宅幸一)

 その他の写真

(上)後の文化センターと市立美術館の間の市道〔昭和44(1969)年9月、いわき市撮影〕
(下)同地点から-現在の文化センターと市立美術館の間の市道-〔平成29(2017)年10月、いわき市撮影〕
※ 写真1と同地点から別方向を撮影したものです

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平市街・現在の市役所庁舎脇市道(写真1-1と同方向)〔昭和44(1969)年9月、いわき市撮影〕

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