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『福島臨海鉄道(泉)』(平成28年3月9日市公式Facebook投稿)

問い合わせ番号:14580-8563-3262 更新日:2016年3月9日

いわきの『今むがし』 Vol.42

泉町の第三区画整理事業区域と福島臨海鉄道の「いわき・ら・ら・ミュウ」お買い物ツアー臨時団体列車(平成9年12月、いわき市撮影)

泉町の第三区画整理事業区域と福島臨海鉄道の「いわき・ら・ら・ミュウ」お買い物ツアー臨時団体列車(平成9年12月、いわき市撮影)

 前回、国鉄(⇒JR)泉駅の移り変わりを掲載しましたが、今回は少し角度を変えて、泉町や泉町滝尻を往来した福島臨海(←小名浜臨港)鉄道および周辺の地域変容について紹介します。
 現在の福島臨海鉄道の前身である小名浜臨港鉄道は、昭和16年(1941年)11月に泉-小名浜5.4kmが開通しました。
 

 

 

宅地化のなかを泉駅に向かうディーゼル機関車とタンク車(平成28年3月、いわき市撮影)

宅地化のなかを泉駅に向かうディーゼル機関車とタンク車(平成28年3月、いわき市撮影)

 それまでは泉と小名浜を結ぶ道路上に磐城海岸軌道が通じていたのですが、日本水素工業(現日本化成株式会社)は昭和13年(1928年)に進出する際に、硫酸アンモニウムやメタノールなどの製品や原材料を輸送するため、磐城海岸軌道を買い取って専用の線路敷を建設して泉駅と工場を結ぼうという計画を立てました。
 しかし、小名浜町民は重要な交通機関である軌道が失われるとして貨物専用鉄道の敷設に反対。その一方で、一般の乗客を乗せるよう熱望したことから、会社側はこれを受け入れ、延長して小名浜駅を設けることで、合意に達し、同社の鉄道部門は昭和14(1939)年に小名浜臨港鉄道(株)として独立しました。 

 

滝尻地内を泉に向かって走る小名浜臨港鉄道の気動車・後に道路との交差部分に滝尻停留所が設けられました(昭和30年代前期、比佐不二夫氏提供)

 
滝尻地内を泉に向かって走る小名浜臨港鉄道の気動車・後に道路との交差部分に滝尻停留所が設けられました(昭和30年代前期、比佐不二夫氏提供) 小名浜と泉を結ぶルートとしては、泉村大字下川を通る案もあったのですが、田畑の潰れ地を少しでも少なく、川を渡るのも1か所で済む現ルートが選ばれました。
 現在のルートを見ると、国道6号常磐バイパス下付近など、Sカーブの続く山裾を通っており、できるだけ田畑を避けている様子がうかがえます。
 開通当時、途中駅は水素前-宮下(当初は西小名浜)だけでしたが、滝尻住民付近の利便性を図るために、昭和30年代後期に現在の国道6号常磐バイパス東方に滝尻停留所が設けられました。
 泉駅を発車した列車は長いカーブを描きながら常磐線の下をくぐり抜けた後、東進しますが、平成時代以前、周辺には田畑が一面に広がり、のどかな光景を見ることができました。 福島臨海鉄道は貨物運搬専用の鉄道ですが、昭和47(1972)年9月まで、旅客運行をしていました。乗客がバスや自家用車へ移行するとともに、貨物ダイヤが過密になってきたことから、惜しまれながら、旅客運行は廃止となりました。その後、しばらくの間、泉駅構内にはJR泉駅ホームに接して、ホームだけがポツリと残っていましたが、ひっそりと姿を消しました。
 

 

山上から泉町滝尻を見下ろすなかを走る小名浜臨港鉄道下り気動車(昭和36年12月、米本健一氏撮影)

 山上から泉町滝尻を見下ろすなかを走る小名浜臨港鉄道下り気動車(昭和36年12月、米本健一氏撮影) 今、貨物列車はコンテナ車とタンク車を扱っています。列車は、泉駅を発車して間もなく常磐線と立体交差して、東進します。このあたりから、右手には住宅が見えてきます。
 前回に記述した、泉地区第一、同第二、泉玉露の土地区画整理事業に続きに、泉第一、同第二に隣接する東側に位置する泉町滝尻で行われている土地区画整理事業です。平成元(1989)年11月に面積69.4haの規模で都市計画決定されて、同年度から市施行による泉第三土地区画整理事業がスタートしています。
 同事業には、泉市街地の中央部に玉露地区や小名浜臨海工業地帯と直結する幹線道路の敷設が含まれており、この整備に併せて大型の泉ショッピングセンターなどの商業施設が進出。これまで住宅地として発展してきた街の様子が大きく変わるきっかけとなりました。
 現在も継続されている泉第三土地区画整理事業。最初は容易に宅地化が進まなかったのですが、周辺の市街地整備や東日本大震災後の住宅需要に伴い宅地化が進み、泉、滝尻の家並みは連なるようになりました。
 かつては、小名浜の工場地帯を抜けると田園地帯を走っていた鉄道。時代を経て、次第に住宅地をかたわらに通り過ぎるという風景に変わりつつあります。

 

常磐線交差部部の東、小名浜へ向かって走る小名浜臨港鉄道下りキハ101(昭和36年12月、米本健一氏撮影)

 常磐線交差部部の東、小名浜へ向かって走る小名浜臨港鉄道下りキハ101(昭和36年12月、米本健一氏撮影)

泉駅の気動車(昭和37年7月、園田正雄氏撮影)

 泉駅の気動車(昭和37年7月、園田正雄氏撮影)

泉町滝尻に設置された小名浜臨港鉄道滝尻停留所付近(昭和30年代後期)

 泉町滝尻に設置された小名浜臨港鉄道滝尻停留所付近(昭和30年代後期)

福島臨海鉄道旅客列車最後の日(昭和47年9月30日、佐藤茂喜氏撮影)

 福島臨海鉄道旅客列車最後の日(昭和47年9月30日、佐藤茂喜氏撮影)

常磐線を背景に泉町で行われていた田植え風景(昭和62年5月、いわき市撮影)

 常磐線を背景に泉町で行われていた田植え風景(昭和62年5月、いわき市撮影)

常磐線沿いから見る泉町郊外の田植え(昭和62年5月、いわき市撮影)

 常磐線沿いから見る泉町郊外の田植え(昭和62年5月、いわき市撮影)

旅客輸送廃止後も残っていた福島臨海鉄道の泉駅ホーム(平成時代初期、おやけこういち氏撮影)

 旅客輸送廃止後も残っていた福島臨海鉄道の泉駅ホーム(平成時代初期、おやけこういち氏撮影)

泉町滝尻地内を走る福島臨海鉄道の泉駅行きディーゼル機関車(平成2年5月、おやけこういち氏撮影)

 泉町滝尻地内を走る福島臨海鉄道の泉駅行きディーゼル機関車(平成2年5月、おやけこういち氏撮影)

 泉町滝尻の夕景を国道6号常磐バイパスから見る(平成3年6月、いわき市撮影)

 泉町滝尻の夕景を国道6号常磐バイパスから見る(平成3年6月、いわき市撮影)

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