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『植田駅』(平成27年8月5日市公式Facebook投稿)

問い合わせ番号:14551-8451-5300 更新日:2015年8月5日

【いわきの『今むがし』 Vol.28】

【初代の植田駅 駅前には、駅発着の乗合バスが並んでいます。〔昭和30(1955)年頃 おやけこういち氏所蔵〕】

昭和30年頃の植田駅

 植田は、江戸時代には浜街道に宿場が置かれ、また鮫川川運との結節点でもありました。街の発展の要素として「交通の要所」が挙げられますが、まさに典型でした。磐城平藩もこの植田村を重要視して飛び地として確保した経緯があります。
 JR常磐線植田駅は、明治30(1897)年2月、日本鉄道磐城線(水戸-平)が開通すると同時に開設され、さらなる発展の緒(いとぐち)となりました。

【植田駅 駅舎は昭和33(1958)年に改築。駅前は土地区画整理事業の一環で拡張されました。〔平成25年2月撮影〕】

平成25年2月の植田駅

 ところで、下り列車は鮫川を越えると、左へ大きくカーブして駅へ滑り込むことになります。駅のホームに立つと、ホームの手前まで列車を見ることができないくらいです。
 駅が設置された場所は、開設前には丘陵地が迫り出しており、これを崩しながら、縁(ふち)を回り込むように敷設されたからです。では、なぜこのようなルートを選んだのでしょうか。
 それは北方の釜戸川流域に広がる平地へ向かう際に、長いトンネルを掘らなくて済むのが、添野村を通る現ルートだったからです。

【上り方面から見た植田駅(昭和20年代末、長谷川達雄氏撮影)】

昭和20年代末の植田駅 よく常磐線はカーブが多くスピードを出せないといわれますが、当時は土木技術が発達途上でしたから、できるだけトンネルを掘らず、河川への架橋も直交する形で、短距離で渡るルートを選ぶのが常でした。
 鮫川への架橋についても、現在のように河川敷を越える工法ではなく、河川の水路部分にだけ橋梁を建設し、河川敷に盛り土して1本の築堤にして鉄道を通したくらいでした。(洪水の際に、濁流が築堤に押しとどめられて流域に大きな損害を与えたため、後に現況に改良)
 

 

【植田駅(昭和30年代、北郷喜三郎氏作)】

昭和30年代の植田駅 駅開設後、植田は上遠野村大字滝(現遠野町滝)や山田村(現山田町)から石炭運搬用の専用軌道が敷設され、また鮫川では田人村や川部村からのイカダ流しによって木材が運ばれるなど、交通の要所としてにぎわいをみせ、いわき地方南部の商業都市として発展していきました。 昭和30年代に入り、後に高度経済成長と呼ばれる好景気が続き、鉱工業が盛んになるにつれて業務などで鉄道を利用する機会が増えていきます。また、生活にも余裕が生まれ、人々はレジャーや娯楽を楽しみ、遠方に出かけることができるようになりました。

 

【植田駅石炭積込場(昭和30年頃、長谷川達雄氏撮影)】

昭和30年頃の植田駅 植田駅も常磐共同火力勿来発電所や呉羽化成などの工場進出により、乗降客が増えていきます。
 このようななか、首都圏と短時間で結ぶため、特急・急行に準ずる、中距離用の準急が登場します。昭和33(1958)年6月から、上野‐平(現いわき)の「ときわ」が3往復して、初めて優等列車が植田駅に停車するようになりました。その後増便され、およそ半数の準急が停車しました。昭和36(1961)年度の県内旅客乗降人数をみると、植田駅は約211万人と、県内6番目の人数でした。
 その後準急「ときわ」は急行「ときわ」へ格上げされ、昭和38(1963)年に登場した準急「ひたち」も急行へ、次いで昭和45(1970)年からは特急として定期列車化されていきます。昭和60(1985)年3月のダイヤ改正では、急行「ときわ」が特急「ひたち」に吸収され、初めて特急の一部が植田駅に停車します。

【植田駅前(昭和33年4月20日、おやけこういち所蔵)】

昭和33年4月20日の植田駅 一方、貨物の発着は、昭和32(1957)年に常磐共同火力勿来発電所が稼働すると発電原料となる石炭が専用線を通じて植田駅から運ばれるようになります。
 

 

【植田駅・特急列車、電気機関車が並ぶ(昭和40年代、長谷川達雄氏撮影)】

昭和40年代の植田駅 植田駅は街と丘陵地に挟まれ、駅構内に引込線を確保できないことから、北方約1キロメートルに操車場を建設し、ピークの昭和42(1967)年度には約95万tの石炭を取り扱いました。
 しかし、常磐炭礦磐城礦業所の閉山以降はトラック輸送に切り替えられ、貨物輸送は停止されました。
 鉄道旅客輸送については、次第にいわき勿来インターに停車する高速バスに奪われるようになり、しかも勿来地区の場合、東京にノンストップで往来できる地理的要因もあって乗降客は減少し、平成27年(2015)月3月のダイヤ改正では、特急列車は勿来駅に集約するカタチで再編成され、植田駅は特急通過駅となってしまいました。

 

その他の写真

【常磐線開通90周年記念SL運行植田駅(昭和46年10月、おやけこういち氏撮影)】

昭和46年10月の植田駅

【植田駅前広場工事(昭和53年1月、いわき市撮影)】

昭和53年1月の植田駅前

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