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『平駅前大通り3』(平成27年4月8日市公式Facebook投稿)

登録日:2015年4月8日

【いわきの『今むがし』 Vol.20】

【夜の商店街を引き立たせるネオンアーチ〔昭和44年(1969年)8月 いわき市撮影〕】

昭和44年頃の駅前通り

 撤去が回避された駅前通りの緑地帯には、平市時代にはユッカ、サルビア、ケイトなどが植栽され、いわき市になってからの昭和53年(1978年)3月には「市の花・ツヅジ」やツゲ、キャラに植え替えられ、車のドライバーや歩行者に潤いを与えていました。
 また、雨除けや陽除けに対応するため、昭和29年(1954年)8月に、駅前通り東側に片流れ式のアーケードが完成。次いで西側にも同様のアーケードが完成しました。
 夜のにぎわいは、戦争終結後の復興期となる昭和20年代半ば、まず飲食業から復活するようになります。
 このころ、昭和22年(1947年)から建設が始まった駅前通りでは、夜間営業はほとんどなく、本町通りにしても午後8時を迎えると真っ暗という状況でした。当時の電力が供給不足で、夜間点灯が制限されていたこともありました。
 それでも昭和20年代後半になると次第に電力事情は回復。銀座通りや本町通りで街路灯が据え付けられるようになります。
 昭和28年(1953年)に中央連合青年会が行った消費者調査によると、商店の閉店時間について要望は、午後6時までが7.4%、午後7時までが41.6%、午後9時までが45.0%、午後10時までが5.3%、不明0.7%となっていて、夜間営業を望む消費者が多いことがわかります。
 昭和28年に完成した駅前通りにも、新たな波が訪れようとしていました。
 この時期、都市部においては、ネオンアーチが建設ブームとなっていたのです。郡山市では昭和29年(1954年)、駅前に大ネオンアーチが設置。平市街でも昭和28年から昭和30年(1955年)にかけて、銀座通りや中央通り、さらには小名浜本町通りに相次いで、ネオンアーチが設置されました。
 満を持したように、平三町目商店会が中心となって点滅式ネオンアーチ(幅30メートル、最大の高さ10メートル)を設置したのは、昭和30年12月でした。その規模は、東北では仙台に次ぐといわれました。点灯してから消灯するまでの時間は約1分。その間に9段階で明滅する電飾の花。まさに、この年は、高度経済成長が始まった年でもありました。

【駅前アーケード街と駅ビル 〔昭和54年(1979年)7月 いわき市撮影〕】

昭和54年頃の駅前通り

 昭和30年(1955年)に駅前通りに設置されたネオンサインの華やかに呼応するため、営業時間の延長、つまり夜間営業をめざした商店街でしたが、実現するための課題は山積していました。労働基準法の関係や求人難延長に伴う人件費その他の費用対効果など、各商店の意識がそろわなかったのです。商店街を面としてみた場合の営業効果が期待できない、というムードがたえずあったためです。
 昭和30年代は、モデルケースとして夏の間、午後9時までの営業延長をたびたび実施しますが、定着することはありませんでした。
 それでも、昭和40年代に入ると、平市街の商業活動は活発化し、夜間延長も行われるようになりますが、一方では商業の発展とともに市民の憩いや潤いのある通りとしての充実が検討されるようになりました。背景には、商業の郊外化や空洞化がみえはじめており、通りは商業を支える存在だけではなく、仙台市の並木通りのように、通り自体の魅力発信という観点でまちづくりを考えるという流れが大きくなっていたことが挙げられます。
 そのことを考えていくとき、昭和30年前後に設置されたアーケードやネオンアーチは街のにぎわいをサポートしている部分はあったのですが、通り全体のバランスや環境を考えていくとき、次第に時代にそぐわないようになっていきました。また、もう一つ、平駅前の再開発事業が一向に進展しないジレンマのなか、せめて改変可能な駅前通りへの期待が膨らんでいったのです。
 このように、抜本的な通りの変革を考えていくとき、根幹となったのが「景観」というキーワードでした。では、通りをどのようにコーデネートできるのか、さまざまな検討が加えられていきます。
 平成2年(1990年)9月には、地元の商店主などが参画して「平大通り協議会」が結成され、行政が行う電線類地中化(キャブシステム)事業の進ちょくに合わせて、街づくりの基本を“緑と彫刻”として、具体的には街区内に気持ちをなごませる植栽を施し、歩道には彫刻を配置して文化のまちづくりを進めていくことも併せて展開していくことを決めました。

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