結核は現代の病気です
登録日:2023年10月31日
結核は過去の病気のように思われがちですが、現在も年間に国内で11,519人弱、福島県では82人(令和4年)が新たに結核患者と診断されています。
1 結核ってどんな病気?
結核とは、結核菌によって主に肺に炎症を起こす病気です。
結核を発病し重症化している人の咳やくしゃみのしぶきには、結核菌が含まれています。このしぶきの水分が蒸発し、空気中に飛んでただよっている結核菌を、周りの人が直接吸い込むことによってうつります(空気感染)。
結核には、大きく分けて「感染」と「発病」の2つの状態があります。
「感染」
結核菌を吸い込んで体内に結核菌が存在しているものの、自らの免疫機能で結核菌の活動が抑えられている状態です。感染しているだけでは、人にうつすことはありません。また、感染しても発病するのは1~2割程度で、残りの8~9割は一生発病することなく過ごします。
「発病」
身体の免疫力、体力の低下によって、それまで抑え込んでいた結核菌が活動を始め、病変を起こしている状態です。発病した方については、結核としての治療が必要となります。ただし、発病した方すべてが周囲に感染させるわけではありません。発見が遅れて重症化している場合にのみ、人にうつしてしまうことがあります。
このことから、万が一感染したことがわかった場合でも、その感染した方に十分な免疫力があれば発病には至りません。
現在では、結核は、決められた期間薬をきちんと飲むことで治ります。
しかし、治療の途中で服薬を中断してしまうと、菌が抵抗力をつけ、薬が効かない耐性菌となることがあります。治療中の方については、主治医の指示のもと内服治療を継続することが大切です。
2 結核の症状は?
結核の症状は、風邪によく似ています。具体的な症状としては、次のとおりです。
・(2週間以上)長引く咳、痰
・発熱(37~38度)
・食欲不振
・体重減少
・全身倦怠感
・胸の痛み
・血痰
気になる症状がある場合は、早めに医療機関に受診しましょう。
早期発見、早期治療は、本人の重症化を防ぐだけではなく、大切な家族や友人、職場などへの感染を防ぐためにも重要です。
3 結核から身を守るには?
結核は体力、免疫力が低下しているときに発病しやすい、といわれています。
そのため、結核予防には日頃からの健康づくりが大切です。
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健康管理で結核予防
十分な睡眠、バランスのいい食事、適度な運動で免疫力維持に努めましょう。
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BCG予防接種
乳幼児が結核に感染すると重症化しやすいといわれています。
1歳になる前に(標準5か月から8か月)、BCG予防接種を受けましょう。
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年に1回は胸部レントゲン検査を
結核を発病しているかどうかは、胸部レントゲン検査でわかることが多いです。
健康管理として、1年に1回は市の健(検)診、職場健診等で胸部レントゲン検査を受けるよう心がけましょう。
4 高齢者の結核について
高齢者の方では、咳、痰など結核特有の呼吸器症状が現れにくい場合があります。
食欲がない、元気がない、体重が減っている、微熱があるなど、比較的分かりにくい症状しかみられないことも多いです。
そのため、「いつもより体調がすぐれない」「なんとなく普段と様子がちがう」といった健康状態の変化にも注意が必要です。
参考(外部ホームページ)
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