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平成30年度いわき市水道事業会計決算のあらまし

登録日:2020年2月12日

総括  

 本市水道事業は、給水区域が広大で起伏の多い地勢に加え、水源の多くを中小河川に依存していることなどから、浄水場や水道管など多くの水道施設を抱えており、その施設の多くは、合併以降、水需要の増加や水道普及率の向上に対応するため、拡張整備したもので、施設の老朽化に伴い、順次更新時期を迎える施設が増大しているため、将来の水道施設の再構築を見据え、重要度や優先度に応じて計画的に更新していく必要があります。
 また、水道水の安全性の確保や施設規模の適正化、さらには、東日本大震災の教訓を踏まえ、基幹浄水場間で水を相互融通する連絡管の整備や施設の耐震化を進め、災害に強い水道システムを構築していく必要があります。
 一方、給水収益は、給水人口の減少や節水機器の普及等により、長期的には減少傾向にあることから、さらなる経営の効率化や経費の節減に努め、お客様から信頼される水道システムを健全な姿で後世に引き継いでいく必要があります。
 以上のような状況のもとで、水道事業の経営にあたっては、「新・いわき市水道事業経営プラン」に基づき、公営企業として常に経済性を発揮しながら、公共の福祉を増進するという公営企業の基本原則に従い、事業の効果や優先順位を考慮して、最適で災害に強い施設整備と持続可能な経営基盤の確立に取り組み、事業の着実な実施に努めてきました。
 
以下、平成30年度決算について項目別に報告します。

給水の状況 

 本年度末の給水人口は、33万2,353人(0.72%減)で、給水区域内の普及率は99.76%(前年度と同ポイント)、給水件数は15万239件(0.08%増)でした。
 
また、年間総配水量は4,319万3,647㎥で、前年度と比較して91万3,247㎥(2.07%)減少し、年間有収水量(料金徴収の対象となった水量)は3,757万9,410㎥で、22万6,750㎥(0.60%)減少しました。
 
この結果、有収率については、配水量の減少率が有収水量の減少率を上回ったため、前年度と比べ1.29ポイント増加し87.00%となりました。

建設改良事業 

 本年度の建設改良事業は、前年度からの繰越事業費を含め、水道事業と簡易水道事業を合わせ総額54億4,817万8,497円の事業費で次の事業を実施しました。

(1)基幹浄水場連絡管整備事業

 本事業は、平常時の効率的な配水運用を可能にすること、さらに震災時や水質事故等の非常時でも安定給水の向上を図ることを目的として、既設水道施設の更新を兼ねながら基幹浄水場間で相互融通できる水系幹線等の配水施設を整備するもので、本年度は、3億7,227万円の事業費で、鹿島・常磐水系幹線新設工事外1件を実施しました。

(2)施設整備事業

 本事業は、施設の再構築や水道水源の水質の変化に柔軟に対応し、効率的で安定した浄水処理を実施することを目的として、必要な施設や設備の整備を行うもので、本年度は、2億5,339万円の事業費で、配水施設整備等を実施しました。

(3)老朽管更新事業

 本事業は、水道施設の多くを占める管路の老朽化が進み、今後更新需要が増大することから、目標事業量(目標とする年間更新延長)を定めて、更新時期を迎えた管路を布設替するもので、本年度は36億7,787万円の事業費で、平下平窪配水管改良工事外66件を実施しました。

(4)施設更新事業 

 本事業は、「水道施設更新計画」で定める更新基準(実使用年数)に基づき、設備・機器を更新することで、断水等の事故を未然に防止することを目的として、本年度は8億8,007万円の事業費で、配水及び浄水施設の更新を実施しました。

(5)災害復旧事業 

 本事業は、平成23年に発生した東日本大震災に係る災害復旧工事で、本年度は2億5,078万円の事業費で復旧工事を実施しました。

その他の事業

(1) 漏水防止対策事業 

 本事業は、漏水事故による道路陥没等、二次災害の防止や有収・有効率の向上を目的として、本年度は、配水管路延長約1,081kmの漏水調査と65,310戸の戸別音聴調査を実施し、その結果214件の漏水箇所を発見し、漏水を防止しました。

(2) 水道水源保全啓発事業 

 本事業は、水道水源の重要性や良質な水を安定供給する水道について市民の理解を深めることを目的として、昨年同様「水道水源地・施設見学会」を11月に実施し、小玉ダム周辺散策・平浄水場見学を行い市民の方の水道水源及び水質保全対策の意識の高揚を図りました。

(3) 水道水源の監視強化 

 本事業は、水道水源の水質の汚濁を防止し、清浄な水を確保することを目的として、水道水源河川の定期的な巡回について、昨年同様に5地区の保健委員会に委託するとともに、6月と10月に局職員による好間川の「河川清掃」を実施したほか、10月には水源流域9市町村で組織する「夏井川・鮫川水系水質汚濁対策連絡協議会」を平田村で開催し、水質汚濁防止対策に関する連絡調整や情報交換を行いました。

(4) 水道水源の水質保全補助事業

 本事業は、水源河川の水質汚濁の防止を図ることを目的として、水道水源保護地域の合併処理浄化槽設置者及び農業集落排水事業への加入者に対する、補助金交付事業を継続して実施し、922万6,000円(71件)を補助しました。

(5) 水道施設再構築構想の推進

 本事業は、将来の厳しい事業環境に適切に対応するために策定した水道システム再構築計画や老朽管更新計画等の個別計画を検証し、見直しを行うことを目的として、水道事業における現状の評価と課題から将来の事業環境を予測し、最適な水道施設の将来像を導き出した上で、その実現を図るための具体的な検討を行い、個別計画を包含する新たな水道施設総合整備計画を民間事業者の技術と知識を活用し策定するものです。
 
総合整備計画の策定に当たって、水道施設に関する専門的な知識はもとより、課題解決能力や発想力などの能力を備えた事業者を公募型プロポーザル方式で選定し、水道施設総合整備計画策定支援業務委託の契約を締結しました。

 財政状況

 収益的収支(消費税抜き)においては、収入総額は96億4,086万4,159円となり、前年度と比較して1,390万5,739円(0.14%)減少し、支出総額は75億2,037万655円となり、前年度と比較して1億3,566万1,087円(1.84%)増加しました。
 前年度より収入が減少し、支出が増加した結果、本年度の純利益は前年度と比較して1億4,956万6,826円減少し、21億2,049万3,504円となりました。
 
純利益が減少した主な要因は、東京電力からの東日本大震災に伴う原子力災害の損害賠償金(1億854万6,884円)を特別利益に計上したものの、前年度の老朽管更新事業等の増加に伴い、減価償却費等の経費が増加したことなどによるものです。
 
 資本的収支(消費税込み)においては、収入総額28億5,676万2,004円に対し、支出総額は74億8,385万7,024円となり、不足する46億2,709万5,020円については、当年度分消費税及び地方消費税資本的収支調整額3億1,292万5,240円、過年度分損益勘定留保資金19億3,775万8,926円、繰越工事資金2,444万1,056円、当年度分損益勘定留保資金8,190万9,468円、減債積立金19億1,224万966円、建設改良積立金3億5,781万9,364円で補填することとしました。
 なお、企業債残高は、265億7,127万3,024円となり、前年度と比較して2億2,557万8,527円(0.84%)減少しました。

このページに関するお問い合わせ先

水道局 経営戦略課

電話番号: 0246-22-9313 ファクス: 0246-21-4844

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