コンテンツにジャンプ

平成29年度いわき市水道事業会計決算のあらまし

登録日:2018年11月12日

総括  

 本市水道事業は、給水区域が広大で起伏の多い地勢にあり、水源の多くを中小河川に依存していることなどから、浄水場や水道管など多くの水道施設を抱えており、その施設の多くは、合併以降、水需要の増加や水道普及率の向上に対応するため順次拡張整備したもので、施設の老朽化に伴い、順次更新時期を迎える施設が増大しているため、将来の水道施設の再構築を見据え、重要度や優先度に応じて計画的に更新していく必要があります。
 また、水道水の安全性の確保や施設規模の適正化、さらには、東日本大震災の教訓を踏まえ、基幹浄水場間で水を相互融通する連絡管の整備や施設の耐震化を進め、災害に強い水道システムを構築していく必要があります。
 一方、水需要は、給水人口の減少や節水機器の普及等により、長期的には減少傾向にあることから、さらなる経営の効率化や経費の節減に努め、お客様から信頼される水道システムを健全な姿で後世に引き継いでいくためには、持続可能な事業経営が必要とされています。
 以上のような状況のもとで、新・いわき市水道事業経営プラン(10年間)の初年度となる本年度は、公営企業として常に経済性を発揮しながら、公共の福祉を増進するという公営企業の基本原則に従い、最適で災害に強い施設整備と持続可能な経営基盤の確立に取り組み、事業の着実な実施に努めてきました。
 以下、平成29年度決算について項目別に報告します。

 給水の状況 

  本年度末の給水人口は、33万4,751人(前年度比0.77%減)で、給水区域内の普及率は99.76%(前年度比0.01ポイント増)、給水件数は15万124件(前年度比0.62%減)でした。
 また、年間総配水量は4,410万6,894㎥で、前年度を10万9,703㎥(0.25%)上回り、年間有収水量(料金徴収の対象となった水量)は3,780万6,160㎥で、前年度を36万7,745㎥(0.96%)下回りました。
 この結果、有収率については、配水量が増加し、有収水量が減少したため、前年度と比べ1.05ポイント減少し85.71%となりました。

建設改良事業 

 本年度の建設改良事業は、前年度からの繰越事業費を含め、上水道事業と簡易水道事業を合わせ総額65億9,176万4,837円の事業費で次の事業を実施しました。

(1)基幹浄水場連絡管整備事業

  本事業は、平常時の効率的な配水運用を可能にするとともに、既設水道施設の更新を兼ねながら基幹浄水場間で相互融通できる水系幹線等の配水施設整備を行うもので、本年度は、8億9,306万円の事業費で、鹿島・常磐水系幹線新設工事外1件を実施しました。

(2)施設整備事業

  本事業は、施設の再構築や水道水源の水質の変化に柔軟に対応し、効率的で安定した浄水処理や配水運用の円滑化を図ることを目的として、必要な施設や設備の整備を行うもので、本年度は4億1,310万円の事業費で給水管重複化解消、漏水防止対策等を実施しました。

(3)老朽管更新事業

  本事業は、水道施設の多くを占める管路の老朽化が進んでいることから、目標事業量(目標とする年間更新延長)を定めて、更新時期を迎えた管路を布設替えするもので、本年度は26億2,936万円の事業費で、平上荒川配水管改良工事外58件を実施しました。

 ・重要給水施設配水管整備事業

 耐震化された配水池から、災害時に優先給水施設となる67箇所(※)の救急病院や人工透析病院等までの配水管を耐震化することで、災害時においても確実な給水を確保することを目的として、本年度は9,846万円の事業費で、平鎌田配水管整備測量設計業務委託外8件の設計委託を実施しました。
 ※67箇所のうち、12施設は整備済。

(4)施設更新事業 

  本事業は、「水道施設更新計画」で定める更新基準(実使用年数)に基づき、設備・機器を更新することで、断水等の事故を未然に防止することを目的として、本年度は18億8,588万円の事業費で、配水及び浄水施設の更新を実施しました。

(5)災害復旧事業 

  本事業は、平成23年に発生した東日本大震災に係る災害復旧工事で、本年度は7億927万円の事業費で復旧工事を実施しました。

その他の事業

(1) 漏水防止対策事業

  漏水調査は、漏水事故による道路陥没等、二次災害の防止や有収・有効率の向上を目的として、本年度は配水管路延長約940kmの漏水調査と64,000戸の戸別音聴調査を実施し、その結果201件の漏水箇所を発見し、漏水を防止しました。

(2) 水道水源保全啓発事業 

  本事業は、水道水源の重要性や良質な水を安定供給する水道について理解を深めていただくため、「水道水源地・施設見学会」を10月に実施し、四時川沿岸散策と山玉浄水場見学を行い、市民の方の水道水源及び水質保全対策の意識の高揚を図りました。 

(3) 水道水源の監視強化 

  本事業は、水道水源の水質の汚濁を防止し、清浄な水を確保することを目的に、水道水源河川の定期的な巡回を、昨年同様に5地区の保健委員会に委託するとともに、6月に局職員による好間川の「河川清掃」を実施したほか、9月には水源流域9市町村で組織する「夏井川・鮫川水系水質汚濁対策連絡協議会」を本市で開催し水質汚濁防止対策に関する連絡調整や情報交換を行いました。

(4) 水道水源の水質保全補助事業

 本事業は、水源河川の水質汚濁の防止を図るため、水道水源保護地域の合併処理浄化槽設置者及び農業集落排水事業への加入者に対する補助金交付事業を継続して実施し、597万4,000円(45件)を補助しました。

 財政状況

  収益的収支(消費税抜)においては、収入総額は96億5,476万9,898円となり、前年度と比較して6,650万691円(0.68%)減少し、支出総額は73億8,470万9,568円となり、前年度と比較して2億7,200万8,686円(3.82%)増加しました。
 前年度より収入が減少し、支出が増加した結果、本年度の純利益は前年度と比較して3億3,850万9,377円減少し、22億7,006万330円となりました。
 純利益が減少した主な要因は、建設改良費の増加に伴い、資産減耗費等の経費が増加したことなどによるものです。
 なお、夏場の天候不順や双葉郡等からの避難者の帰還等により、給水収益は前年度と比較して5,448万20円(0.65%)減少しました。

 資本的収支(消費税込)においては、収入総額27億2,080万1,208円に対し、支出総額は86億4,401万3,807円となり、不足する59億2,321万2,599円については、当年度分消費税及び地方消費税資本的収支調整額3億7,758万5,349円、過年度分損益勘定留保資金27億7,871万5,151円、繰越工事資金7,798万7,477円、当年度分損益勘定留保資金8,035万4,915円、減債積立金19億2,984万7,057円、建設改良積立金6億7,872万2,650円で補填することとしました。
 なお、企業債残高は、267億9,685万1,551円となり、前年度と比較して8億104万8,970円(2.90%)減少しました。
 

 

 

このページに関するお問い合わせ先

水道局 経営戦略課

電話番号: 0246-22-9313 ファクス: 0246-21-4844

このページを見ている人はこんなページも見ています

    このページに関するアンケート

    このページの情報は役に立ちましたか?