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その21 『市民憲章は、こうして生まれました(1)』(平成28年2月17日市公式Facebook投稿)

登録日:2016年2月17日

「市民憲章は、こうして生まれました(1)」


いわき市民憲章石碑・本庁舎前(平成28年、いわき市撮影) 「わたくしたちいわき市民は……」で始まる「いわき市民憲章」は、市制施行10周年を記念して制定されました。

 そもそも、市民憲章は、「市の憲法」ともいわれるもので、市民一人ひとりが郷土を愛し、市の未来に向かって力強く前進するための共通目標です。
 市民と行政が一体となって「明るく住みよい豊かなまち」をつくるために、私たちは日常生活をどう送ればよいか、その行動指針がわかりやすい言葉でまとめられています。
 具体的には、自然や社会秩序を守ること、教育・文化・連帯の意識を高めること、健康の喜びや働くことの大切さ、生活環境の美化など、私たちのだれもが望み、まちづくりに願っていることが盛り込まれています。

 市民憲章の制定を求める声は、いわき市の発足後間もないころからありました。
 昭和42年12月定例市議会では、古川洋一議員からの「市民憲章を制定する考え方があるかどうか」という問いに対し、大和田弥一市長が「これから調査もし、研究もしていきたい」と回答しています。
 昭和46年12月定例市議会では、星昭光議員から「いわき市民憲章を制定すべきではないか」との提言があり、大和田市長が「十分検討を加えていきたい」と回答しています。昭和50年3月定例市議会では、同じく星議員から「市民憲章を制定すべき」という提言があり、田畑金光市長が「市民憲章制定は(市制施行10周年目の)来年度をメドに向かって各界の代表に参加を願い……取り組んでもらいたい」と考えを述べています。

いわき市民憲章制定委員会会議風景(昭和51年8月、いわき市撮影) このような流れを受け、市は、昭和51年2月6日に市職員19名による「いわき市民憲章制定調査委員会」を発足し、第1回調査委員会を開催します。会議では、制定の基本方針を協議し、憲章に盛り込む内容について市各部署の要望をとりまとめることが決まりました。
 2か月後、昭和51年4月2日に開催した第2回調査委員会では、憲章の性格や形式、内容など、さらに具体的な事項の検討が進みました。


 市内部の準備が整った昭和51年5月15日、「いわき市民憲章制定委員会」が発足します。委員会のメンバーは、市内各層の有識者20名、市議会議員8名、市職員2名の合計30名で構成されました。第1回制定委員会では、福島高専校長の佐藤光氏が会長に選任され、いよいよ、市民憲章制定へ向けた本格的な作業がスタートしました。

 昭和51年5月27日の第2回制定委員会では、憲章の性格や形式、項目の構成や内容、表現などを協議しました。また、制定委員会の中に、憲章の原案を作成するための起草委員会を設置し、7名の委員を選出しました。起草委員会の委員長には、いわき市文化団体連絡協議会長の上野英四郎氏が選ばれました。
 次回の会議開催までの期間、起草委員会は、憲章の前文と本文の試案作成を行い、調査委員会は試案についての意見調整と、試案作成までの経過報告書の検討を行いました。

市民憲章アンケート返信はがき(昭和51年、いわき市撮影)  昭和51年6月24日、第3回制定委員会を開催し、起草委員会の上野委員長から憲章原案の報告がありました。原案について活発な意見交換があったのち、この原案を市民に公開して意見を求める「市民憲章アンケート」の実施について協議がありました。
 協議の結果、アンケートは、タブロイド判の用紙で、返信用はがきが刷り込まれていました。憲章案の全文に加え、作成の経過、前文・本文5項目の解説が掲載され、憲章案に対して修正意見がある場合は、はがきの記入欄に具体的に記入し返送するようになっていました。
 このアンケート実施の背景には、制定委員会の「成案作成は市民総参加で手づくりの憲章に」という強い思いがありました。
 アンケート用紙は市内全世帯に配布され、昭和51年7月1日から20日まで調査が行われました。その結果、253通の返信があり、前文に対する修正意見が74件、本文に対する修正意見が210件、その他の要望事項が28件寄せられました。件数はそれほど多くなかったものの、10代から70代までの幅広い世代から意見がありました。

 昭和51年7月29日、第4回調査委員会と第5回起草委員会を開催し、アンケート調査による意見を検討、草案の作成を行いました。原案からの修正は、前文の文言の順序替えや、本文の「健康で」という表現を「元気で」に変更するなど、丁寧に市民意見が反映されました。また、文法上の誤りがないか、専門家への確認も行われました。

佐藤光市民憲章制定委員会長から田畑市長に市民憲章の答申(昭和51年8月、いわき市撮影) 昭和51年8月6日、最終回となる第4回制定委員会を開催します。起草委員会の上野委員長から、草案について経過と内容の報告があり、制定委員による最後の全体協議が行われました。委員からは、具体的な意見が出されて活発な議論があったのち、満場一致で「いわき市民憲章草案」としてまとまりました。同日、制定委員会の佐藤会長から田畑市長に報告された内容には、要望として2つの付帯事項がありました。
 (1)この憲章を広く市民に周知し理解されるよう、万全の方策を講ずること
 (2)この憲章の精神が市政の上に十分反映されるよう、条件整備に努めること
 この付帯事項が、市民憲章制定後に発足する「いわき市民憲章推進協議会」を中心にした普及啓発活動につながっていきます。


 次回は、完成した市民憲章のお披露目とその普及活動について振り返ります。お楽しみに♪

 

 〔担当〕市制施行50周年記念誌プロジェクト

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