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その4 『写真整理はたいへんです(2)』(平成27年7月1日市公式Facebook投稿)

登録日:2015年7月1日

整理作業編

古い写真 常磐炭鉱鹿島坑線の国道6号踏切

 前回の「写真整理はたいへんです(1)~デジタル化編~」では、膨大な写真をデジタルデータ化することのたいへんさについて触れました。続く今回は、こちらもなかなかたいへんな整理作業についてです。

 合計47万点の保存形態の異なる写真のデジタル化完了後は、所有者や撮影年、保存状態ごとに大まかにフォルダ分けし、管理台帳を作成します。台帳には、フォルダごとの保存枚数、撮影年月、撮影者、撮影内容(何が写っているのか)、元データの種類(白黒フィルム、カラーフィルム、スライドなど)などを、可能な限り記録していきます。

 台帳が一通り完成すると、ここで市のベテラン職員の登場です。長年の経験を手がかりに、実際の写真を確認し、台帳の記述に間違いがあれば修正していきます。加えて、この段階で歴史的な記録価値の高い写真を選定し、キャプション(簡単な説明)を付けて分類していきます。

 写真の選定は、市民の皆さんや市職員が、今後いわき市について調査や研究をする際に役立つか、歴史的な共有財産としてふさわしいか、時代の臨場感や空気感が感じられるかといった視点で行います。

 具体的には、馬車や昔使われていた道具など、今はない光景が写っているものは選ばれます。また、定点観測のように今と昔が比較できるもの、特に震災で大きな被害があった地域のものは選ばれます。

 選定担当者によると、昔の町並みが写っているものは多く選んでいて、当時の地図とにらめっこしながら場所を特定するとのこと。ただ、この場所の特定作業というのが、またたいへんなのです。

 昔の町並みが広角で撮影されている場合、山の稜線や川などの地形、橋や道路、ランドマーク的な建物など変化していないことが明らかなものを手がかりに判断しますが、撮影された方角によって写りこむものは変化しますから、実際の土地勘が必要になる場合もあります。そんなときは、各部署のベテラン職員に出身地区別に声をかけ、子どものころの記憶をたどってもらうようなこともあります。

 例えば、今回皆さんにご覧いただく写真、どこを撮影したものかわかりますか?撮影されたのは昭和44年10月、単線の鉄道と道路が交わる踏切の様子が写っていますが…。

 担当者ははじめ、単線ならば磐越東線か、常磐線の市北部地区の踏切だろうと考えて、当時の住宅地図などをめくりましたが、ぴったりくる場所がどうにもわからない…。モヤモヤを抱えたまま1週間ほど経過したころ、もしかしてまったく別の鉄道なのでは!と新たな考えが浮かび、ようやく常磐関船町の常磐炭鉱鹿島坑線の国道6号踏切を西側から撮影したものだと特定することができたそうです。いうまでもなく、そのときのスッキリ感は相当なものだったとか(笑)。

 写真の内容確認後は、キャプションの付加作業を行います。その写真から何を読み取るか、その目的を先に配置して「○○を△△から見る」と統一感を出しています。先ほどの写真を例に挙げれば、「常磐炭鉱鹿島坑線の国道6号踏切を西側から見る・常磐関船町(昭和44年10月、いわき市撮影)」とこんな感じです。

 キャプションが付加された写真は、市内13地区ごとに分けられて別保管され、その数は、平成27年6月現在で13,000点を超えています!

 私たちは、写真は撮るだけで残るものだと思ってしまいますが、実は、残すことを考えて整理しないと次世代へはつながらないものなのかもしれません。いわき市が誕生してから49年の月日が流れ、今このときに整理しておかないと失われてしまうのではないか、そんな危機感も持ちつつ整理作業は今後も続きます。

このページに関するお問い合わせ先

総合政策部 広報広聴課

電話番号: 0246-22-7402 ファクス: 0246-22-7469

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